日々のできごと

書籍刊行から1年!広がる #ハウジングファースト テレビや演劇でも。

日々のできごと

昨年4月に、稲葉剛・小川芳範・森川すいめい編『ハウジングファースト~ 住まいからはじまる支援の可能性』(山吹書店・JRC)が刊行されて1年になります。

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関連記事:【2018年5月27日】毎日新聞書評欄で『ハウジングファースト』が紹介されました。

専門書なので売れ行きは地味ですが、福祉・医療関係者を中心にじわじわと広がってきています。

NHK Eテレの「ハートネットTV」でも、ついに「ハウジングファースト」の特集が組まれることになりました。

東京都内の7団体で構成され、私も関わっている「ハウジングファースト東京プロジェクト」の活動に取材した番組です。4月9日(火)20時から放映されるので、ぜひご覧ください(再放送は4月16日(火)13時5分~)。

ハートネットTV TOKYO“ホームレス”2019「ハウジングファースト」

ホームレスを取り巻く現状が厳しさを増しているのではないかと懸念されている。そんな中、ホームレス支援のエキスパートたちが立ち上げた新発想のプロジェクトとは?!

 

また、「ハウジングファースト東京プロジェクト」では元ホームレスの人たちによるパン作りの取り組みも行なわれていますが、この「池袋あさやけベーカリー」の実話をもとにした演劇『つながりのレシピ』(秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場第121回公演)が4月5日から始まりました。

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秋田雨雀・土方与志記念
青年劇場第121回公演

つながりのレシピ

福山啓子=作  関根信一=演出

「順調に失敗だらけ」のパン作り
苦労を取り戻しこころが健康になる物語

孤独に陥った男の「人」とのつながり直しは・・・

あらすじ

ところは東京・池袋にほど近い住宅街の一角にあるとある家。
あるじの陽一は、定年直後に妻を失い、すっかり意気消沈。
そんな父を心配して娘が時々様子を見に来ている。
ある日、はからずも妻が遺したレシピをもとにパンを焼くことになったのだが、
手伝いに集まったのは、元ホームレスや精神的病いを抱えている人たちだった・・・!

4月14日まで、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで公演があるので、ぜひ観に行っていただければと思います。劇場では『ハウジングファースト』の本も販売してくれています。

劇団のサイトには私の推薦文も掲載していただきました。

https://www.seinengekijo.co.jp/s/recipe/recipe-me.html

稲葉剛(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事)

「ホームレス」という名前の人がいるわけではない。
生活に困窮して、ホームレス状態に陥った一人ひとりの人間がいるだけだ、と私たち支援関係者は訴えてきました。
この演劇を通して、そうした一人ひとりの人生に想いをめぐらす方が増えることを願っています。

 

テレビ番組や演劇を通して、ぜひハウジングファーストの実践に触れていただければと思っています。よろしくお願いします。

 

誰も路頭に迷わせない東京へ!「東京アンブレラ基金」設立にご協力を!

日々のできごと

3月28日(木)、私が代表理事を務める「つくろい東京ファンド」は新たなプロジェクト立ち上げのためのクラウドファンディングを開始しました。

「今夜、行き場のない人」を路頭に迷わせないため、団体の枠を越えた基金を作りたい!- クラウドファンディングCAMPFIRE

今日も、誰かの緊急事態。でも、東京には「傘」がない。

世代、国籍、SOGI……あらゆる分断を越えて、誰も路頭に迷わせない東京をつくるため、8団体協働で緊急一時宿泊時の宿泊費拠出と横断的な調査をおこなう「東京アンブレラ基金」を立ち上げます。

 

近年、さまざまな分野で対人援助を行なっている都内の団体が、住まいを喪失した相談者(対象は、路上生活者、十代の若者、LGBT、難民などそれぞれ)への緊急支援としてネットカフェやビジネスホテルなどの宿泊代等を自腹で支給するケースが増えているという話を聞く機会が増えてきました。

そこで、つくろい東京ファンドとして「東京アンブレラ基金」という基金を設立し、各団体が実施する緊急支援に対して、1人あたり1泊3000円(4泊まで)の助成をおこなうという仕組みを作ることにしました。
「アンブレラ」という言葉には、「雨露をしのぐことのできる場所」という意味を込めています。

