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【2017年4月21日】 朝日新聞に「カフェ潮の路」開店に関する記事が掲載

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2017年4月21日付け朝日新聞に、稲葉が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドが開設した「カフェ潮の路」に関する記事が掲載されました。

http://www.asahi.com/articles/ASK4N6VR1K4NUBQU010.html

ホームレス経験者が働くカフェがオープン

清川卓史 2017年4月21日06時00分

ホームレスを経験した人が働き、地域の人と交流できる場所をつくりたい――。そんな願いを込めた小さなカフェが東京都練馬区に18日、オープンした。フェアトレードの豆を自家焙煎(ばいせん)したコーヒーや本格カレーが味わえる。
名前は「カフェ潮(しお)の路(みち)」。一般社団法人「つくろい東京ファンド」(稲葉剛・代表理事)が、クラウドファンディングなどで集めた寄付金で開設した。民家を改修し、2階がカフェ、1階がコーヒースタンドになっている。

つくろい東京ファンドは2014年7月、空き家を利用した生活困窮者のための個室シェルター「つくろいハウス」を東京都中野区に開設し、住まいの確保や生活支援をしている。いまは都内4区に22部屋を用意。これまでに約50人が生活保護を利用するなどして一般のアパートに移った。

ただ、アパート入居後も地域で孤立しがちで、仕事を探そうにも高齢や障害のためフルタイム勤務は難しい人が多い。稲葉さんは「『住まい』の次は『仕事』と『居場所』が必要。それなら自分たちでつくろうという思いでカフェを立ち上げました。地域の方も高齢者もお子さんも集まれる、みんなの居場所にしていきたい」と話す。

カフェでは20~70代のホームレス経験者5人がスタッフとして働く。時給は1千円。その人の事情や体調に応じて柔軟な働き方ができる。さらに多くの人に呼びかけていくという。将来的には子ども食堂や学習支援にもカフェを活用していきたいとしている。

コーヒーは200円、日替わりランチ500円、カレー700円。シェフを務める同ファンドの小林美穂子さんは「カレーは3時間かけてつくっています。おいしいですよ」。お金がない人も足を運べるよう、余裕のある人が「次に来店する誰か」のために飲食代を前払いする仕組みも採用し、「お福わけ券」と名付けた。200円と700円の2種類がある。

見学会やプレオープン日には、かつて新宿駅の段ボールハウスで暮らしていたホームレス経験者も含め、稲葉さんの長年の知人が集まった。かつて日雇いで建築の仕事をしていたという男性(64)は「顔見知りが多いから、またコーヒー飲みに来ます。お店がはやるといいな」と話していた。

カフェは火、木の12~17時、コーヒースタンドは火~金の12~15時。今後営業日を増やしていきたいとしている。詳細は同ファンドのウェブサイト(http://tsukuroi.tokyo 別ウインドウで開きます)で。

【関連記事】ホームレス経験者が働く「カフェ潮の路」が沼袋にオープン!朝日新聞に紹介記事が掲載されました。

 

【2017年4月12日】 毎日新聞「論点」欄にホームレス自立支援法に関する意見が掲載

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2017年4月12日付け毎日新聞「論点」欄で、今年8月で期限切れを迎えるホームレス自立支援法の延長問題に関する特集記事が掲載されました。
NPO法人抱樸理事長の奥田知志さん、生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎さんとともに、稲葉の意見も掲載されました。

https://mainichi.jp/articles/20170412/ddm/004/070/027000c

新たな住居喪失者に対応を

稲葉剛・一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事

ホームレス自立支援法で言う「ホームレス」の定義は、屋外生活をしていて、路上、公園、河川敷などで寝ている人たち、外で寝ている人たちだ。だが、ホームレスをめぐる状況は、2000年代に入って大きく変化した。ネットカフェや友達の家にいるといった、広い意味での「ホームレス状態」にある人たちが生まれたのだ。ホームレス自立支援法は、こうした人たちに対処できていない。

1994年からホームレスの人たちの支援活動をしてきたが、03年秋、ネットカフェで暮らす若者から初めて相談を受けた。さらに、年収200万円以下の貧困層の若者から「アパートを失い、ネットカフェや友人宅で漂流しながら生活している」という相談が日常的に来るようになった。

ネットカフェ難民が問題になった時、厚生労働省はホームレス対策の枠内で動くことはできなかった。ホームレスの定義を拡大するのではなく、新たに「住居喪失不安定就労者」という定義を作って調査を始めた。しかし、調査を実施する根拠となる法律が存在しないため、調査が継続的に実施されないという問題が生じた。

