日々のできごと

見逃してはいけない映画『さとにきたらええやん』が、8月27日より東京でアンコール上映!

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お勧めのドキュメンタリー映画『さとにきたらええやん』(重江良樹監督)が、8月27日(土)からポレポレ東中野でアンコール上映されることになりました!

9月16日まで、一日一回、15時10分から上映されるようです。

※ポレポレ東中野のウェブサイトはこちら。

私は、NPOもやいのスタッフやボランティア、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の院生の皆さんにも、この映画をお勧めしてきましたが、見た方はみんな良かったと言ってくれました。「子どもの貧困について、こんなに考えさせられる映画はない」と感想を言っていた人もいます。

以下は私の推薦コメントです。

 

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映画のDVD化はおこなわない、ということなので、子どもの貧困や居場所について関心のある方で、未見の方はぜひこの機会を見逃さないでください。

以下の記事もご参考にしてください。

関連記事:映画を見て、子どもの権利を守る取り組みを知ってほしい! 

関連記事:こうして「さと」は映画になった:「さとにきたらええやん」重江良樹監督に聞くドキュメンタリーのつくりかた

 

ブレイディみかこさんが見た日本のグラスルーツ。『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』が刊行されました!

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昨年11月30日、前々から注目をしていた英国在住のブレイディみかこさんのブログに「お願い:わたしに会ってください&使ってください」という記事が掲載されました。

来年1月下旬から2月の間、東京または近郊でわたしと会ってお話を聞かせてくださる方々を探しています。
感触として、ここに来てくださっている方々の中には、けっこう福祉関係者がいらっしゃるような気がしているのですが、

貧困支援
母子支援
子ども支援
非正規労働者支援
依存症者リカバリー

などの分野で働いておられる方、または関係者の方、わたしと会っていただけませんか?

また、可能であれば1月下旬から2月にかけてわたしをヴォランティアさせてください。

この記事を見つけたNPO法人もやいのスタッフがブレイディさんに連絡を取り、今年2月、ブレイディさんはもやいの相談活動やつくろい東京ファンドのシェルター、私が呼びかけて実施している夜回り活動にボランティアとして参加してくださいました。

活動の合間には、日本の貧困の現状や社会運動のあり方について意見交換をおこない、日本の社会運動関係者へのメッセージもいただきました。

【動画】「みんなが乗れる『船』をつくるには?」:ブレイディみかこさん来日インタビュー

ブレイディさんは他にも、日本滞在中、キャバクラユニオンの争議に参加したり、エキタスのメンバーとディスカッションしたり、デモの先頭で踊るノラ・ブリゲードに感動したり、企業組合あうんの見学に行ったり、『下流老人』著者の藤田孝典さんにインタビューしたり、とさまざまな「グラスルーツ」の社会運動の現場を見て、関係者との話し合いを重ねていきました。

それから半年。ブレイディみかこさんの日本滞在記が『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』(太田出版)という書籍になりました。

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【目次】

まえがき

1 列島の労働者たちよ、目覚めよ
キャバクラとネオリベ、そしてソウギ
何があっても、どんな目にあわされても「働け!」
労働する者のプライド
フェミニズムと労働
今とは違う道はある

2   経済にデモクラシーを
経済はダサくて汚いのか
貧乏人に守りたい平和なんてない
一億総中流という岩盤のイズム
草の根のアクティヴィストが育たない国
ミクロ(地べた)をマクロ(政治)に持ち込め
反緊縮派とはいったい何なのか
いま世界でもっともデモクラシーが必要なのは

3 保育園から反緊縮運動をはじめよう
保育士配置基準がヤバすぎる衝撃
紛れもない緊縮の光景
日本のアナキーは保育園に
ブレアの幼児教育改革は経済政策だった
保育園と労働運動は手に手を取って進む
ネオリベ保育とソーシャル保育
待機児童問題はたぶん英国でも始まる