社会的には、さまざまな分野で活動をする団体が連携をすることで、「世代や国籍、SOGIといった様々な分断を越えて、誰も路頭に迷わせない東京をつくる」というメッセージを打ち出していきたいと考えています。

現時点で、「東京アンブレラ基金」の協働団体となることが決まっているのは、以下の7団体です。

・NPO法人TENOHASI(路上生活者支援)
・一般社団法人Colabo(若者支援)
・認定NPO法人難民支援協会(難民支援)
・LGBTのハウジングファーストを考える会・東京(LGBTの生活困窮者支援)
・NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(子ども支援)
・避難の協同センター(原発避難者支援)
・NPO法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウス(人身取引被害者支援)

また、広報や調査研究では、「東京ストリートカウント」の取り組みで知られるARCHにご協力いただいています。

クラウドファンディングは200万円を目標にしています。これは延べ660泊を可能にする金額です。
集まった資金は、クラウドファンディングの手数料を除き、全額が直接支援に使われます。

クラウドファンディングの成否はSNSでの拡散にかかっています。
ぜひ情報の拡散にご協力ください。よろしくお願いいたします。

 

「今夜、行き場のない人」を路頭に迷わせないため、団体の枠を越えた基金を作りたい! – CAMPFIRE(キャンプファイヤー) https://camp-fire.jp/projects/view/127236

#東京には傘がない #アンブレラ基金

2月22日(金)15時~生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟を傍聴しよう!

日々のできごと

2013年からの生活保護基準引下げの違憲性を問う「いのちのとりで裁判」が全国各地で進められています。

東京では2つの裁判が進行していますが、先行する「はっさく訴訟」の第11回口頭弁論が2月22日(金)15時~東京地裁103号法廷で開かれます。

弁護団の白木敦士弁護士に今回の口頭弁論の「見どころ」をまとめていただきましたので、ぜひご一読の上、傍聴にお越しください。

https://blog.goo.ne.jp/seihohassaku/e/9be06e0f043df23d1bd6a08383b6953d

はっさく訴訟原告団を応援してくださる皆様

平素より、生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟(はっさく訴訟)をご支援いただきまして誠に有難うございます。日頃より多大なるご支援を賜りまして、感謝申し上げます。

弁護団事務局長(弁護士)の白木敦士と申します。次回弁論期日に関するご案内をさせていただければと思い、記事アップをさせていただきました。
お手数ではございますが、ご案内を拡散いただければ幸いです。

また、寒さが厳しい時期となりますが、裁判所に足を運んでいただき、原告団を応援いただければ有難く思います。
どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

1 次回期日
2019年2月22日(金)
15時00分~

2 法廷
東京地方裁判所103号法廷

3 ビラ配りの詳細
14時20分から、東京地方裁判所・桜田門側エントランス前で実施する予定です。
雨天時については、行いません。

4 事件の進行予定(予定)
(1)原告提出書面の陳述
(2)弁護団・意見陳述
(3)原告本人・意見陳述

5 傍聴の見どころ

(1)ポイントその1

これまで、被告国側からは、以下の点に対する主張がなされました。
被告国が裁判所に提出した反論の書面の目次を抜き出しますと、以下の通りとなります。
①生活保護基準の設定及び改定は、専門家によって構成される審議会等の検討結果に基づくものでなければならない旨の原告らの主張に理由がないこと
→つまり、「生活保護基準の設定及び改定は、専門家が議論した検討結果に基づかなくてもよいのだ!」という反論です。

②「原告らは、老齢加算東京訴訟最高裁判決及び老齢加算福岡訴訟最高裁判決の意義を正解していないこと」
→つまり、「厚生労働大臣には広範な裁量権が認められているところ、基準引き下げについての政策判断は問題がない」という反論です。

③「被告らが本件保護基準改定の判断過程について自らの判断に不合理な点がないことについて何ら主張立証していない旨の原告の主張が失当であること」
→つまり、「原告は、国が違法なことをしたというのなら、自分で証拠を探して提出すればよく、国が資料を開示しないことは問題がない。」という反論です。