東京都はネットカフェを規制する条例を作り、入場時の本人確認を義務づけたため、身分証を持てない人たちはネットカフェを利用できなくなった。ネットカフェにも泊まれなくなった人は「脱法ハウス」に移り、状況はさらに悪化した。

NPO法人「ビッグイシュー基金」が14年に行った調査によると、首都圏・関西圏に暮らす20代、30代の未婚で年収200万円未満の若者の6・6%が、ホームレスを経験していた。親と同居していないグループに限ると、13・5%にまで跳ね上がる。「住まいの貧困」は若年層に広がっている。

若者が貧困に陥る理由には、いくつかのパターンがある。一つは貧困の世代間連鎖だ。親が生活保護を受けている場合や、児童養護施設の出身で大学に進学できず、高校を中退したり、高卒で非正規の仕事に就きながら職を転々としたりして、最終的にホームレス状態になってしまう。もう一つは、最近だとブラック企業だ。大学を出て正社員として就職しても、長時間労働やパワハラなどが横行するブラック企業でうつを発症して働けなくなり、生活に困窮する人も出てきている。

住まいの貧困に陥る若年層は、収入や待遇が不安定な非正規雇用の人が多い。08年のリーマン・ショックでは「派遣切り」で仕事とともに住居を失った若者が多く生まれ、年越し派遣村も作られた。非正規雇用が雇用者の約4割に達し、社会状況は変化している。

若者はアルバイトや派遣社員として働けるうちは路上生活には陥らないが、安定した住まいを失う可能性は誰にでもある。だが、それに対応する法律や恒久的制度が存在しないのが問題だ。広い意味でのホームレス状態にある人たちを支援するには、現行法の定義を拡大して大幅に改定するか、生活困窮者自立支援法の中の居住支援を強化する制度改正が必要だ。

 

【関連記事】仕事さえあれば、貧困から抜け出せるのか?~生活困窮者自立支援制度の問題点

 

【2017年3月29日】 朝日新聞に生活保護に関するインタビュー記事が掲載

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2017年3月29日付け朝日新聞「耕論」欄に稲葉のインタビュー記事が掲載されました。

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http://www.asahi.com/articles/SDI201703292250.html

生活保護の底流に 稲葉剛さん、大竹文雄さん、田川英信さん

「なめんな」ジャンパーで注目された生活保護制度。不正受給への視線は厳しいが、必要でも受けられない人も多い。職員も貧困世帯も追い詰める、底流にある課題と解決の道は。

■権利なのに「恩恵」の意識 稲葉剛さん(つくろい東京ファンド代表理事)

全国の福祉事務所の職員たちは社会保障費抑制の重圧にさらされるなか、福祉の仕事の意義を見失いがちです。

不正受給をなくすことは大切ですが、生活保護全体の予算からすると約0・5%の問題です。深刻さでいえば、必要な人に届いているかどうかを表す捕捉率が2割程度にとどまることの方が大きな問題だと思います。

厚労省は各地の福祉事務所に警察官OBを配置することを進めてきました。その結果、困っている人に手を差し伸べるべき窓口で、来訪者に疑いの目を向けがちな人が対応するということも起きています。

生活保護制度の利用は本来、憲法が保障する生存権にもとづくものです。けれども日本社会では社会保障は権利ではなく、恩恵と捉えられがちです。そうした意識があるところに、働いても生活が苦しい人たちが増えたため、生活保護に対するバッシングが起きやすくなっています。

そもそも受給者は就労を免除されているわけではありません。働ける人は働き、基準額に満たない分を保護費として受け取っています。資産の保有は制限され、福祉事務所の指導や指示に従う義務があります。

問題は、貧困対策の一部であるはずの生活保護が、活用できる唯一の施策となっていることです。生活困窮者自立支援法で窓口ができましたが、つなぐ先が生活保護しかないというのが現状です。

有効な政策として注目しているのが、空き家を活用した住居支援です。折しも「住宅確保要配慮者に対する供給促進法」(住宅セーフティーネット法)の改正案が閣議決定されましたが、家賃を低くおさえる措置が条文に入っていません。年度ごとに予算をつける形では、安全網は十分に機能しません。修正を求めていきたいです。

豊かな国のはずの日本で、路上で死ぬ人たちがいる。その現実に驚き、1990年代半ばからホームレスの人たちの支援にかかわっています。貧困問題の可視化に取り組みながら、3千件近い生活保護の申請にも付き添いました。