4 大空に浮かぶクラウド、地にしなるグラスルーツ
日本のデモを見に行く
交差点に降り立った伊藤野枝
でも・デモ・DEMO
クラウドとグラスルーツの概念
あうんストリートと山谷のカストロ
反貧困ネットワークへのくすぶり
新たなジェネレーションと国際連帯

5 貧困の時代とバケツの蓋
川崎の午後の風景
鵺の鳴く夜のアウトリーチ
人権はもっと野太い
あまりにも力なく折れていく
どん底の手前の人々
もっと楽になるための人権

エピローグ カトウさんの話

 

文中に私も何度か登場しますが、第5章における貧困と人権をめぐる議論は、夜回りの後、ブレイディさんや他の参加者とラーメン屋で語り合った内容も踏まえられていて、非常に考えさせられる内容になっていました。

また、エピローグの「カトウさんの話」は、異なるバックグランドを持つ人たちが出会うことによってもたらされる「豊かさ」を描いていて、希望を感じさせるエピソードでした。

ぜひ多くの方に読んでいただければと願っています。

『ひとびとの精神史』最終巻に「NPO法人もやいと反貧困運動」を寄稿しました。

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岩波書店の『ひとびとの精神史』シリーズ(全9巻)の最終巻(第9巻)『震災前後 2000年以降』(栗原彬編)が7月26日に刊行されました。

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最終巻は、さまざまな社会問題に現場で取り組む21人が語る現代史というコンセプトで、私も「NPO法人もやいと反貧困運動」という文章を寄せています。

拙稿では、2001年のもやい設立から、2015年の25条大集会までの流れを書きました。

貧困や格差の問題では、大阪の野宿者ネットワークの生田武志さん、NPO法人POSSEの今野晴貴さんも寄稿しています。ぜひご一読ください。

『ひとびとの精神史』シリーズは、「第二次世界大戦の敗戦以降,現在に至るまでのそれぞれの時代に,この国に暮らすひとびとが,何を感じ考えたか,どのように暮らし行動したかを,その時代に起こった出来事との関係で,精神史的に探究しようとする企て」です。

各巻は、それぞれの時代の社会運動を知る上でも貴重な資料になっており、私もすべての巻を読ませていただいています。そのシリーズの最終巻に寄稿させていただいたことは、個人的もとても感慨深い出来事でした。

このシリーズの編集委員のお一人は、水俣病の問題に取り組んでこられた栗原彬先生です。栗原先生は、私が昨年から所属する立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の創設にも深く関わっていらっしゃいました。

昨年10月27日付けの朝日新聞には栗原先生のインタビュー記事が掲載されていますが、その中で栗原先生は「近代化の流れの中で犠牲となってきた人たちが、それでもなお人間の尊厳を保とうと異議申し立てをした歴史がある。その事実や言葉を丁寧に拾うことで、メインストリームに抗う小さな流れが見えてくる」とシリーズの意図を解説されています。

朝日新聞デジタル:主流に抗った市井の人々 戦後の生き様描いた「ひとびとの精神史」

拙稿も「人間の尊厳を保とうと異議申し立てをした歴史」を意識して書かせていただきました。

また、シリーズの中では、21世紀社会デザイン研究科委員長の中村陽一先生の文章(第6巻「岩根邦雄―『おおぜいの私』による社会運動」)や、私と研究室をシェアしている吉田敏浩先生の文章(第4巻「岡村昭彦―ベトナムを直視して」)も掲載されており、さまざまな縁を感じました。

岩波書店『ひとびとの精神史』紹介ページ

ぜひ多くの方に読んでいただければと願っています。

東京・池袋でハウジングファーストを実現したい!クラウドファンディングを展開中です!

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私が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドは、池袋地域で「ハウジングファースト」型の支援を実現するために、新たにアパート一棟を借り上げることを決めました。

この借り上げ費用を集めるために、7月9日よりクラウドファンディングを始めています。

詳細は下記の画像をクリックしてください。

路上からアパートへ!東京・池袋でハウジングファーストを実現したい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)

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池袋地域では、精神科医の森川すいめいさんらが中心となって、精神疾患や知的障害を抱えるホームレスの人たちへの医療・福祉的な支援が行われてきました。

この春からは、つくろい東京ファンドも加わって「ハウジングファースト東京プロジェクト」という名称でネットワークを組み、日本ではまだ珍しいハウジングファースト型の支援を始めています。

関連記事:新たに豊島区で個室シェルターを開設!ハウジングファースト東京プロジェクトが本格始動します! 

