日々のできごと

『すぐそばにある「貧困」』(大西連 著)が刊行されました!

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認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの大西連理事長が『すぐそばにある「貧困」』(ポプラ社)を上梓しました。

NPO法人もやいの理事長は、設立以来、私が務めていたのですが、昨年夏に世代交代をおこない、20代の大西君が二代目の理事長に就任しました。

理事長交代時におこなった新旧理事長対談はこちらでご覧になれます。

もやい理事長交代記念 対談×大西連(前編)

もやい理事長交代記念 対談×大西連(後編)

『すぐそばにある「貧困」』は、その大西理事長の初の単著になります。

貧困問題についてのわかりやすい入門書であると同時に、20代の若者がさまざまな事情により生活に困窮した人々と出会いながら成長をしていく、という物語としても読むことができます。

私も重要な登場人物の一人として出てくるのですが、若干、キャラ設定が実物と違うので、ご注意ください(苦笑)。2010年に出会った当時、彼からはつっけんどんに見えたのかもしれませんが…。

ぜひ多くの方々に読んでいただきたい本です。

この本を読んでから、拙著『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』や、もやい編『貧困待ったなし』を読むと、生活困窮者支援の歴史的なつながりが見えて、興味深いと思います(宣伝ですが…)。

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【著者からのメッセージ】

初の単著となる『すぐそばにある「貧困」』(ポプラ社)が刊行されました。企画から足かけ3年の月日を経て、無事に出版となりました。

「貧困」というテーマで本を書く。それは、つらく苦しい作業でした。
はじめて新宿の炊き出しに参加した22歳の冬から今までに出会ったすべての人のことを思い返しながら、これまで歩んできた月日を振り返り、貧困の現場で見てきたこと、経験してきたことを率直につづった本です。

僕の生い立ちを含めた原点から、炊き出し、夜回り、生活保護の申請同行、越年越冬、相談会などなど。路上で、相談の現場で出会った一人ひとりとのストーリーを丁寧に描きました。

ぜひ、手に取ってもらえたらと思います。

なかなか大きな書店にしか並ばないかもしれませんので、Amazonをご利用の方はこちら↓

多くの方に手に取っていただけたら幸いです。
よろしくお願いします。

以下ご案内です。転送転載大歓迎です。

*******************

すぐそばにある「貧困」
大西 連/著

発行 ポプラ社
9月8日刊行 四六判並製 288頁
定価:本体1,500円(税別)
ISBN978-4-591-14656-9

GDP世界第3位、豊かな日本の見えない貧困に20代にしてNPO法人「もやい」理事長の著者が迫る!

ホームレス問題、ネットカフェ難民、若年失業者、DV被害者の苦悩、元暴力団員の更正、不正受給や水際作戦の実態、誰かを支援することの難しさ。ふとしたことから路上支援の世界に飛び込むことになった20代の著者が、その目で見てきた生活困窮者たちの人生と、支援現場での葛藤を描く。子どもや女性といったわかりやすいテーマに留まらない、日本の貧困の全体像に迫った衝撃のノンフィクション。

ポプラ社紹介ページはこちら。

==以下内容紹介==

■6人に1人が貧困?
GDP世界第3位、豊かな日本の見えない貧困に迫る!

「兄ちゃん、あんたはまだ若い。俺たちみたいにはなるなよ」(第1章 路上)
「あんた……そんな理由で偽名を使ったのか……?」(第4章 不正受給)
「このまま殺されたほうがラクなんじゃないかとさえ、思ったんです」(第6章 若者)
「どうして私はこうなっちゃったんだろう」(第8章 家族)
「私たちは、恥ずかしい存在なのでしょうか?」(第10章 バッシング)

2006年、当時の総務大臣は次のような発言をした(同年6月16日付『朝日新聞』)。
「社会的に解決しないといけない大問題としての貧困はこの国にはないと思います」

では本当に、日本に貧困問題は存在しなったのだろうか?
もしそうだとして、じゃあ、いま目の前で、困っているこの人たちはなんなのだろう?

いま、僕たちと貧困を隔てる壁は、限りなく薄く、もろく、そして見えづらくなっている。
もはや「貧困」は、別の誰かの話じゃない。
誰の身にもふりかかる、すぐそばにあるものなのだ……。

■20代にしてNPO法人「もやい」理事長、初の書き下ろし!

