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【2019年7月18日】 東京新聞「<参院選>隠れ住む『貸倉庫難民』」にコメント掲載

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2019年7月18日付け東京新聞の記事にコメントが掲載されました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019071802000162.html

<参院選>隠れ住む「貸倉庫難民」 非正規労働者「ここは底辺」

 

階段を上り、二階のフロアに通じるドアを開けると、狭い通路の両側にドアがずらり。二畳ほどのスペースが薄い板で仕切られている。「グオーン」と空調の鈍い音が響き、踊り場にある共用のトイレや洗い場からはカビの臭いが漂う。

ここは東京二十三区内にある三階建て雑居ビル。にぎやかな商店街にひっそりたたずみ、「レンタルルーム」や「レンタルスペース」と呼ばれる貸倉庫となっている。

「非正規労働者が増え、貸倉庫にまで住むようになった」。生活困窮者の支援者からそんな話を聞いた。窓がない、仕切りの素材が燃えやすいなど住居としての建築基準を満たさないが、利用料金の安さから住み着く人が出てきたという。

夕方、仕事終わりとみられる作業着姿の人や、弁当を手にする人がビルの鍵付きの玄関に吸い込まれていく。運営会社から住むのを禁じられており、利用者の口は一様に重いが、「絶対内緒ですよ」と、二十代の利用者が鍵を開けてくれた。

    ◇

午後六時すぎ。幾つかの部屋から物音が聞こえる。Tシャツ、短パン姿の中年の男性はリラックスした様子で用を足しに出てきた。

招き入れてくれた男性によると二十四時間出入りが可能でほとんどの部屋に人が住んでいるという。部屋の中を見ることは拒まれたが、ホームページによると約百室あり、窓がない部屋もある。一部屋の契約額は月三万円程度だ。

運営会社は「物置」や「休憩室」としての用途を示し、住むことは禁じている。だが利用者にとってはアパートより月の支払いが安く、敷金や礼金もない。毎日、入退室手続きが必要なインターネットカフェに比べても、月単位で借りられ、荷物を置いて仕事に行けるため便利。職場の口コミなどで広がり、住む人が増えているという。

男性は道路整備のアルバイトで日銭を稼いでいる。「住んで一カ月ぐらいだが、ここは底辺。狭いし、汚いし、早く抜け出したい」と吐き捨てるように言った。

後日、都内で同じ会社が運営する同種の雑居ビルを訪ね、一階のコインシャワーから出てきた四十代男性に話を聞いた。定職がないため不動産屋からアパート契約を拒まれ、一年前から住んでいるという。今は知り合いの親方の下で建築現場で働き、月の収入は二十数万円。「親方からの仕事がなくなれば、働く場所もなくなる」と、髪を拭いていたタオルで顔を覆った。

雇い止めされた非正規労働者らが寮などを追われ、インターネットカフェで寝泊まりする「ネットカフェ難民」が、世間に知られるようになって十年以上がたつ。生活困窮者を支援してきた立教大大学院特任准教授の稲葉剛さん(50)は「今はネットカフェだけでなく、貸倉庫やサウナ、二十四時間営業のファストフード店などに居住が広がり、実態が見えづらくなっている」と指摘する。

安倍晋三首相は、完全失業率が民主党政権下の4%台から2%台に改善したことを「アベノミクス」の成果だと強調しているが、昨年の国の調査では、雇用者のうち四割が非正規だ。

「団塊世代の大量退職で働き口はあるけれど、労働者は相変わらず低賃金で、雇用も不安定」と稲葉さん。「狭い部屋で寝泊まりすれば体を壊すし、孤立感からうつっぽくなる。生活保護に至る前に、低家賃の公営住宅や家賃補助制度を設けるなどの住居対策が選挙のもっと大きな争点にならないと」と訴えた。

コインシャワーで出会った四十代男性は「頭が悪いから政治はわからない」と投げやりだが、将来は不安だ。最近、同じ現場で働く高齢者に自分の未来が重なる。「物覚えが悪く、作業も遅い。それでもうちで働けなくなればホームレスになると親方も分かっているから、クビにできない」