新たにアパート一棟を借り上げることで、さらに多くの方に「まずは住まいを」という形の支援を提供できるようになります。

ぜひ、クラウドファンディングへのご協力をお願いいたします。SNSのアカウントを持っている方は、情報の拡散にご協力いただけると助かります。

ハウジングファーストについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

「マチバリー」記事:住まいを失った人がそれ以上に失ったものとは?人生を変える「ハウジング・ファースト」成功の記録 

よろしくお願いいたします。

映画を見て、子どもの権利を守る取り組みを知ってほしい!

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大阪・釜ヶ崎にある「こどもの里」に長期にわたって取材して完成したドキュメンタリー映画『さとにきたらええやん』が6月から全国各地で上映されます。

まだの方は、ぜひ映画の公式サイトにアップされている予告編動画を見てください。

『さとにきたらええやん』公式サイトは、こちら。

赤井英和さん、鎌田實さんら、さまざまな方がこの映画に応援コメントを寄せていますが、私もコメントをさせてもらっています。

 

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NPO法人もやいの交流サロン「サロン・ド・カフェこもれび」でも映画のポスターを貼って応援しています。

サロン・ド・カフェこもれびにて。

サロン・ド・カフェこもれびにて。

つくろい東京ファンドのニュースサイト「マチバリー」でも、重江良樹監督にロングインタビューをさせていただきました。こちらの記事は近日中にアップされる予定です。

重江良樹監督と記念撮影。左は「マチバリー」編集担当の佐々木大志郎。

重江良樹監督と記念撮影。左は「マチバリー」編集担当の佐々木大志郎。

私がこの映画の舞台となっている「こどもの里」の存在を知ったのは、ここに集まる子どもたちが毎年冬におこなっている「こども夜回り」の活動をルポライターの北村年子さんから教えてもらったのが最初でした。

私が理事を務めている一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネットが制作した教材用DVD「『ホームレス』と出会う子どもたち」でも、「こども夜回り」の映像が使われているのですが、まだ小さな子どもたちがおにぎりを握って、野宿の人たちに声をかけて回るシーンには大変、感銘を受けました。

また、1970年代に活動をスタートさせた「こどもの里」は、今で言うところの「子どもの貧困」対策の最前線で活動を続けてきた団体であるとも言えます。子どもたちの遊び場であり、食堂でもあり、シェルターでもある、という活動は他に類を見ません。
その活動理念は以下のように記されています。

「こどもの里」ウェブサイトより

釜ヶ崎で生きるこどもの権利を守る「こどもの里」には、大きな信念が二つあります。

一つは、こどもの最善の利益を考えること。
〔安心〕 安心して遊べる場・生活の場と相談を中心に、常にこどもの立場に立ちこどもの権利を守りこどものニーズに応えるのを、モットーとすること。

二つは、こどもの自尊心を守り育てること。
〔自信、自由〕 自分に与えられた境遇の中でこども(人)のもつ「力」を発揮、駆使してたくましく生きているすばらしいこどもたちを、社会の偏見や蔑視から守り、自信を持って自分の人生を選び進めるよう支援することをモットーとすること。

 

2012年に、橋下徹・大阪市長(当時)が「子どもの家事業」を廃止し、「こどもの里」への補助金を削減した際には、事業存続を求める署名活動が全国的に展開されました。その後、「こどもの里」はNPO法人格を取得し、認定NPO法人になることをめざして賛同者を募っています。

「こどもの里」ウェブサイト:運営の源 小さなたくさんの力をください

応援コメントにも書きましたが、映画は決して声高に「子どもの貧困」問題を語るのではなく、「こどもの里」の日常を淡々と描いています。それだけに、見る人に多くのことを考えさせる内容になっています。