次回では、これらの被告の主張に対して、原告らによる反論の書面を提出する予定です。

(2)ポイントその2

従前、我々は、平成25年から始まった段階的引き下げに際して、いかなる議論が厚労省内でなされ、また、いかなる資料が作成されたのかとの点について、被告国に対して、資料の開示を求めて参りましたが、国側は「これ以上、回答の要はない。」、「資料が残っていない。」として、資料の開示を拒んできました。
今回は、平成30年に実施された基準引下げに際しては、「さすがに資料がないとは言わせない!」として、開示を求めて行こうと考えています。平成30年における基準引き下げ時に作成された資料や、開催された会議等が特定されれば、本訴訟で問題となっている、平成25年から始まった基準引き下げの際においても、同様の資料や会議が存在したことを推認することができるからです。

(3)ポイントその3

生活保護基準改悪に対する想い、国側の訴訟姿勢について、原告本人か直接語っていただく予定です。

もっとも、以上はあくまで現時点における予定となり、変更となる可能性があることをご了承ください。

6 報告集会の詳細
2019年2月22日(金)
15時45分~
場所:弁護士会館5階508ABC 会議室

2018年を振り返る。そして新たなプロジェクトへ

日々のできごと

早いもので、今年も残すところ約3週間になりました。2018年の自分の活動を振り返ってみたいと思います。

『ハウジングファースト』を刊行!

今年の一番大きな出来事は、4月に『ハウジングファースト』を刊行したことです。
ずっと前から「ハウジングファーストをきちんと紹介した本邦初の本を出したい」と思っていたのですが、ようやく実現することができました。

稲葉剛・小川芳範・森川すいめい編『ハウジングファースト』、好評発売中です!

『ハウジングファースト』の刊行をきっかけに、このテーマで講演をする機会も増えてきました。

6月には、尊敬する生田武志さんとの対談も書籍化されました。

生田武志×稲葉剛『当たり前の生活って何やねん?! 東西の貧困の現場から』、6月2日刊行!

昨年、オープンした「カフェ潮の路」は今年4月に開店1周年を迎えることができました。
1周年を記念して、カフェのすぐそばにあるカトリック徳田教会の会場をお借りして、「感謝の集い」を開催しました。

カフェ潮の路1周年記念イベントを開催しました!

また、「カフェ潮の路」の名物の一つである「お福わけ券」は8月に累計1000枚を突破し、今では1200枚を超えています。

【カフェ潮の路】お福わけ券がついに1000食突破しました!

「お福わけ券」や自家焙煎の「潮の路珈琲」は、つくろい東京ファンドオンラインショップでも扱っています。ぜひご覧ください。

LGBTコミュニティとの協働

今年新たに取り組んだのは、「LGBT支援ハウス」を開設するプロジェクトです。
昨年、「LGBT×貧困」というシンポジウムに呼んでいただいたのがきっかけになり、LGBTの生活困窮者を支援する方法について、LGBTコミュニティに関わる方々と議論を続けてきました。

今年の夏には「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」が発足。「日本初!貧困・孤独・病気 負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくりたい!」というタイトルのクラウドファンディングを展開し、見事、目標額を達成することができました。

「LGBT支援ハウス」がなぜ必要なのか、という点については、私がWEBRONZAの連載に書いた記事をご参考にしてください。

[19]LGBT支援ハウスがなぜ必要なのか? – 稲葉剛|WEBRONZA – 朝日新聞社の言論サイト

「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」では現在、物件の選定を進めており、早ければ年内にも支援ハウスをオープンさせる予定です。

 

10月には、LGBT支援ハウスのプロジェクトでもご一緒している中野区議の石坂わたるさん、ALSなど難病を抱える人たちの介護支援に取り組むNPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会の事務局長の川口有美子さんと共に、「政治から差別発言をなくすために私たちがすべきことは?」と題した院内対話集会を開催しました。