「俺はそうはなりたくないけど、酒や遊びを控えても金はたまらないし、体もきつくなってきた。どうやってこの生活から抜け出せばいいのか」。力なく話し、倉庫への階段を上っていった。 (原田遼)

<生活困窮者の住居> 「オフィス」「倉庫」などとして貸し出され、実際には多人数が寝起きしている建物を、国土交通省は、住居の建築基準を満たさない「違法貸しルーム」と定義。昨年は防火や採光の設備が足りていないとして、全国の都道府県などが1458件の貸主に是正指導した。一方、東京都は2016年度にネットカフェやサウナなど夜通し営業する店舗で実態調査し、住居を失い寝泊まりしている利用者が都内に1日4000人いると推計を出した。

関連記事:参院選:各党の住宅政策を比較する~住まいの貧困対策に熱心なのはどこ?(住まいの貧困に取り組むネットワークブログ)

【2019年7月12日】 朝日新聞東京版「参院選 私の争点」にインタビュー記事掲載

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2019年7月12日付け朝日新聞東京版に稲葉のインタビュー記事が掲載されました。

https://www.asahi.com/articles/ASM787H1YM78UTIL03W.html

参院選2019 私の争点

つくろい東京ファンド代表理事 稲葉剛さん(50)

学生時代に路上生活者の支援に関わったのを機に、貧困問題に取り組んで25年になります。数字上の失業率は改善し、働ける世代の生活保護は減りましたが、実態をよく見ると、状況はよくなるどころか、悪化の一途をたどっているようにみえます。

若い世代では、非正規雇用の不安定な仕事が多いため、ネットカフェなどで暮らさざるをえない「住居喪失者」が増加。都内では2017年に4千人と、この10年間で倍増しました。24時間営業のファミレスやファストフード店、カプセルホテル、サウナ、友人宅などを転々とし、路上生活の一歩手前で都会を漂流する人が増えているのを実感しています。

高齢者も同様です。生活保護世帯に占める高齢者世帯の割合が年々増え、現在は半数を超えました。根っこにあるのは年金問題。家賃が高い東京で、年金が少ない一人暮らしの高齢者は生活できません。年金政策と住宅政策の失敗で、生活保護に頼らざるをえない高齢者が増えている。

07年に始まった反貧困運動にかかわりましたが、存在しないとされていた国内の貧困問題を可視化するのが目標でした。08~09年の派遣切り問題によって貧困は誰の目にも明らかになり、貧困を生み出す社会のあり方を再考しようとする動きが広がりました。

しかし、今は自分と家族が生き残るのが精いっぱいで、社会のあり方に目を向ける余裕のない人が増えているような気がする。悪い意味で、貧困が存在することがあたり前の社会になってしまったと言えます。

ここ数年はブラック企業批判など、若者の生きづらさや経済的な困難を言語化することで改善につながった例も出てきています。声を上げることで制度や社会の意識を変えるという経験を積み重ねていくしかない。選挙もその機会の一つなのだと思います。(聞き手・小林太一)

いなば・つよし 広島県生まれ。2001年に「自立生活サポートセンター・もやい」を設立し、14年まで理事長。15年から立教大大学院特任准教授。

 

関連記事:参院選:各党の住宅政策を比較する~住まいの貧困対策に熱心なのはどこ?(住まいの貧困に取り組むネットワークブログ)

 

【2019年5月10日】毎日新聞に「東京アンブレラ基金」に関する記事が掲載

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2019年5月10日付け毎日新聞東京都内版朝刊に「東京アンブレラ基金」の取り組みを紹介する記事が掲載されました。稲葉のコメントも出ています。

路頭に迷う人 ない街に
宿泊費工面へ「アンブレラ基金」 8団体 寄付呼び掛け

今夜、雨露をしのぐ場を東京に――。都内を拠点に住居や居場所を失って生活に困っている人などの支援に取り組む8団体が、困窮者に宿泊費を工面しようと「東京アンブレラ基金」を設立、運用を始めた。3月末の設立から約40日で基金への寄付は400万円を超えたが、安定した活動を続けるためさらなる支援を呼び掛けている。【遠藤拓】