生活保護の制度は、着実に人の命を支えてきました。米国などと比較すると、どのような貧困にも対応できる公的な扶助制度をもつ社会の強みを実感しています。

改善点は、生活を立て直すために一時的に利用しやすくすることです。子どものアルバイト代を収入と認定して生活保護費を減らすことを控えたり、地域性や個別の事情に応じて車の所有を認めたりすることも検討すべきです。

雇用条件が厳しくなり、人権が保障される水準が低くなっている状況を改善しながら、「命の最後の砦(とりで)」をしっかり守っていく必要があります。(聞き手・北郷美由紀)

【2017年3月6日】 デモクラシータイムスで池田香代子さんと対談しました。

メディア掲載 日々のできごと

ネット番組の「デモクラシータイムス」で、池田香代子さんとの対談を行ないました。

ハウジングファーストとカフェ事業について詳しく説明をしています。ぜひご覧ください。

 

現在、つくろい東京ファンドでは、住まいを得た生活困窮者の「仕事」と「居場所」をつくるためのカフェを開設する準備をしています。

クラウドファンディングサイトの「アップデート」コーナーではカフェができていく過程もご紹介しています。ぜひご覧ください。

「住まい」の次は「仕事」と「居場所」!ホームレス経験者が働く自家焙煎カフェを作りたい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)

【2017年3月1日】 greenz.jpにハウジングファーストに関するインタビュー記事が掲載

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ウェブマガジンgreenz.jpに稲葉のインタビュー記事が掲載されました。

つくろい東京ファンドが他団体と共に進めているハウジングファーストや、事業資金を集める上で活用しているクラウドファンディングについて語っています。

路上からアパートへ。クラウドファンディングで広がる「ハウジングファースト」が、ホームレスの人生を変える理由とは?

ぜひご覧ください。

 

記事の最後でも触れられていますが、現在、つくろい東京ファンドでは「住まい」を得た生活困窮者を支えるためのカフェを開設する準備をしています。カフェオープンに向けたクラウドファンディングも継続しているので、ぜひご協力ください。

「住まい」の次は「仕事」と「居場所」!ホームレス経験者が働く自家焙煎カフェを作りたい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)

 

 

【2017年1月24日】 小田原市ジャンパー問題申し入れに関する各メディアの報道

メディア掲載 日々のできごと

1月24日(火)、小田原市の「保護なめんな」ジャンパー問題について、私を含む生活保護問題対策全国会議のメンバーが小田原市役所を訪れ、担当者との意見交換を行ないました。

同会議は1月20日(金)付けで小田原市に公開質問状を提出しており、2月末までに書面での回答を求めています。

生活保護問題対策全国会議ブログ:小田原市長宛てに公開質問状を提出しました

意見交換の場で、小田原市の保健福祉部長は、2月末までの書面回答を約束した上で、外部の人も入れた検証委員会を設置するつもりであること、研修を強化するなど再発防止策を徹底することなどを表明しました。

その後、行われた記者会見では多数のメディアが取材に来ていました。
以下に主な報道をご紹介します。

申し入れと記者会見の内容について、詳しく報じたのはハフィントンポストと弁護士ドットコムです。

ハフィントンポスト:生活保護「なめんな」ジャンパーは「構造的な問題」 小田原市に支援者ら申し入れ

弁護士ドットコムニュース:「保護なめんな」問題、小田原市に再発防止要望「見えないジャンパー」全国拡大に懸念

NHKも報道していますが、この問題で一貫して、「保護なめんなジャンパー」を「不正受給許さないジャンパー」と表現している点に私は疑問を持っています。

NHK:“不正受給許さない”ジャンパー 調査など申し入れ

東京新聞と朝日新聞は、私が指摘した小田原市ホームページの記載の問題についても触れています。

東京新聞:生活保護ジャンパー問題 小田原市に苦情900件超

朝日新聞:「保護なめんな」問題、職員の人権研修へ 小田原市方針

また、生活保護問題対策全国会議のメンバーとして一緒に申し入れに参加した雨宮処凛さんが「マガジン9」の連載コラムで、この問題について書かれています。非常に重要な指摘をされていますので、ぜひご一読ください。

生活保護バッシングと役所バッシングの5年周期〜「保護なめんな」ジャンパー問題に思う〜の巻-雨宮処凛がゆく!