この集会は、杉田水脈議員のLGBT差別発言が直接のきっかけとなった企画でしたが、集会では麻生財務大臣の問題発言についても議論されました。

【2018年10月26日】朝日新聞「麻生氏また舌禍」にコメント掲載

院内集会での基調講演は東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎さんにお願いしました。

最近、BuzzFeed Newsに、この日の熊谷さんの講演録(全3回)が掲載されたので、そちらもぜひご一読ください。

なぜ政治家が差別発言をしてはいけないのか? 「障害は皮膚の内側ではなく、外側にある」

90年代からの活動を振り返る

私が貧困問題に関わるようになって、来年でちょうど25年になります。今年は90年代の支援活動を振り返る取材も多く受けました。

今年の1月、『AERA』の「社会企業家」特集のインタビューを受け、2月5日号(1月29日発行)に記事が掲載されました。
「私は、『社会企業家』というより『活動家』なのですが、それでもいいですか」という点を確認させていただき、インタビューに応じたのを覚えています。
記事では、1994年からの私の活動を紹介していただきました。

【2018年1月29日】AERA「社会起業家」特集にインタビュー記事が掲載

また、5月には拙著『鵺の鳴く夜を恐れるために』(エディマン/新宿書房、2015年)を読んだ映像制作者の方から、本の内容を映像化したいというご提案があり、新宿ダンボール村時代の活動を振り返る16分の動画を作っていただきました。

90年代の新宿ダンボール村を振り返る動画が公開されました。

 

生活保護問題と「住まいの貧困」問題への取り組み

このように今年もさまざまな活動を行なってきましたが、従来から取り組んでいる生活保護問題や「住まいの貧困」問題に関する活動も続けています。

生活保護問題では、生活保護問題対策全国会議の幹事及び「いのちのとりで裁判全国アクション」の共同代表として、今年度、再び強行された基準引き下げへの抗議と2013年度からの過去最大の引き下げを憲法違反とする全国の裁判の応援を続けています。

生活保護の利用当事者、経験者の声が国政の場に響き始めた!

「住まいの貧困」問題では、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」の世話人として、今年2月に参議院国民生活・経済調査会で参考人として意見陳述を行なったほか、折に触れて発信を続けています。

世代を越えて広がる「住まいの貧困」。国会での真摯な議論を求めます。

【2018年8月2日】朝日新聞「住を支える そしあるハイム火災から半年」にコメント掲載

広がる住宅支援と仕事づくり、そして新プロジェクトへ

私が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドでは、「市民の力でセーフティネットのほころびを修繕する」というコンセプトのもと、カフェ潮の路の運営のほか、都内の空き家・空き室を活用したハウジングファースト型の住宅支援を他団体と連携しながら展開しています。つくろい東京ファンドが都内で借り上げている部屋は計23室になりました。

『新たな社会的住宅の創出×運営の試み』(NPOコレクティブハウジング社)の事例として取り上げられました

そして仕事づくりの分野では、現在、「カフェ潮の路」及び「潮の路珈琲」(自家焙煎珈琲の製造・販売)に続く新たなプロジェクトが始動しています。
それは、この壺を活用して「あるもの」を作る事業です。

順調に行けば、来年の初めには新プロジェクトの全貌を紹介できるかと思います。
ぜひご期待ください。

また本日(12月8日)、国会で「改正」入管法が成立しました。働く外国人の人権をどう守るのか、という議論が不充分なまま、来年4月より外国人労働者の受け入れが拡大することになります。
入管法「改正」をめぐる国会での審議では、外国人の人権擁護に取り組んできたNPOや労働組合関係者などでつくる「移住者と連帯する全国ネットワーク」の尽力により、すでに日本国内で働いている外国人技能実習生の劣悪な労働実態が明らかになりました。

今後、本格的な移民の時代を迎えるにあたり、生活困窮者支援に取り組んできた私たちも外国人の貧困問題への取り組みを強化しなければならないと考えています。来年はその模索の年にしていきたいと思います。

今年もさまざまな方のご支援、ご協力により、活動を進めていくことができました。ありがとうございます。

来年も「いのち・すまい・けんり」にこだわった活動を続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

つくろい東京ファンドへのご支援は、こちら。

 

国は生活保護基準引下げのプロセスを隠し続けるのか?11月30日(金)11時~東京地裁で確認しよう!