寄付を考案したのは、困窮者支援に取り組む一般社団法人つくろい東京ファンドの稲葉剛代表理事だ。稲葉氏によると、複雑な現代社会を反映し、支援対象者は多岐にわたる。仕事も住む場所もなくなった困窮者や路上生活者、難民認定を申請中に路上生活を余儀なくされる外国人、家族の虐待から逃れて夜の街をさまよう10代の少女―などだ。

対人支援に取り組む民間団体はこれまで、こうした相談に対し、各団体で募った寄付を元手に、一時的に寝泊まりできるシェルターを提供したり、ネットカフェの代金を負担してきたりしてきた。寄付の必要性をより強くアピールしようと、一致団結して基金の設置に踏み切った。

8団体はつくろい東京ファンドのほか、路上生活者を支援するNPO法人TENOHASI、若者を支援する一般社団法人Colabo、認定NPO法人難民支援協会―など。

基金の運用は、各団体が支援対象者の宿泊費を立て替えたことを申請し、同一人物で最大4泊、1泊3000円の支援を受けることとしている。各団体は、支援を必要とする人に年代や支援に至った経緯を聞き取り、将来的には行政機関への政策提言に役立てたい考えだ。

基金への寄付はインターネットのクラウドファンディングで3月下旬に始まり、5月に入り400万円を超えた。ただ、400万円は1300泊分超に相当するが、1年程度で底をつく見通しだ。クラウドファンディングは6月15日まで実施し、その後は別の窓口を設ける。詳しくは、https://camp-fire.jp/projects/view/127236 へ。

稲葉氏は「活動を通して公的なセーフティネットの穴がどこにあるかを明らかにし、公的支援の充実につなげられれば」と話している。

※以下の記事もあわせてご覧ください。

[27]誰一人、路頭に迷わせない東京をつくる – 稲葉剛|論座 – 朝日新聞社の言論サイト 

【SYNODOS】あらゆる分断を越えて、誰も路頭に迷わせない東京をつくる!/稲葉剛氏インタビュー

【2019年5月3日】朝日新聞に「東京アンブレラ基金」の紹介記事が掲載

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2019年5月3日付け朝日新聞朝刊に「東京アンブレラ基金」の取り組みを紹介する記事が掲載されました。稲葉のコメントも出ています。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14000355.html

家のない人に緊急宿泊費 8団体が共同で基金設立、寄付募る

2019年5月3日05時00分

誰も路頭に迷わせない東京へ――。ホームレスや若者・子ども、難民申請者らを支援する8団体が連携して、家のない人に緊急の宿泊費を援助する基金を設立。10連休が始まった4月末から運用を始めた。インターネット上で6月15日まで寄付を募っている。

■ホームレス・若者・難民申請者…1泊3千円援助

「仕事は決まったが、住む場所がない」。生活困窮者の支援にあたる「つくろい東京ファンド」(稲葉剛代表理事)には、ネットカフェや路上から切迫したSOSメールが届く。空き家を借り上げたシェルターを14部屋確保しているが、満室のこともあり、路上で待機してもらうほかない実情があるという。

渋谷などの繁華街で女子高校生らを支援する「Colabo」(仁藤夢乃代表理事)は、居場所を失った10代の女性に、シェルターやビジネスホテルなどを使って宿泊支援をしている。「難民支援協会」(石川えり代表理事)も、ホームレス状態となった外国人の難民申請者に、シェルター提供やネットカフェ代の援助などをしている。こうした支援費は、普段は各団体ごとに募る寄付金などでまかなっている。

そんな8団体が今回、共同で設立したのは「東京アンブレラ基金」。雨露をしのぐ場所を、という願いをアンブレラ(傘)という言葉に込めた。1人1泊3千円、原則4泊分まで支援する。団体の枠を超えて一つの窓口で支援を募ることで、「誰も路頭に迷わせない」というメッセージを、より強くアピールすることを目指している。