ぜひ、たくさんの方に映画を見ていただきたいと思います。また、映画を通して「こどもの里」の活動を知っていただき、支援の輪を広がることを願っています。

 

「ことといこども食堂」(墨田区)がオープン!空き家を活用したシェアハウスで開催しています。

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3月24日(木)、墨田区初のこども食堂として「ことといこども食堂」がオープンしました。
全国でも珍しい「空き家を活用したシェアハウス」で開催されるこども食堂です。

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会場設営を含めて3時間前から準備した本日のメニューは「炒り卵オムライス」「菜の花とジャガイモの和え物」「大根とえのきのスープ」。

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埼玉で野菜を栽培されている方からご提供いただいた食材も活用しながら、「出張料理教室めざめ」の坂本ゆいさんが中心となって調理をしていきました。

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食堂は18時にオープン。一番乗りされたのは近隣に住まわれている親子連れの方2組。「(他区での活動を見て)墨田区でもこども食堂があればずっといいと思っていました」とおっしゃってくださいました。

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お隣、台東区にある光照院(浄土宗)の僧侶、吉水岳彦さんも顔を見せてくださり、お得意のバルーンアートを披露。こどもたちが大はしゃぎでした。

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開催1時間半の間に、初回にもかかわらず十数名のお客様を迎えることができて、歓声が絶えない終始にぎやかな食卓となりました。

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「ことといこども食堂」は毎月第二・第四木曜日の18時〜19時半に開催していきます。
4月は14日(木)と28日(木)に開催。
詳細は、つくろい東京ファンドのウェブサイトをご覧ください(以下の画像をクリックしてください)。

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新たに豊島区で個室シェルターを開設!ハウジングファースト東京プロジェクトが本格始動します!

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私が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドでは、空き家・空き室を活用した住宅支援事業を展開しています。

2014年に東京都中野区で個室シェルター「つくろいハウス」(定員7名)を開設したのを皮切りに、2015年には新宿区に個室シェルター「ふらっとハウス」(定員2名)、墨田区に若者向けシェアハウス「ハナミズキハウス」(定員3名)をオープンさせました。

そして、2016年春、新たに豊島区内に2部屋の個室シェルターを開設しました。池袋地域でホームレス支援を行なっている諸団体と連携して運営をしていく予定です。

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池袋では、ホームレス支援NPOのTENOHASIや、国際NGOの「世界の医療団」が中心となり、「東京プロジェクト(ホームレス状態の人々の精神と生活向上プロジェクト)」が行なわれてきました。

このプロジェクトは、ホームレスの人の中に知的障害や精神疾患を抱える人の割合が高く、その人たちに支援の手が届いていないことを踏まえ、障害や疾患を持つ人々が野宿から脱却し、地域で安定した生活をおくれるように医療・保健・福祉などの総合的なサポート体制を構築することを目的としています。

関連記事:ホームレスの4~6割が精神疾患、夜回り通じ医療につなぐ(あなたの健康百科) 

北海道・浦河の「べてるの家」の流れを汲む「べてぶくろ」や、「精神科訪問看護ステーションKAZOC」もこのプロジェクトに参加し、障害や疾患を抱える元ホームレスの人たちの地域生活を支えるネットワークが育まれてきました。

このたび、つくろい東京ファンドも正式にこのプロジェクトに加えていただき、プロジェクト名も「ハウジングファースト東京プロジェクト」と改称することになりました。

今後、豊島区内で徐々に部屋数を増やし、「ハウジングファースト」型の支援を実践していく予定です。

ぜひ多くの方のご支援をお願いいたします。→寄付に関するご案内

つくろい東京ファンドのウェブサイトもリニューアルしました。こちらもぜひご覧ください。

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関連記事:「路上からは抜け出したい。でも、劣悪な施設には入りたくない」は贅沢か? 

関連記事:複合的な障害・疾病を抱える生活困窮者をどう支えるのか

27ヶ月かかりましたが、増刷になりました!