日々のできごと

2013年からの生活保護基準引き下げに対して、全国29の都道府県で違憲訴訟が行なわれています。

東京では2つの訴訟が進行中ですが、先行する「はっさく訴訟」の第10回口頭弁論が11月30日(金)に行なわれます。

 

「はっさく訴訟」の原告・弁護団は、厚生労働省が生活保護基準引き下げを議論し、決定したプロセスを明らかにすることを求めていますが、被告である国はこれまであいまいな対応に終始しています。

裁判所も被告に対して、2013年1月27日付けで厚生労働省社会・援護局が作成した「生活扶助等の見直しについて」という文書(政府への内部説明用)について、いつ、どこで、誰に説明したものか明らかにするよう求めており、これに対する被告の対応が注目されます。

また、今回も原告のお一人の意見陳述が予定されています。
ぜひ傍聴にご参集ください。

https://blog.goo.ne.jp/seihohassaku/e/488e7f8be802a4ede9d8d47da71db88c

生活保護基準引下げ違憲東京国賠訴訟(はっさく訴訟)第10回期日

11月30日(金)11時から、東京地裁103号法廷で開かれます!たくさんの皆さまの傍聴をお願いします。

2013年8月1日(八朔の日)から3回にわたって生活保護基準が引き下げられました。これは生存権を保障した憲法25条に違反するとして、東京都内の生活保護利用者たちが、国等に対し、国家賠償等を求めています。

厚生労働大臣は、今年10月からの生活保護基準のさらなる引下げを強行しました。全国の生活保護利用者が悲鳴を上げています。それだけでなく、社会福祉がドンドン切り下げられていくことは、国民生活全体の問題であります。
このような暴挙を許さず、生活保障を守るためにも、厚生労働大臣の責任を問う<はっさく訴訟>の闘いが非常に重要になっています。
多くの市民の皆さんの傍聴をお願いします。

閉廷後、東京都港区虎ノ門1-2-12第二興業ビルの「ハロー貸会議室虎ノ門」3階で報告集会を予定しております(11時45分ころ~)。こちらにもご参加ください。

「健康で文化的な最低限度の生活」の基準とは?9月14日(金)11時~東京地裁で考えよう!

日々のできごと

今年9月4日、加藤勝信厚生労働大臣は、生活保護の生活扶助基準の見直しを10月から実施することを告示しました。この「見直し」によって、約3分の2の世帯で基準が引き下げられることになります。

生活保護の基準には、私たちの社会において「健康で文化的な最低限度の基準」を示すラインとしての役割があります。このラインが引き下げられると、生活保護利用者だけでなく、他の低所得者向けの支援策も所得制限の基準が上がって使いづらくなるなど、マイナスの影響を与えることが知られています。

安倍政権になってから、生活保護基準の引き下げは二度目になります。生活保護基準は5年ごとに見直されますが、前回(2013年)には過去最大の引き下げが行われました。

この過去最大の引き下げに対して、全国29の都道府県で引下げの違憲性を問う訴訟が行われています。

東京では現在、2つの訴訟が進行していますが、先行している「はっさく訴訟」は、第9回口頭弁論が9月14日(金)11時から、東京地裁1階の103号法廷で開かれます。

 

傍聴をご希望の方は、早めに東京地裁の正門前に(地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口すぐ)にお集まりください。

「健康で文化的な最低限度の生活」の基準とはどうあるべきか?ぜひ裁判を通して考える機会にしたいと思います。

口頭弁論終了後は弁護士会館で報告集会が予定されています。あわせて、ご参加ください。

 

関連記事:祝!TVドラマ化!『健康で文化的な最低限度の生活』原作者、柏木ハルコさんとの対談

 

今年の「りんりんふぇす」は10月27日(土)開催!予約受付開始しています!

日々のできごと

ミュージシャンの寺尾紗穂さんが「ホームレスの当事者や経験者と一緒に音楽を楽しみたい」と、私を含むホームレス支援の関係者に声をかけたことから始まった「りんりんふぇす」。

ホームレスの人たちの仕事をつくる雑誌「ビッグイシュー日本版」の応援イベントとして、すっかり定着し、今年で9回目を迎えることになりました。

「りんりんふぇす2018」は、10月27日(土)に行われることが決定!すでに予約受付も開始しています。

詳しくは以下の画像をクリックして、公式サイトをご覧ください。

当日は、フェアトレード&自家焙煎の「潮の路珈琲」の販売も行います。お楽しみに!