 

関連記事:【改善させました!】「保護なめんなジャンパー」の小田原市ホームページは制度を利用させない「仕掛け」が満載だった。

 

【2016年11月18日】 「『まず住まい』のホームレス支援 民間団体が試み」 ハウジングファーストの紹介記事が朝日新聞に掲載

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2016年11月18日付け朝日新聞東京都内版に、ハウジングファースト東京プロジェクトの紹介記事が掲載されました。稲葉のコメントも出ています。

http://www.asahi.com/articles/ASJC245XLJC2UTIL01Q.html

東京)「まず住まい」のホームレス支援 民間団体が試み

2016年11月18日03時00分

 

路上生活者(ホームレス)の支援は安定した住まいの確保から――。欧米で採り入れられている「ハウジングファースト」という考えに基づき、民間の支援団体が豊島区でモデル事業に取り組んでいる。ホームレスの自立生活をめざす新たな試みだ。

豊島区の住宅街にある木造2階建てのアパート。5畳ほどの広さの部屋に男性(65)は7月から住む。ベッドや冷蔵庫、テレビ、エアコンが備えられ、食事は炊飯器でご飯をたき、コンビニなどでおかずを買う。男性は「ちゃんとした部屋で暮らすのは15年ぶりくらい。快適です」と笑う。

千葉県の漁師町で生まれ育った。バブルの真っ盛りに上京し、日雇いの建築現場で働いた。だが、50歳代に入ると、仕事は激減。公園などで寝泊まりし、池袋や新宿、上野を転々とするようになった。「女房とも別れ、ホームレスの世界にどっぷりつかった」

男性の住まいは、ホームレス支援や医療関係の6団体で構成する「ハウジングファースト東京プロジェクト」が用意した。空きアパート1棟(4室)を丸ごと借り、男性らに転貸している。家賃は生活保護の家賃補助を充てる。

敷金や家電製品の購入などの初期費用は、インターネットで小口の寄付を募るクラウドファンディングで調達した。9月末までに目標の100万円を上回る約144万円が集まった。

「従来型の支援ではホームレス問題の解決につながらない」。モデル事業の住宅支援部門を担う「つくろい東京ファンド」の代表理事で、立教大特任准教授の稲葉剛さん(47)は言う。

首都圏のホームレス支援は、まず民間宿泊所(無料低額宿泊所)などに一時的に入居するのが一般的だ。しかし「貧困ビジネス」と言われる劣悪な環境の施設も多く、自立の前に再び路上生活に戻るケースが目立つという。「いじめられたり、人間関係のトラブルに巻き込まれたりといったことも多い。精神疾患や知的障害がある場合はなおさらだ」と稲葉さんは話す。

男性も都内の民間宿泊所に入ったことがあるが、路上生活に戻った。「人間関係の風当たりが強く、命が縮まる思いがした。ああいう場所には帰りたくない」と言う。

そこで、安心して暮らせる住まいの確保を最優先にした今回の事業を始めた。精神疾患や知的障害がある人が主な対象。1990年代に米国で始まり、欧州などでも採用されている「ハウジングファースト」と呼ばれる考え方だ。

男性ら入居者の元にはソーシャルワーカーらが定期的に訪れ、日常生活を総合的に支援し、数カ月後の自立をめざす。

稲葉さんは「行政は最初からアパートに入居させることに消極的だが、施設の環境に耐えかねて脱落してしまう今のやり方ではムダが多い。発想の切り替えが必要なのではないか」と話す。プロジェクトが運営する部屋は現在、豊島区内に7室。少しずつ増やしていきたいという。(武井宏之)

※つくろい東京ファンドのウェブサイトは、こちら。ぜひご覧ください。

【2016年10月22日】 『SYNODOS』にインタビュー記事が掲載

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2016年10月22日、ウェブマガジンの『SYNODOS』に稲葉のインタビュー記事が掲載されました。

以下のタイトルをクリックすると、リンク先でご覧いただけます。

 

【SYNODOS】告発だけではダメ? 貧困問題の解決方法/『貧困の現場から社会を変える』著者、稲葉剛氏インタビュー 

 

関連記事:『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)が増刷!朝日新聞に書評も掲載されました。

 

【2016年9月23日】 「低所得者に住宅 自立支援」 ハウジングファーストの紹介記事が毎日新聞に掲載

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2016年9月23日付け毎日新聞朝刊の「くらしナビ・ライフスタイル」欄に、「低所得者に住宅 自立支援」という記事が掲載されました。

稲葉が代表を務める一般社団法人つくろい東京ファンドの活動とクラウドファンディングが紹介されています。

 

http://mainichi.jp/articles/20160923/ddm/013/100/005000c

 低所得者に住宅 自立支援

生活困窮者や路上生活者のために住まいを確保しようという動きが進んでいる。民間団体がアパートを借り上げて困窮者に提供する「ハウジングファースト」活動を実施。国も低所得者らのセーフティーネットとして空き家を活用できないか検討中だ。