基金設立を呼びかけた稲葉剛さんは「狭義のホームレスだけではなく、様々な団体が実質的にホームレス状態にある人を支援している。入管法改正で増える外国人労働者のなかにも、困窮して住まいを失う人がでる恐れがある」と話す。

東京都が昨年公表した調査によると、家がなくてネットカフェやサウナなどで寝泊まりする人は、都内で1日に推計約4千人いる。大型連休から運用を始めたのは、日払いの仕事がなくなり、路上に押し出される人が増える時期だからだ。クラウドファンディングのサイトは(https://camp-fire.jp/projects/view/127236 別ウインドウで開きます)。(編集委員・清川卓史)

 ■「東京アンブレラ基金」を設立した8団体 

つくろい東京ファンド/TENOHASI(路上生活者支援)/Colabo/難民支援協会/LGBTハウジングファーストを考える会・東京/豊島子どもWAKUWAKUネットワーク/避難の協同センター(原発避難者支援)/人身取引被害者サポートセンターライトハウス

 

※以下の記事もあわせてご覧ください。

[27]誰一人、路頭に迷わせない東京をつくる – 稲葉剛|論座 – 朝日新聞社の言論サイト 

【SYNODOS】あらゆる分断を越えて、誰も路頭に迷わせない東京をつくる!/稲葉剛氏インタビュー

※5月12日(日)には下記のイベントも開催されます。ぜひご参加ください。

【要予約】5月12日(日)誰も路頭に迷わせない東京をつくる!「東京アンブレラ基金」キックオフ集会

【2019年4月17日】神奈川新聞「あぶり出した社会のひずみ 行政の福祉施策に問い」にコメント掲載

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2019年4月17日付け神奈川新聞「【平成の事件】川崎・簡易宿泊所火災/あぶり出した社会のひずみ 行政の福祉施策に問い」に稲葉のコメントが掲載されました。

https://www.kanaloco.jp/article/entry-161626.html

【平成の事件】川崎・簡易宿泊所火災 
あぶり出した社会のひずみ 行政の福祉施策に問い

港や工業地帯を抱える大都会の片隅にひっそりと存在する簡易宿泊所(簡宿)街が、騒然とした雰囲気に包まれた。風にあおられた猛火が、2棟の古い木造建築を瞬く間にのみ込んでいく。2015年5月17日未明の川崎市川崎区日進町。11人の死者と17人の負傷者を出す大惨事となった簡宿火災は、街の在りように一石を投じるとともに、行政の福祉施策に重い課題を突き付けた。(神奈川新聞記者・三木崇)

(中略)

曲がり角を迎えた簡宿に代わり、生活保護受給者の新たな受け皿と自立支援策をセットで模索する動きも始まっている。

「生活困窮者に最初に提供されるのは住宅であるべきだ。住所や住民票がないと仕事も探せず、低廉で質のいい住宅は欠かせない」。貧困問題に詳しい立教大の稲葉剛特任准教授はそう力説する。

2014年に一般社団法人「つくろい東京ファンド」を設立した稲葉特任准教授は、東京都内に複数のアパートを借りて、生活保護受給者に暮らしてもらう取り組みを実践。ファンドはカフェを運営し、勤労意欲がある人はカフェで働くことも可能という。社会復帰への足掛かりとするため、地域との交流も積極的に進めている。目指す姿は福祉行政と住宅行政の縦割りの解消だ。

「行政は簡宿に安易に依存せず、行き場を失った高齢者が住み慣れた地域で引き続き暮らせるよう支援していくのが、本来在るべき福祉施策ではないか」と強調する稲葉特任准教授は、こんな指摘も付け加えた。

「生活保護受給者が多く、福祉ニーズの高い簡宿街は、やがて日本が迎える超高齢化社会を先取りした縮図とも言える。つまりこの先、誰しもが同じ問題に直面する可能性があるということなんです」