ホームレス問題、若年失業者、DV被害者の苦悩、元暴力団員の更正、生活保護の不正受給や役所の水際作戦の実態――
日本の生活困窮者支援の最前線を担うNPO法人「もやい」理事長の著者が直面した、生活に困窮してしまった人たちの人生や支援現場での葛藤をありのままに描く衝撃のノンフィクション。

エピソードメインなので、今までの貧困本は難しくて読めなかった、という人にも読みやすく、「生活保護ってどんな制度?」「不正受給ってどれくらいあるの?」といったテーマ別のコラムも充実。
子どもや女性といった特定のテーマにとどまらない、日本の貧困問題の全体像を把握するのに最適な1冊となっている。

■大西連(おおにし・れん)
1987年東京生まれ。
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長。新宿ごはんプラス共同代表。
生活困窮者への相談支援活動に携わりながら、
日本国内の貧困問題、生活保護や社会保障制度について、
現場からの声を発信、政策提言している。
Twitter:@ohnishiren

次は新宿区と墨田区で空き家活用!クラウドファンディングを始めました!

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私が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドでは、昨年、東京・中野区に空き家を活用した個室シェルター「つくろいハウス」を開設して運営しています。
そして今年も、新たな空き家活用のためのクラウドファンディングを実施することになりました。今回は、新宿区と墨田区の二軒の一軒家を活用するプロジェクトです。

詳細は、以下のページをご覧ください(画像をクリックすると、Motion Galleryのページに移ります)。

つくろい東京ファンドの一連のプロジェクトは、こちらのグラフの問題意識から始まっています。

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私はずっと空き家・空き室を活用した低所得者支援を実現できないかと考えていたのですが、最近、協力してくれるオーナーさんが増えてきて、ようやく形にすることができるようになりました。

クラウドファンディングの成功の秘訣は、どれだけ情報が拡散するかにあります。
ぜひ多くの方に情報拡散などで、ご協力をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

国会前で「12万分の1」になってきました!

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国会前で撮影したパノラマ写真。

国会前で撮影したパノラマ写真。

本日8月30日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会などが呼びかけた国会前デモに参加してきました。

主催者発表で約12万人が参加し、「戦争法案絶対廃案!」、「安倍政権は今すぐ退陣!」と訴えました。

私が参加する「安全保障関連法案に反対する立教人の会」は13時半に桜田門駅に集まり、国会前へと向かいました。私は会ののぼりを持つ役割を担当しました。

8月26日に「安全保障関連法案に反対する学者の会」が主催した「100大学有志共同行動」の際に、学者の会が各大学有志のために作ってくれたのぼりです。

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立教大学の教職員だけでなく、立教の学生でつくるSPAR(平和のために行動する立教大生の会)の皆さんも参加。SPARのメンバーは独自にプラカードも用意していました。

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国会前に着いてみると、すでに車道が「決壊」していて「解放区」状態!

一番盛り上がったのは、「安倍やめろ!」という巨大なバナーが白と黒のバルーンによって浮かび上がった時。これを思いついて、実行した方(どなたか知りませんが)は「えらい!」と思います。

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デモは16時から総がかり行動実行委員会からシールズの皆さんにバトンタッチ。16時時点で、総がかり行動実行委員会の高田健さんから「12万人が集まった」という報告がありました。

今日は、全国各地で何百ものアクションがあり、大阪では3万人が集まったと言います。全国あわせると、いったいどのくらいの人が集まったのでしょうか。

これだけの大きな規模の抗議行動が起こったことは、安倍政権にとって大きなダメージになったのは間違いありません。

立教・上智有志による集会を開催

「立教人の会」は、前日29日の夜に上智大学の教職員有志とともに聖アンデレ教会聖堂で「私たちはなぜ安保法案に反対するのか?ー立教・上智有志からの発信ー」という集会を開催しました。

立教と上智から、それぞれ4名がスピーチをおこない、私も立教の教員として貧困と戦争の関係について話をさせていただきました。

8月29日、聖アンデレ教会聖堂にて。

8月29日、聖アンデレ教会聖堂にて。

集会では、西南学院大学、名古屋学院大学、東京基督教大学、恵泉女学園大学の教員からも連帯メッセージをいただきました。

この集会には約180名が参加し、反対の声を広げていこう、ということが確認されました。

今後とも、「立教人の会」として、また個人として、「戦争法案を絶対に許さない!」という声をあげていきたいと思います。

 