 

 

◇イベント概要
●名 称:

りんりんふぇす2018

Sing with your neighbors

THE BIG ISSUE support live vol.9

●日 時:

2018年10月27日(土) 

開場 13:00/開演 14:00 ~

※終演19:00予定

●料 金:

前売券 2,500円 ※税込・入退場自由

当日券 3,000円   小学生以下無料

●会 場:

梅窓院 祖師堂(そしどう)

〒107-0062 東京都港区南青山2丁目26-38

※東京メトロ銀座線 外苑前駅1a出口徒歩1分

※駐車場はございません。お車での来場はお控えください。

●内 容:

音楽ライブ/1部・2部制

座談会/1部終了後に行います

その他/炊き出し(無料の軽食)、フェアトレードのコーヒーや軽食の販売、チャリティ物販

●出 演:

マレウレウ、坂口恭平、東郷清丸、ふちがみとふなと、アラゲホンジ、寺尾紗穂+新人Hソケリッサ!

●座談会:

「ようこそ、ごちゃまぜの社会へ」

寺尾紗穂、稲葉剛、吉水岳彦、ビッグイシュー販売者、他

●主 催:

「THE BIG ISSUE」 support Live vol.9実行委員会

●協 力:

有限会社ビッグイシュー日本、認定NPO法人ビッグイシュー基金、一般社団法人つくろい東京ファンド、社会慈業委員会ひとさじの会、キーン・ジャパン合同会社、公益財団法人 浄土宗ともいき財団、コミュニティホーム べてぶくろ、池袋あさやけベーカリー、高田馬場福祉作業所、在日ベトナム仏教信徒会、浄土宗 梅窓院

●問合せ:

singwithyourneighbors@gmail.com

※梅窓院(会場)へのお問合せはご遠慮下さい。

●備 考:

観覧席は椅子を200脚、座布団を100個ほど用意でゆったり観れます。小学生以下(12歳以下)はチケット代は無料です。ぜひとも家族そろってお楽しみください。

※皆さまへのお願い※

当日、ホール内での飲食は禁止となっています。会場外もしくはロビーの飲食スペースをご利用くださいますよう、どうかよろしくお願いします。

チケット予約&お問い合わせは、こちらのページで。

 

LGBT支援ハウスをつくりたい!クラウドファンディングにご協力を!

提言・オピニオン 日々のできごと

私が代表理事を務める「つくろい東京ファンド」では、LGBTコミュニティの各団体・個人と連携をして、「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」という団体を作り、中野区内にLGBT向けシェルターを開設する方向で準備を進めています。

7月13日(金)から、「日本初!貧困・孤独・病気 負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくりたい!」というタイトルで、中野区内に1部屋のシェルターをオープンするためのクラウドファンディングを開始しました。

※以下の画像をクリックすると、クラウドファンディングのページに移ります。

ぜひこのクラウドファンディングのキャンペーンにご協力ください。
SNSアカウントを持っている方は、以下の文章をコピペして、情報拡散にご協力いただけると大変ありがたいです。

 

日本初!貧困・孤独・病気
負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくりたい! | https://greenfunding.jp/fca/projects/2350
#LGBT支援ハウス

 

今回のキャンペーンの特徴は、私たち生活困窮者支援団体の関係者とLGBTコミュニティの諸団体・個人のネットワークによってプロジェクトを進めている点です。

私自身も、当事者団体の方々からLGBTの人たちの置かれている状況を学びながら、ディスカッションを重ね、合同プロジェクトを立ち上げるに至りました。
「これまでにない組み合わせ」という評価もいただいていますが、これまでにない組み合わせで、これまでにない事業に取り組んでいきたいと思います。

もう一つの特徴は、クラウドファンディングのお礼の品がこれまでになく、充実していること。
これは、アルファロメオと中村キース・ヘリング美術館、GREEN FUNDINGの全面協力により実現しました。10万円コースにはキース・ヘリングの自転車もあります。ぜひグッズもチェックしてみてください。

キャンペーンは9月末まで続くので、よろしくお願いします。

 

以下はプレスリリースの内容です。

*******************

【LGBTと生活困窮】貧困・孤独・病気という負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくる、コレクティブ・インパクト型のプロジェクトが、複数のNPO団体や個人の協働によりキックオフ。