◆川崎市の簡易宿泊所火災 2015年5月17日未明、川崎市川崎区日進町の簡易宿泊所「吉田屋」から出火、隣接する簡易宿泊所「よしの」に延焼し、木造2棟の計約1000平方メートルを焼いて、11人が死亡、17人が負傷した。吉田屋は2階上部に宿泊フロアを増築した「3階建て」として営業。吹き抜けのような構造が火の回りを早めた可能性も指摘された。神奈川県警は放火と失火の両面で捜査し、川崎市消防局は16年2月、「ガソリンによる放火」との調査結果を公表した。

 

【2019年4月13日&15日】税理士ドットコムにインタビュー記事掲載

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2019年4月13日と15日、「税理士ドットコム」トピックスに2回にわたり、インタビュー記事が掲載されました。

下記のリンク先よりご覧ください。

東京の高すぎる家賃 20代の金融OL「親の援助ないと無理」 https://www.zeiri4.com/c_1076/n_762/

 

若者にホームレス化のリスク、「住宅すごろく」崩壊…稲葉剛さんが警鐘 https://www.zeiri4.com/c_1076/n_763/

 

【2019年2月28日】東京新聞「厚労省の物価下落率『偽装』」にコメント掲載

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2019年2月28日東京新聞特報面の記事「厚労省の物価下落率『偽装』/生活保護以外にも被害」に稲葉のコメントが掲載されました。

この記事は、2月27日に厚生労働記者会で開かれた「厚生労働省の『物価偽装』による生活保護基準引下げの撤回等を求める研究者共同声明」発表の記者会見を取材したものです。

声明の内容をこちらをご覧ください。

厚生労働省の「物価偽装」による生活保護基準引下げの撤回等を求める研究者共同声明

稲葉のコメント部分は以下の通りです。

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会見に参加した、低所得者支援事業を担う一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事は、受給者のうち単身の高齢者で減額割合が大きく、エアコンを付けられない受給者も少なくないと指摘し、「健康に深刻な影響が出る」と危ぶんだ。さらに、「生活保護の基準が下がり、ギリギリで受給できない人の生活も苦しい。対応に苦慮している」と訴えた。

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物価偽装問題については、こちらのQ&Aもご覧ください。

物価偽装問題 徹底解説Q&A

2013年からの生活保護基準引き下げについては、全国29都道府県でその違憲性を問う「いのちのとりで裁判」が行われています。ぜひ応援をお願いいたします。

【2019年2月8日】朝日新聞「無料低額宿泊所『法的位置づけ』効果は」にコメント掲載

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2019年2月8日付け朝日新聞「無料低額宿泊所 『法的位置づけ』効果は」に、稲葉のコメントが掲載されました。

https://www.asahi.com/articles/CMTW1902180100004.html

 

無料低額宿泊所 「法的位置づけ」効果は

同様の施設「無料低額宿泊所」へ

昨年1月31日の火災で入居者11人が死亡した生活困窮者向け共同住宅「そしあるハイム」(札幌市東区)は、法的な位置づけがない施設だった。国は同様の施設を無料低額宿泊所に位置づけ、規制を強める方針だ。札幌市は防火対策のため、火災後に独自の補助制度を設けたが、困窮者支援の現場に行き届くには、課題が多い。

来年春、安全確保の規制強化

ハイムは社会福祉法が定める「無料低額宿泊所」(無低)にも、老人福祉法上の「有料老人ホーム」にも当てはまらない、法的位置づけのない施設だった。行政による安全確保のための規制が及びにくく、補助の対象にもならなかった。

厚生労働省の調査によると、ハイムのような施設は2015年時点で全国に1236施設あった。このうち道内には307施設あり、3868人が入居していた。国は火災を受け、こうした施設を無低として位置づけようとしている。

来年4月に改正社会福祉法が施行されると、その無低に対する規制が強化される。設置するには、都道府県への事前の届け出が必要になる。施設の床面積や職員数、災害時の安全確保に関する基準を省令で定め、基準を満たさない施設には、都道府県が改善命令を出せるようにする。