日々のできごと 書評・関連書籍

拙著『生活保護から考える』(岩波新書)が第2刷になりました!

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この本は、生活保護法の改悪案が国会で審議されている時期に緊急出版したものです。第1刷の発行は2013年11月なので、2年3ヶ月かけて増刷になったことになります。

時間はかかりましたが、多くの方に読んでいただいたことは著者としては嬉しい限りです。大学などでの社会福祉関連の授業で、テキストとして使用してくださっているところも多いようです。

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時間はかかりましたが、生活保護制度や利用者に関する誤解やデマをなくしていくために、末永く活用してもらえると嬉しいです。

まだの方はぜひこの機会にご一読ください。

『生活保護から考える』目次

はじめに

第1章
崩される社会保障の岩盤
「働いた者がバカを見る制度」なのか/猛暑の夏に起こったこと/夏季加算の新設を求めて/安倍政権による基準引き下げ/基準部会の検証は活かされたか/小泉政権における老齢加算廃止/なぜ2008年と2011年を比較するのか/生活扶助相当CPIの算出方法/脅かされるいのちと暮らし/子どもたちの将来に与える影響/排除されるボーダー層/「補足性の原理」とは/制度から排除によって何が起きるのか/ほかの制度への波及/就学援助の縮小と最低賃金への影響/物価上昇政策がもたらすこと/資産要件の厳しさ/医療費を支払うと……/封印された「ナショナルミニマム」/強行された基準引き下げ

第2章
届かない叫び声
切符を渡されて、たらい回しに/厚労省による是正指導/窓口で行なわれる虚偽の説明/「水際作戦」の背景にあるもの/不正受給キャンペーンから123号通知へ/餓死、路上死の増加/自治体ごとの恣意的な判断基準/「ヤミの北九州方式」/裏と表の使いわけをする厚労省/厚労省の通知が生活保護利用者を増やしたのか/生活保護の捕捉率/生活保護制度の認知度が低い/貧困を直視しない政治/相対的貧困率の発表/スティグマを強化させた生活保護バッシング/生活保護の現物給付化案/国連からの勧告/「裏システム」の「表」化に動き出した政府

第3章
家族の限界
親族間の暴力と支配/「私」を、「親密」と「個」に/生活保護を活用して親子を分離する/芸能人親族の生活保護利用/扶養義務を強化する法改正/生活保護と扶養義務との関係/扶養義務が「優先」に/公的扶助と私的扶養の線引きのわかりにくさ/中途半端に終わった民法改正/諸外国では/貧困の世代間連帯が悪化/生活保護世帯の高校生の声/障がい者の自立生活にも影響/扶養義務強要は家族関係を破壊/DV・虐待の被害者に深刻なダメージ/社会問題を「私的領域」に押し込める/自民党のめざす社会保障ビジョン/「日本型福祉社会」の崩壊/家族の支え合いの限界/「社会保障と税の一体改革」の変質/「絆原理主義」

第4章
当事者の一歩
当事者が声をあげられない/親の介護のために離職/初めての路上生活/路上からの生活保護申請/生活保護利用者への就職差別/当事者の支え合いをつくる/福島からの避難者を支援/「一人ひとり、その人にあった言葉をかけてもらいたい」/精神疾患で働けなくなり/生活保護を利用している自分を肯定できない/二度目の生活保護申請/当事者の声を政策に/生活保護利用者によるデモ/身体障がい者の当事者として/福祉予算削減の動きに懸念/当事者としてロビー活動に参加/数ある制度の一つとして

第5章
問われる日本社会
自民党議員による人権制限論/小野市の福祉制度利用者「監視」条例/1950年の生活保護法の抜本的な改正/利用者バッシングと社会保障費抑制/問題だらけの生活保護法改正案/切り縮められた「自立」概念/生活困窮者自立支援法案の問題点/貧困をなくすための総合的政策を/「生活保障法」へ/ケースワークの質の確保/世帯単位の緩和/生活保護利用者は「徴兵逃れ」か/石原吉郎の語る「弱者の正義」/基準引き下げに対する不服審査請求

つくろいハウスの年末年始!皆様のご協力に感謝いたします。

日々のできごと

あけましておめでとうございます。

2016年も引き続き、「いのち・すまい・けんり」にこだわった活動を続けていきたいと思います。

 

ふとんで年越しプロジェクトに協力!