ホームレス状態になったLGBT当事者が利用できる支援ハウス(個室シェルター)を開設し、複数の団体・個人が協働して支援にあたることを目指し、プロジェクトの実現に向けたクラウドファンディングを立ち上げ。

LGBTについての話題が、メディアなどで華やかに取り上げられることも多い現在。さまざまな状況におかれたLGBT当事者・生活困窮者に関する実情は、なかなか情報として発信されていません。都内で活動するNPO団体等にて行なっている日々の相談業務においては、住まいを失い「ホームレス状態」になった、あるいは現在なっているというLGBT当事者の方から声が少なくありません。

特にゲイ・バイセクシュアル男性やトランスジェンダーの方が、一度路上に出てしまった場合に入ることが出来る支援施設は不足しています。また、『「お金がない」から「健康を保てない」。「健康ではない」から、適切な相談を考えることができない。「相談できない」から、よい条件の仕事がみつからずお金がない。』という「負のスパイラル」を立ち切り、安心できる「個室」と「経験のある支援体制」が、ホームレス状態になったLGBT当事者にも必要だと考えています。

この度、都内を中心に、さまざまな状況におかれたLGBT当事者・生活困窮者の支援を続けている複数のNPO・個人・行政・当事者が、立場を越えて社会問題に取り組む「コレクティブ・インパクト」のアプローチで、この解決に取り組む「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」を発足し、ホームレス状態になったLGBT当事者が利用できる支援ハウス(個室シェルター)の開設を目指すこととなりました。具体的な計画としては、中野区内に個室一室を借り、そこを「LGBT支援ハウス」として運用。多数の相談支援団体と連携して、支援を必要としている人につながり、ハウスを利用しながらニーズに合った支援を続けていきます。
「LGBT支援ハウス」の利用は原則として期間限定とし、私たちの会が掲げる「ハウジングファースト」の理念に基づき、できるだけ早い段階で安定した住まい(通常の賃貸アパート)へ移行をサポート。それぞれの新たな生活を応援していきます。また、今回のプロジェクトによる支援と平行して一年間をかけ調査もおこない、ニーズを探ることで、ここで得られた知見と成果を社会へフィードバックしていければと考えています。

なお、より多くの方々とともに本プロジェクトを実現していくために、クラウドファンディングをスタートします。ぜひ、ご支援および情報拡散のご協力をお願いします。

◆プロジェクト名

「日本初!貧困・孤独・病気、負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくりたい!」

◆主催

LGBTハウジングファーストを考える会・東京

◆呼びかけ人(50音順)

荒木順子(NPO法人akta)、生島嗣(NPO法人ぷれいす東京代表)、石坂わたる(中野区議会議員)、稲葉剛(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事)、稲吉久乃 、遠藤まめた(やっぱ愛ダホ!idaho_net.代表)、大江千束(LOUD代表)、大島岳(一橋大学大学院)、金井聡(一橋大学大学院)、金谷勇歩、カラフル@はーと、前田邦博(文京区議会議員)、松中権(認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ 代表)、山縣真矢(NPO法人東京レインボープライド共同代表理事)

◆支援体制(予定)

・相談対応:特定非営利活動法人ぷれいす東京
・入居者へのサポート:カラフル@はーと、LOUD(ラウド)
・住まい探しのサポート:一般社団法人つくろい東京ファンド
・広報・ネットワーキング:認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ

◆具体的なスケジュール

7月13日(金):プロジェクト・スタート(クラウドファンディング開始)
8月:物件の調査および内定
9月:物件と支援体制の確定
10月:各種設備の準備や告知の開始
11月:相談者の受け入れを本格化

◆クラウドファンディングの詳細

・WEBサイト
https://greenfunding.jp/fca/projects/2350
・スケジュール
2018年7月13日(金)〜9月30日(日)

◆その他

・FBページ
https://www.facebook.com/LGBTHF/
・Twitter
https://twitter.com/LGBT_HF
・ハッシュタグ
#LGBT支援ハウス

 

生田武志×稲葉剛『当たり前の生活って何やねん?! 東西の貧困の現場から』、6月2日刊行!