個室シェルター「つくろいハウス」開設から1年!引き続き、物品カンパ募集中です。

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一般社団法人つくろい東京ファンドが個室シェルター「つくろいハウス」(東京都中野区)を開設してから、この8月で一年になりました。

「つくろいハウスとは?」の説明は、こちら。

「つくろいハウス」では、都内の様々な生活困窮者支援団体の紹介で、この一年間に約30名の入居者を受け入れました。
利用期間は、1週間程度のショートステイ利用と、1ヶ月~半年のステップハウス利用がほぼ半々。ステップハウスとして利用して、アパートに移った方も10名を超えました

アパートに移った方とも、毎月の「なべ会」の開催などを通して継続的なつながりを作っています。精神疾患や知的障がい、発達障がいを抱えている人も多いため、精神科の訪問看護ステーションなどとも連携をして地域生活をサポートしています。

303Aの部屋 (2)

物資カンパも引き続き、募集中です。

シェルターに入居される方の中には、着の身着のままの状態の方もいます。つくろい東京ファンドでは、必要に応じて生活保護の申請支援を行なっていますが、当面の対応として食料などの緊急支援も行なっています。

こうした緊急支援のために以下の物品を提供できる方がいらっしゃれば、ぜひカンパをお願いします。

◆募集する物品
・インスタント食品、缶詰(賞味期限内のもの)
・お米
・男性用下着(新品)、靴下(新品)、Tシャツ
・石けん
・洗剤
・布団用シーツ(大きめのもの)
・バスタオル
・クオカード

保管スペースが限られているため、あらかじめ、品目と数量をお問い合わせフォームでお知らせください。

【お問い合わせフォーム】 http://tsukuroi.tokyo/information/

折り返し、送付先住所をお知らせします。申し訳ありませんが、送料はご負担をお願いします。

つくろい東京ファンドでは、引き続き活動資金も募集しています。
下記の銀行口座にお振り込みの上、上記のお問い合わせフォームにご連絡ください。

◆つくろい東京ファンドの銀行口座
みずほ銀行 飯田橋支店(061)
普通 2634440 「つくろい東京ファンド」

また、クレジットカードを利用したAmazonギフト券によるご支援も可能です。下記ウィッシュリストでご購入いただけます。

「つくろい東京ファンド」Amazonウィッシュリスト

いただいたギフト券は、日々の活動で必要な物品の購入に使わせていただきます。

ぜひご協力をお願いいたします。

今年の「りんりんふぇす」は10月4日(日)開催!予約受付開始しています!

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寺尾紗穂さんの「ホームレスの当事者や経験者と一緒に音楽を楽しみたい」という呼びかけから始まった「りんりんふぇす」。

ホームレスの人たちの仕事をつくる雑誌「ビッグイシュー日本版」の応援イベントでもあり、私が理事を務める認定NPO法人もやいも協力しています。

もうすっかり恒例となった「りんりんふぇす」ですが、今年の開催は10月4日(日)に決定!すでに予約受付も開始しています。

→ご予約はこちらのページで。

詳しくは以下の画像をクリックして、公式サイトをご覧ください。

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今年のステージには、寺尾紗穂、イルリメ、柴田聡子、とんちピクルス、テニスコーツ、ソケリッサ!の6組が登場。

座談会は「こどもの未来を支えるために」をテーマに、子どもの貧困に取り組むNPO関係者にもご登壇いただき、「私たちにできること」を考えます。

もちろん、もやいの自家焙煎「こもれびコーヒー」も販売します。

ぜひご参加ください!

 

◇イベント詳細

●名 称:
 りんりんふぇす Sing with your neighbors
 THE BIG ISSUE support live vol.6

●日 時:
 2015年10月4日(日)
 開場 14:00/開演 14:30 ※終演20:00予定

●料 金:
 前売券 2,500円  ※税込・入退場自由
 当日券 3,000円   小学生以下無料

●会 場:
 梅窓院 祖師堂(そしどう)
〒107-0062 東京都港区南青山2丁目26-38
※東京メトロ銀座線 外苑前駅1a出口徒歩1分
※駐車場はございません。お車での来場はお控えください。

●予 約:
 メール予約のみ。チケット申込のフォームからどうぞ。

●内 容:
 音楽ライブ/1部・2部制
 座談会/1部終了後に行います
 炊き出し/簡単な食事(無料)、フェアトレードのコーヒー販売

●出 演:
 寺尾紗穂、イルリメ、柴田聡子、とんちピクルス、テニスコーツ、ソケリッサ!