この年末年始も、都内の生活困窮者支援団体の関係者が連携をして「ふとんで年越しプロジェクト」が実施されています。

福祉行政が機能を停止する年末年始に、各団体がネットワークを組み、独自の宿泊支援・生活支援を行うというこのプロジェクトも、今回が3回目。前回、前々回のプロジェクトの報告は以下でご覧になれます。

ふとんで年越しプロジェクト2014報告 ~路上をとりまく状況の変化に着目して~

ふとんで年越しプロジェクト報告(2013~2014年) ~路上支援の新しい在り方を模索して~

私が代表理事を務めるつくろい東京ファンドも、個室シェルター「つくろいハウス」の一部の居室を無償提供することで、このプロジェクトに協力しています。

 

「年越しそばを食べる会」&もちつき大会

その「つくろいハウス」では、今年も大晦日に「年越しそばを食べる会」を開催しました。

31日の昼間からスタッフやボランティアが集まって、そばの準備を行いました。

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生活支援を担当しているスタッフの祖父にあたる方がご自身で育てた野菜(白菜、大根、里芋など)もご提供いただき、ヘルシーなそばになりました。

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また、ボランティアの皆さんからは、おせち料理や果物を差し入れていただきました。参加した70代の男性からは「久々に家庭的な雰囲気を味わうことでできて、良かった」という感想をいただきました。

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食事会には15名が参加。現在、「つくろいハウス」に入居されている方や、すでにアパートに移られた方が集まり、年末に「ふとんで年越しプロジェクト」につながって入居されたばかりの男性も参加されていました。

年が明けて、1月2日には豊島区の「要町あさやけ子ども食堂」で開催されたもちつきにみんなで参加しました。地域の子どもたちも参加して、賑やかな雰囲気の中、おもちを美味しくいただくことができました。

 

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たくさんの物資カンパに感謝!

この年末年始で特筆すべきことは、たくさんの方から物資カンパをいただいたことです。

12月28日に、このサイトで「大掃除で出た不要な物品(石鹸、タオル、食品など)をご提供ください」と呼びかけたところ、わずか2日の間に、十数名の方からご連絡をいただきました。

保管スペースの都合もあるため、30日には募集を締め切らせていただきました。ご了承ください。

ご提供いただいた物品のごく一部

ご提供いただいた物品のごく一部

こんな短期間に多くの方からカンパの物品をいただき、私自身も暖かい気持ちで年を越すことができました。物品を送ってくださった方、情報をシェアしてくださった方に感謝いたします。ありがとうございました。

ご提供いただいた物品は、シェルターに入った方への生活支援に活用させていただきます。

今後、つくろい東京ファンドでは生活困窮者への居住支援事業をさらに広げていきたいと考えています。本年もよろしくお願いいたします。

2015年を振り返って~『鵺』、安保法案反対からハウジングファーストまで

日々のできごと

私にとっての2015年は、新著『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』(エディマン/新宿書房)の出版から始まりました。

この本は、過去20年の間に私が野宿者支援、生活困窮者支援の活動の現場に関わりながら書いてきたエッセイをまとめたものです。私にとっては20年間の活動の集大成のような本になりました。

この本の出版をきっかけに、2月には(意外なことに)読売新聞の「顔」欄に私の紹介記事が掲載されました。

【2015年2月19日】 読売新聞:「顔」欄に稲葉剛の紹介記事が掲載されました。 

友人たちが企画してくれた「出版を祝う会」も大盛況で、とても幸せな時間を過ごすことができました。

出版記念会の座談会 右から吉水岳彦さん、星野智幸さん、私、司会の小林多美子さん 撮影:吉田敬三

出版記念会の座談会 右から吉水岳彦さん、星野智幸さん、私、司会の小林多美子さん 撮影:吉田敬三

 