日々のできごと 書評・関連書籍

尊敬する社会活動家の生田武志さんとの対談が本になりました。

 

昨年9月に大阪で開催された生田さんと私のトークセッション「当たり前の生活って何やねん?! 東西の貧困の現場から」は、ソーシャルワーカーの鶴幸一郎さんが中心となって企画され、会場では芦田麗子さんがコーディネイトをしてくださいました。

前半は生田さんと私の対談。後半は会場の参加者の皆さんからも様々な意見が出て、白熱した議論になりました。
この本は、このトークセッションの内容をまとめたもので、書籍化にあたり、埼玉大学の高端正幸さんが解説を書いてくれました。

読みやすい内容なので、ぜひ多くの方に手に取っていただければと願っています。
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『当たり前の生活って何やねん?! 東西の貧困の現場から』
生田武志 (著), 稲葉 剛 (著), コーディネート:芦田麗子 (著), 解説:高端正幸 (著)

【書籍情報】
単行本: 92ページ ¥ 972
出版社: 日本機関紙出版センター; 初版 (2018/6/2)
ISBN-10: 4889009590
ISBN-13: 978-4889009590
発売日: 2018/6/2

【内容紹介】
大阪と東京で、ともに路上生活者支援から貧困問題に関わることになった2人が、支援を通じて感じる「生きづらさ」「当たり前の生活」、そして「自己責任社会の罠を乗り越えるためにできること」について語り合った。

【著者について】

生田武志
1964年生まれ。同志社大学在学中から釜ヶ崎の日雇労働者・野宿者支援活動に関わる。2000年、「つぎ合わせの器は、ナイフで切られた果物となりえるか?」で群像新人賞評論部門優秀賞。2001年から各地の小、中、高校などで「野宿問題の授業」を行う。野宿者ネットワーク代表。一般社団法人「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」代表理事。「フリーターズフリー」発行人。
著書に『〈野宿者襲撃〉論』(人文書院、2005)、『ルポ 最底辺 不安定就労と野宿』(ちくま新書、2007)、『貧困を考えよう』(岩波ジュニア新書、2009)、『おっちゃん、なんで外で寝なあかんの?―子ども夜回りと「ホームレス」の人たち』(あかね書房、2012)、『釜ヶ崎から 貧困と野宿の日本』(ちくま文庫、2016)など。

稲葉 剛
1969年生まれ。東京大学在学中から平和運動、外国人労働者支援活動に関わり、1994年より東京・新宿を中心に路上生活者支援活動に取り組む。2001年、湯浅誠とともに自立生活サポートセンター・もやいを設立。2014年まで理事長を務める。一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人、生活保護問題対策全国会議幹事、「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」理事など。
著書に『ハウジングファースト』(共編著、山吹書店、2018)、『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版、2016)、『生活保護から考える』(岩波新書、2013)、『ハウジングプア』(山吹書店、2009)など。

芦田麗子
1973年生まれ。龍谷大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻修士課程修了。神戸親和女子大学講師。社会福祉士。大阪のDV 被害者サポートグループCOSMO で、立ち上げから解散までの12年間、ボランティアスタッフとして暴力被害を受けた女性や子どもの支援に関わる。現在は一般社団法人シンママ大阪応援団理事として活動中。『シングルマザーをひとりぼっちにしないために』(日本機関紙出版センター、2017)を監修。

【目次】

はじめに

第1章 ともに路上生活者支援から始まって

第2章 質問に答えながら考える

おわりに

解説 自己責任社会の罠を乗り越えるために(高端正幸)

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90年代の新宿ダンボール村を振り返る動画が公開されました。

日々のできごと

ウェブメディアのTIMELINEで、1990年代の新宿ダンボール村を振り返る動画がアップされました。

拙著『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』を読んでくれたTIMELINEの担当者から、この本の内容を映像化したいという依頼があり、取材に応じました。

写真家の迫川尚子さんの写真やビデオジャーナリストの遠藤大輔さんの映像も使われています。

ぜひご覧ください。

TIMELINEでは、今年3月にハウジングファーストについての動画も作ってもらいました。こちらも稲葉がインタビューに応じています。

まだの方は合わせてご覧ください。

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