●座談会:
 「こどもの未来を支えるために」
 寺尾紗穂、稲葉剛、吉水岳彦、佐野未来、ビッグイシュー販売者、他

●主 催:
「THE BIG ISSUE」 support Live vol.6実行委員会

●協 力:
有限会社ビッグイシュー日本、認定NPO法人ビッグイシュー基金
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい、社会慈業委員会ひとさじの会
浄土宗 梅窓院

●問合せ:
singwithyourneighbors@gmail.com
※梅窓院(会場)へのお問合せはご遠慮下さい。

●備 考:
観覧席は倚子を200脚、座布団を100個ほど用意。ゆったり観れます。
小学生以下はチケット代なし。ぜひとも家族そろってお楽しみください。

※皆さまへのお願い※
当日、ホール内での飲食は禁止となっています。会場外もしくはロビーの飲食スペースをご利用くださいますよう、どうかよろしくお願いします。

”生きる”を支える人を応援するメディア「マチバリー」が始まりました!

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7月19日、”生きる”を支える人を応援するメディア「マチバリー」が始まりました!

「マチバリー」は、稲葉が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドが運営するニュースサイトです。

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「マチバリー」では、首都圏で生活困窮者支援に関わる団体や個人の活動や思いを記録し、分かりやすい形で発信します。
また、生きづらい社会の中で新しい生き方を実践している人や、今現在様々な意味で困窮状態にある人、その状態にある人をお手伝いしたい人、それぞれをマッチングさせる情報を幅広くお伝えしていきます。

「マチバリー」では、すでに動画やレポート、インタビュー記事をアップしており、今後も続々とコンテンツを増やしていきます。ぜひブックマークをお願いいたします。

以下は、主なコンテンツのご紹介です。

「非効率だからこそ、誰も取り残さない空間」:のじれん・室田大樹さんが語る「渋谷の真ん中で野宿の仲間と野菜を刻みつつ紡ぐ自由」

【のじれん】ボランティアって何やってるの?~のじれん編【参加してみた】

【前半】「私が新宿ダンボール村に足を踏み入れた頃」講演:稲葉剛(ほっとプラス記念講演 生活困窮者支援の過去と未来)

【後半】「ソーシャルアクションを意図的にしかけていこう」対談:藤田孝典さん・稲葉剛(ほっとプラス記念講演 生活困窮者支援の過去と未来)

【前編】「1年で結果を出せなかったらあきらめようと思ってた」流しのマンガ描き・さいきまこさんが語る「私の綱渡りまんが道」

【後編】「この声は絶対、拾わなければ」流しのマンガ描き・さいきまこさんが語る「私の綱渡りまんが道」

 

9月13日(日)にシンポジウム『伝わりにくいものをどう伝えるか?~貧困とメディアと私たち~』を開催!

また、「マチバリー」開設を記念して、9月13日(日)にシンポジウムを開催いたします。
以下はシンポジウムの概要です。詳細が決まりましたら、またお知らせします。

 

『伝わりにくいものをどう伝えるか?~貧困とメディアと私たち~』

「マチバリー ~”生きる”を支える人を応援するメディア」スタートに伴い、関連シンポジウムを開催します。

閉塞感を増す日本社会。
その中で、貧困や差別・排除などの問題は深刻さを増しているにも関わらず、なかなか世論へ本質的な理解が深まっていきません。
未だ単純な誤解に基づいた偏見が、ネットを中心に広がっている現実があります。

そうした中で、メディアはどのような役割を果たすことができるのでしょうか。

本シンポジウムでは、様々な立場でメディアに関わり、それぞれのやり方で「伝わりにくいもの」を問題提起してきた方々をお招きして、現状の課題の整理と、今後よりよく伝えるための方法を、一緒に発見する機会に出来ればと考えています。

●シンポジスト
水島宏明さん(法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター)
遠藤大輔さん(ビデオジャーナリスト・ビデオジャーナリストユニオン代表)
稲葉剛さん(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事・NPOもやい理事・立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授)
(その他ゲスト交渉中)

●日時
9月13日(日) 開場:13時30分 開始:14時(16時30分 終了予定)

●料金
無料

●会場
東京しごとセンター 5階 セミナー室
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋3丁目10番地3号
地図は、こちら。