写真で見る『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』出版を祝う会

動画で見る『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』出版を祝う会

また、春には昨年12月にビッグイシュー基金/住宅政策提案・検討委員会が発表した調査報告書『若者の住宅問題』に関する取材が相次ぎ、私も委員の一人として様々なメディアにお話をしました。

【2015年3月26日】 毎日新聞:貧困の若者:過半数家賃払えず…実家に「居候」

2月には東京で、5月には大阪で、調査報告書に基づくシンポジウムが開催され、私もシンポジストとして発言しました。

活動家と大学教員という2足の草鞋

今年4月、私は立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科に着任しました。
「大学の先生になって、貧困の現場から遠ざかるのでは?」という周りからの懸念を払しょくするために、あえて「現場続投宣言!」という記事をアップし、活動家と大学教員という2足のわらじを履くことを宣言しました。

「21世紀」着任のお知らせ&現場続投宣言! 

21世紀社会デザイン研究科は社会人向けの大学院です。私は年間を通して「貧困と社会的排除」と「居住福祉論」という2つの授業と論文指導を担当しています。

7月の下旬に春学期の授業が終わり、少しは自分自身の研究の時間が取れるかとも思ったのですが、夏休み期間中はちょうど安全保障関連法案が国会で審議されている期間にぶつかったため、できる限り時間を作って、国会前の抗議活動に参加しました。

個人として抗議に参加するかたわら、7月末に設立された「安全保障関連法案に反対する立教人の会」にも教員の一人として参加し、集会運営などに協力しました。国会前の抗議活動にも立教の教職員や学生グループと一緒に参加して、声をあげました。

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残念ながら、法案は通ってしまいましたが、立教の有志は「安全保障関連法に反対する立教人の会」と名称を変更して、活動を続けています。

「ハウジングファースト」シンポジウムを開催!

秋には、その立教大学のキャンパスで「ハウジングファーストと社会デザイン」という国際シンポジウムを開催しました。

大学に着任した時から、居住福祉に関する授業や研究と、現場の活動とをつなげられないか、と模索してきたのですが、半年の準備期間を経て、ひとつの形を創ることができたと思います。
シンポジウムには予想を超える200人が集まってくださり、「ハウジングファースト」の理念を日本社会に定着させる第一歩になったと考えています。

公開講演「ハウジングファーストと社会デザイン」(その1):講演 ヴァンサン・ジェラールさん 

ただ住宅政策をめぐっては、今年、生活保護の住宅扶助基準の引き下げや川崎市での簡易宿泊所火災といった出来事もありました。

こうした問題でも、集会や記者会見、メディア取材などを通して発言を行ないました。

【2015年1月13日】 東京新聞:15年度予算案 住宅扶助、冬季加算カット 「命にかかわる」

単身・低所得の高齢者が安心してアパート入居できる仕組みを! 

また、10月には呼びかけ人の一人として、「人間らしく生きたい – まもろう憲法25条」をスローガンにした「25条大集会」に参加しました。この大集会には約4000人が集まりました。

これらの活動と並行して、NPO法人もやいでの日常活動(今年度はサロンと入居支援事業のコーディネイターを担当)や、つくろい東京ファンドでのシェルター事業を行なってきました。

つくろい東京ファンドは、新規の事業として、夏にニュースサイト「マチバリー」を開設したほか、秋には新たな住宅事業のためのクラウドファンディングを行ない、そこで得た約120万円を元手に、新たなシェルター(新宿区)と若者向けシェアハウス(墨田区)をオープンしました。
来年1月には、墨田区のシェアハウスのダイニングスペースを使って、こども食堂をオープンする予定です。

他にも、各地での講演活動など、様々な活動を一年を通して行なうことができました。これも皆様のご協力があってのことと思います。

本年も多くの方の応援をありがとうございました。2016年も「いのち・すまい・けんり」にこだわった活動を続けていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。

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