さらに国は、ハイムのような施設を無低と位置づけることで規制を強める。時期は未定だが、省令や通知などで無低の定義を改め、来年4月の改正法施行に間に合わせたい考えだ。

一方、無低と位置づけられることで、補助を受けられるようにもなる。国は来年度、無低を対象に、スプリンクラーの設置といった防火対策工事の費用の補助を始め、国と都道府県で費用の4分の3を負担する。

立教大大学院の稲葉剛特任准教授(居住福祉論)は「首都圏を中心に貧困ビジネスが深刻な問題になる中、規制を設けて住宅の質を底上げすることには賛成だ」と話し、スプリンクラーの設置補助も評価する。その一方で、「規制のやり方次第では、これまで困窮者を幅広く受け入れてきた小規模な事業者などが運営しづらくなる可能性があり、注意を払う必要がある」とも指摘している。

消火装置、補助申請にも「壁」

札幌市は昨年11月、「自動消火装置」の設置費の補助を独自に始めた。火災時に熱を感知し、天井などから消火剤をまく装置で、価格は数万円。2万8700円を上限に、費用の9割を補助する。今月15日までに、すでに補助されたものも含め72世帯89台の補助が決まっている。65歳以上だけで暮らす高齢世帯が対象だ。

しかし、生活困窮者は高齢者に限らない。ハイムを運営していた「合同会社なんもさサポート」は現在、同市内のアパート22棟で一部の部屋を借り、入居者約220人を支援している。年齢は20代から70代まで幅広く、藤本典良代表は「補助の対象年齢ではない人の方が多い」と話す。

補助の対象になっていても課題はある。入居者が暮らすアパートはなんもさの所有物件ではない。自動消火装置の設置には大家の許可が必要で、補助申請のハードルになっている。

実際、高齢の入居者で補助を受けている人はいないという。藤本代表は「生活保護を受け、ギリギリの状態で暮らしている人にとって、数千円の自己負担はかなり厳しい」と話す。

ハイムの火災を受け、生活困窮者の支援団体も独自の取り組みをしているが、限界があるという。

NPO法人「ほっとらんど」(北広島市)は昨年6月、初めて避難訓練をした。消防から避難時の心構えについて助言を受け、消火器の使い方も学んだ。ただ、スプリンクラーの設置は、業者の見積もりで900万円以上かかることが分かり、断念したという。

なんもさは、入居者に灯油ストーブではなく、ガスストーブをできるだけ使うようお願いしている。ただ、避難訓練は一般の入居者の協力が必要で、実現していない。「制度が使えなければ、自分たちで最低限の防火対策をしていくしかない。お金をかけずに済む対策などほとんどないと思うが……」。藤本代表は、こう漏らした。(平賀拓史、遠藤美波、布田一樹)

関連記事:【2019年2月5日】朝日新聞北海道版にインタビュー記事掲載

【2019年2月5日】朝日新聞北海道版にインタビュー記事掲載

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2019年2月5日付け朝日新聞北海道版に、稲葉のインタビュー記事が掲載されました。

自立支援住宅「そしあるハイム」の火災から1年を経たことを踏まえた特集記事の一つです。

そしあるハイム 火災から1年 貧困に寄り添う

困窮者支援 背景にある問題は
福祉・住宅政策を一体で

立教大大学院特任准教授 稲葉剛さんに聞く

そしあるハイムのように高齢者や障害者が暮らす施設で多くの犠牲者が出た火災は、過去にも繰り返されてきました。背景には、構造的な問題があります。

ハイムの運営会社は、行政の補助金などがない中で、行き場を失った人たちの住宅支援を手弁当でやってきたのだと思います。

民間の団体や個人が住宅支援をしようとすると、提供できるのは誰も借り手がつかないような木造の古い建物になりがちです。入居者は足の不自由な高齢者や障害者のなどの「災害弱者」が多い。火事で逃げ遅れるリスクの高い人たちが、災害に弱い物件に行き着くことになります。