・飯田橋駅から
JR中央・総武線「東口」より徒歩7分
都営地下鉄大江戸線・東京メトロ有楽町線・南北線「A2出口」より徒歩7分
東京メトロ東西線「A5出口」より徒歩3分

・水道橋駅から
JR中央・総武線「西口」より徒歩5分

・九段下駅から
東京メトロ東西線「7番出口」より徒歩8分
東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄新宿線「3番出口」より徒歩10分

CRIMELESS 事業検討委員会の委員として「意見書」を発表しました。

日々のできごと

今年3月、大阪でホームレス支援を行なってきたNPO法人Homedoorが「GPSによる治安維持とホームレス雇用の両立」(CRIMELESS事業)というアイデアでGoogleインパクトチャレンジのグランプリを受賞したことは、関係者の間で大きな議論を呼び起こしました。

防犯の見回りを実施するにあたり、事業の従事者に危険が及ぶのではないか、一般市民から情報を集めることにより監視社会の助長につながるのではないか、といった懸念や批判が多くの個人や団体から寄せられました。

そのため、NPO法人Homedoorは、今年4月、CRIMELESS事業を再考するための第三者機関として検討委員会を立ち上げました。私もこの事業には懸念を抱いており、事業の見直しを促したいと思い、委員の一人として検討委員会の議論に参加しました。

 CRIMELESS事業について検討委員会を開催することになりました(NPO法人Homedoor)

検討委員会は議論を重ねた結果、「防犯」を事業目的として掲げる以上、根本的な問題点を払拭できないことを指摘し、「防犯」に関わる事業を実施しないよう、Homedoor事務局に勧告しました。

しかし、本日7月22日、Homedoorは「Google インパクトチャレンジ受賞事業について」というウェブサイト上のリリースで、事業を一部手直ししながら「防犯」事業を実施することを表明しました。

表明された方針では、「犯罪数の減少等の目標を掲げることは行わず、地域への貢献活動としての見守り活動を主目的としていくこと」が述べられています。

個人的には「犯罪数の減少等の目標」を設定しないという点は評価したいと思いますが、「防犯」事業そのものを撤回すべきだという検討委員会の結論が反映された内容にはなっていません。

検討委員会は委員全員の連名で以下の「意見書」を発表しました。ご参考にしてください。

私個人としては事業の抜本的な見直しを実現したいと思って委員会に参加していただけに、力不足を痛感しています。

Homedoor事務局の決定が残念でなりません。

 

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意 見 書

2015年7月2 2 日

CRIMELESS 事業検討委員会

委 員 生 田 武 志
同 稲 葉 剛
同 木 原 万樹子
同 徳 武 聡 子
同 中 桐 康 介
同 福 原 宏 幸

今般 、N P O 法 人 Homedoor が 、Google インパクトチャレンジでグランプリを受賞した事業について、正式に事業開始することを決定したとの報告を受け、上記事業検討委員としては、下記のとおり、意見を表明いたします。

1 見直し後も事業に伴う危険が存すること

市民の声をもとに防犯パトロールを行った場合、誤解や偏見にもとづく通報がなされる危険性があり、 現に野宿生活を強いられている人達を排除する結果をうみかねません。

2 当事者に対する配慮が欠けること

上記事業が 「防犯」を標榜する以上、大きなトラブルにまき込まれる可能性はあり、放置自転車対策活動に従事していた当事者にとって、予想外の危険な活動に当事者をまきこみかねません。

3 検討委員会の議論が反映されていないこと

以上の問題点をはらんでいることは、検討委員会において再三指摘し、 Homedoor としても、いったんは「防犯」事業の中止を表明しておられました。
にもかかわらず、 当初事業案を撤回せず、事業開始を決定されたことは、 遺憾であるといわざるを得ません。

以 上

それぞれの場所で「アベ政治を許さない」と意思表示することの大切さ

日々のできごと

2015年7月18日午後1時、作家の澤地久枝さんの呼びかけで、全国各地いっせいに「アベ政治を許さない」というポスターが掲げられました。

朝日新聞デジタル:「アベ政治を…」あの筆文字プラカード、コンビニで拡散

澤地さんのページでは、事前に「ここでやります」という情報が掲載してありました。私は当日、立教大学大学院での授業の帰りだったので、つれあいと合流して池袋西口の芸術劇場前に行ってみました。

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12時50分くらいに芸術劇場の前に行ってみると、数人の方が来られていたので、声をかけてみました。皆さん、呼びかけを知って、個人で集まってこられた方のようで、特に仕切り役がいる感じでもありません。

手にポスターを持っている人が集まりつつあるのを見て、芸術劇場のガードマンが近寄ってきて、「ここの敷地内ではやらないでください」とやんわりと言われました。

隣接する池袋西口公園では「フラフェスタ」が盛大に行われていて、そっちに行ける感じでもありません。

皆さん、「どうしたものか」という感じになっていたので、私から芸術劇場と歩道の境界あたりに移動することを提案して、そちらに移動しました。ちょうど、バス停の前あたりなので、バスを待つ人やバスに乗っている人からもよく見える場所です。

「こういうときは敷地の管轄が分かれるキワキワのところに行くのがいいんですよ」と玄人っぽいことを言ったのですが、あとでよく考えると、これは野宿の人たちから教わった知恵でした。

 

Twitterで@webeholdyou0608 さんから送っていただいた写真

Twitterで@webeholdyou0608 さんから送っていただいた写真

 

途中から参加した人もいて、入れ替わりも含めて、二十数名が参加しました。拡声器も、コールもなく、それぞれが自分のいられる時間だけスタンディングをする、という形になりました。写真を見るとわかりますが、向いている方向もバラバラですね(笑)。これはそれぞれが効果的だと思った方向を向いているからでしょう。

参加されている方数人とお話ししましたが、それぞれ個人で来られた方でした。街頭で意思表示をするのは初めて、という方もいらっしゃいました。

「国会前で大勢で集まるのも大切だけど、それぞれの場でブツブツと言って意思表示をするのも大事ですよね」「澤地さんはそういうことを呼びかけたかったんじゃないかな」という話になりました。

この日は全国のほとんどの都道府県でアクションが行われたようです。一人で玄関のドアや車にポスターを貼り出した人、街頭でのアピールや集会を企画した人など、いろんな形があったようですが、個々人がそれぞれの場所で意思表示をすることの大切さを改めて感じました。

与党の政治家からは安保法制反対の運動は一過性のブームで終わる、と揶揄し、そのことを期待をするような発言が続いていますが、一人ひとりの個人が自分の頭で考えて行動するということをそれぞれの場所で積み重ねていけば、ブームで終わることのない社会運動をつくることができるはずです。

それこそが民主主義を取り戻すための一番大きな力になると私は信じています。

 

※今後のアクションに関する情報はこちらで。

日本全国デモ情報(マガジン9)

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

自由と民主主義のための学生緊急行動

さいきまこさんの新作漫画『神様の背中~貧困の中の子どもたち~』刊行!

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生活保護をテーマにした漫画『陽のあたる家』で知られるさいきまこさんの新作『神様の背中~貧困の中の子どもたち~』が発売されました。

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今回のテーマは子どもの貧困で、前作に引き続き、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいが取材協力団体に名前を連ねています。

ぜひ多くの方に読んでいただければと願っています。

 

以下は著者のさいきまこさんからのメッセージです。

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生活保護などを題材にした漫画を描いております、さいきと申します。

前作『陽のあたる家 ~生活保護に支えられて~』に続く新刊
『神様の背中 ~貧困の中の子どもたち~』が発売されましたので
ご案内させていいただきます。

本作は、サブタイトルの通り「子どもの貧困」を切り口にしています。
6人に1人という困窮家庭の子どもたちの危機的状況とその要因を
可能な限り盛り込み、背後にある「貧困の連鎖」「雇用環境の劣化」
「自己責任論とスティグマ」などにも言及しました。

貧困に苦しむ子どもたちの状況は、いまだ世間に広く知られているとは
言いがたく、「この豊かな日本に、困窮している子どもなど本当にいるのか」
という認識を持つ人たちも少なくありません。
子どもたちの、そして親御さんたちの危機的な状況が広く知られる
きっかけとなれば、と願って取材・制作しました。
ご一読いただき、ご意見やご感想をいただければ幸いです。

下のURLからamazonなどのネット書店に飛べます。
http://www.akitashoten.co.jp/comics/4253106412

書店は大型店舗でないと置いていないかもしれませんが、お近くの書店で
書名と出版社名を伝えれば取り寄せをしてもらえます。

どうぞよろしくお願いいたします。

さいき まこ

『若者の貧困・居場所・セカンドチャンス』が刊行されました。

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このたび、青砥恭+さいたまユースサポートネット編『若者の貧困・居場所・セカンドチャンス』が太郎次郎社エディタスから刊行されました。