民間任せの行政に責任がある。生活保護を中心とした福祉政策と、公営住宅などの住宅政策を一体で進めなければならないのに、厚生労働省と国土交通省が縦割りで動いてきました。

地方自治体は財政難の中、公営住宅の数を抑えており、十分な受け皿になっていません。生活保護はあっても、住まいという「器」は自力で用意しないといけない状況です。

貧困には、経済的な貧困と人間関係の貧困という二つの側面がある。困窮者支援には、一から人間関係を作り直すような支援も重要です。例を挙げるなら、「子ども食堂」。栄養バランスの取れた食事が提供されると同時に、地域の大人たちや子ども同士でつながることができる。人と人のつながりを結び直す場所としても機能しています。

貧困状態にある人は、恥ずかしいという気持ちを内面化しがち。困っていることをなかなか周囲に言えない。地域でいろんな人とつながれば、相談できる関係性が生まれるはずです。

アメリカには「ゲーテッド・コミュニティー」と呼ばれる町があります。周辺を壁で囲い、その中で富裕層だけが集まって暮らしているのです。税金が貧困対策に使われることへの拒絶感が強くなった結果です。

塀のすぐ外でホームレスの人が路上で亡くなっていても、見て見ぬふりをするのか。それとも、どんな環境に生まれても、誰もが最低限の生活を営める社会にするのか。私たちがどういう社会を選択するのか、という問題だと思います。

【略歴】
1969年、広島県生まれ。立教大大学院特任准教授(居住福祉論)。一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事を務め、住まいを失った生活困窮者のためのシェルターやホームレス経験者が働くカフェなどの運営に関わる。著書に「貧困の現場から社会を変える」など。

【2018年12月30日】共同通信記事「『見えない貧困』広がる 支援団体の模索続く」にコメント掲載

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2018年12月30日付け東奥日報、京都新聞、愛媛新聞に「『見えない貧困』広がる 支援団体の模索続く」という共同通信の配信記事が掲載されました。稲葉のコメントも掲載されています。

 

野宿者は減少傾向も・・・
「見えない貧困」広がる  支援団体の模索続く

平成最後の年末、全国のホームレスは寒空の下で年の瀬を迎えた。野宿者の人数は減少傾向だが、路上以外の「目に見えにくい貧困は近年むしろ広がっている」と支援者は警鐘を鳴らす。なくならない貧困に対し、支援策を変化させつつ模索が続く。

路上での仕事をつくる雑誌「ビッグイシュー日本版」は2018年9月に創刊15周年となった。英国発の仕組みで、1冊350円のうち180円が売り手のホームレスの収入だ。佐野章二代表(77)は「当初はホームレスへの偏見が強かったが、仕事を求めている人が多いことが創刊して分かった」と振り返る。

ただ収支は3年前に赤字へ転落し、売上冊数も一時期より4割落ちた。厚生労働省の調査では、路上で暮らす人が15年前の約2万5千人から5千人弱へ減少.生活保護の受給を後押しする動きが広がり、行政が申請を拒みにくくなったことが背景にある。

一方、困窮者を支える「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事(49)は「非正規の仕事でやりくりする若者や、低収入の高齢者など『路上一歩手前』の人が増えていると感じる」と話す。

東京都が18年1月に公表した調査では、住居が無くインターネットカフェなどに泊まる「ネットカフェ難民」は都内で1日当たり約4千人。厚労省によると、平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす人の割合を示す「相対的貧困率」は15年時点で15・7%となり、単純計算では1980万人余りに上る。

こうした状況に対応しようと、大阪や東京の支援団体は「路上脱出・生活SOSガイド」を作成。ひとり親や依存症、性的少数者(LGBT)などを含め、さまざまな「生きづらさ」に関する相談窓口を紹介する。担当者は「貧困が見えにくいからこそ、行政だけでなく民間での連携や一人一人の取り組みが重要になっている」と話した。

 

※ビッグイシュー基金編「路上脱出・生活SOSガイド」の各地域版は以下でご覧になれます。

路上脱出・生活SOSガイド

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