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この本は、さいたま市を中心に社会に居場所をなかなか見つけられない若者や子どもへの支援活動を展開するNPO法人さいたまユースサポートネットが主催した連続講座やシンポジウムの内容をまとめた書籍で、私も「若年ホームレス問題と生活保護」に関するパートを担当しています。

ぜひご一読ください。

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『若者の貧困・居場所・セカンドチャンス』
青砥恭 編 さいたまユースサポートネット 編

発行日 2015年06月発行
判型 四六判
頁数 240ページ
価格 本体2000円+税
ISBN ISBN978-4-8118-0782-9
Cコード C0036

内容
このままでは若者が「国内難民化」する?!

貧困家庭の子ども325万人(6人に1人)、好転しない不登校・ひきこもり、高校中退者はこの10年で100万人超。若年無業者が増加している。学生でも社会人でもない不安定な10代・20代。使い捨てられて無業となる30代。変わらなければならないのは、「若者」だろうか?

学校が育ちの場にならず、企業社会にはイスがない。従来型ライフコースからはずれていく多くの若者を、だれが、どこで、どのように支えているのか。

「学び直し」「居場所づくり」「就労支援」を実現する貧困研究の生きた知見と、先進的な実践者が集い、安心して普通に生きられる社会へのモデルを指し示す。

執筆者
稲葉剛〈若年ホームレス問題と生活保護/NPO法人自立生活サポートセンター・もやい〉
黒田安計〈発達障害への視点/さいたま市保健福祉局保健部〉
才門辰史〈非行少年のリ・スタート/NPO法人セカンドチャンス!〉
関口昌幸〈コミュニティビジネスと行政/横浜市政策局〉
津富宏〈就労支援・静岡方式/静岡県立大学教授〉
中西新太郎〈居場所論/横浜市立大学名誉教授〉
松田考〈就労支援と連携/札幌市若者支援総合センター〉
宮本みち子〈若者政策/放送大学副学長〉
山野良一〈子どもの貧困対策/千葉明徳短期大学教授〉

目次
【序】子ども・若者支援がめざすもの
「高校中退」から「セカンドチャンス」へ●青砥恭

【第1部】現場でいかす
[現場のための「生活保護」入門]私たち自身のまなざしが問われている●稲葉剛
[現場のための「発達障害」入門]子どもの特性を医療の視点から理解する●黒田安計
[現場のための「相対的貧困率」入門]相対的貧困率と子どもの貧困対策法を考える●山野良一

[コラム]生きる場所はどこに①──自己責任論を超えて●戸高七菜

【第2部】現場からはじまる
[市民が伴走する地域若者サポートステーション◎静岡方式]働きたいけれども働けない若者たちと●津富 宏+池田佳寿子
[学校と社会のすきまを埋める支援ネットワーク◎札幌]新規の来談、毎月40名●松田考
[少年院を出た若者たちのネットワーク]セカンドチャンスを支える 少年院出院者として●才門辰史
[地域でサービス、モノ、カネ、ヒト、情報がまわる仕組み◎横浜]就労支援から地域経済の再生へ●関口昌幸

[コラム]生きる場所はどこに②──子ども・若者の貧困と格差が日本社会に突きつけたもの●青砥恭

【第3部】視点をひらく
[日本の現実と各国の若者政策]若者が自立できる環境をどうつくるか●宮本みち子
[普通に安心して働くことが困難な時代に]居場所という〈社会〉を考える●中西新太郎
[問題提起を受けてのトーク]見えてきた課題と新しい社会のモデル●松田考+宮本みち子+関口昌幸+中西新太郎+青砥恭

著者紹介
青砥恭(あおとやすし)
NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事。1948年生まれ。元埼玉県立高校教諭、現在、明治大学・埼玉大学講師。子ども・若者と貧困、自立…続きを読む
さいたまユースサポートネット(さいたまゆーすさぽーとねっと)
2011年設立。高校を中退、通信制高校生、不登校や引きこもりを経験、障害で生きづらさを感じている子ども・若者など、この社会に居場所がなかなか見つからない子ども・若者たちを無償で応援するNPO法人。

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