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●路上生活戻る例も

従来は施設や病院への収容が中心だったが、相部屋で人間関係がうまくいかなかったり、結局、路上生活に戻ったりする例が出ていた。ハウジングファーストでは、まず安定した住まいを提供したうえで、医療や福祉の専門家が支えていく。1990年代に米国で始まり、欧州にも広がった。しかし、住宅購入を促進する「持ち家政策」がとられてきた日本では、低所得者向けの賃貸住宅が少なく、公営住宅の倍率も高いため、住まいの対策はなかなか進んでいなかった。

このため、生活困窮者の支援団体が中心となって2014年に「一般社団法人つくろい東京ファンド」(稲葉剛代表理事)を設立。東京都中野区のアパートを借りて、路上生活者やネットカフェ難民らを支援する個室シェルターを開設した。一時的に住宅を提供し、自立へとつなげる。これまで約60人が利用したほか、新宿区や墨田区などにも施設を設置した。

●仕事探しにも利点

中野区のシェルターで暮らす派遣社員の男性(42)は、仕事が切れたためシェアハウスの家賃が払えなくなり、追い出されてシェルターを利用。その後、東京都の自立支援センターに移り、一度はアパートに入ったが、再び職がなくなり、ネットカフェ難民となったあと戻ってきた。男性は「雨露をしのげ、屋根があるところに暮らせるかどうかで天国か地獄になる。仕事探しのうえでも住所があるのは大きい」と話す。さらに、施設の集団生活でない点について「自分の好きな時間に風呂に入れたり、食事を作れたりすることも大きい」と歓迎する。

この活動の延長線上で、豊島区ではアパートを丸ごと借り上げた「ハウジングファースト東京プロジェクト」が始まっている。契約時に必要となる敷金・礼金などの資金をインターネットで募るクラウドファンディングを9月末まで続行中。稲葉さんは「低収入で自分の家は夢のまた夢という人が増えている。ネットカフェや路上と施設を行き来させるのでなく、住宅のセーフティーネットが必要だ」と訴える。市民団体「住宅政策提案・検討委員会」の14年の調査では、年収200万円未満の20〜30代の若者の77・4%が親との同居を余儀なくされている。独立して住居費を払うのは困難だからだ。今後、親の高齢化が進めば、老朽化した住宅の修繕も難しくなり、相続税が払えず手放さざるを得ないケースが多発すると予想される。

●空き家の活用検討

一方、国土交通省の「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」は、低所得の高齢者についても、賃貸住宅の大家が家賃滞納や孤独死のリスクから入居を拒むケースがあると指摘。さらに、生活保護受給世帯を著しく狭い住宅に住まわせて不当な利益を得る「貧困ビジネス」の存在も問題視している。

検討会では、公営住宅は建て替え優先で大幅な増加が見込めない一方、民間の賃貸住宅も供給が進んでいないと分析。空き家や民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティーネットの強化策を議論した。今後は住宅情報を都道府県または市町村に登録する仕組みを作り、家賃負担が困難な世帯には比較的低家賃が期待できる空き家の活用を促す。住宅改修や家賃の低廉化のために、地域の実情に応じて自治体が支援する仕組みも作れるようにする。

9月5日には国会内でシンポジウムが開かれ、低所得者対策に取り組んでいる韓国・ソウル市住宅供給公社の担当者も参加した。ソウル市では住宅費補助のほか、団地内の作業場を活用した雇用創出にも取り組んでいるという。担当者は「仕事がないと家賃が払えないので自分たちで働いて住めるようにしている」と説明した。ミニ図書館をベースにしたコミュニティー作りもしているという。住宅を確保した後に、どのような支援ができるかは、日本でも課題になりそうだ。【柴沼均】

 

※ハウジングファーストの実現をめざすクラウドファンディングは、9月30日までおこなっています。引き続き、ご協力をお願いいたします。詳細は下記をクリックしてください。

路上からアパートへ!東京・池袋でハウジングファーストを実現したい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)

 

関連記事:【2016年8月29日】 「路上生活者に『まず住まいを』」 ハウジングファーストの紹介記事が東京新聞に掲載

関連記事:「空き家活用+家賃補助」の新たな住宅セーフティネット整備へ! 

【2016年8月24日&28日】 つくろい東京ファンドの活動を紹介した記事がハフィントンポストに掲載

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稲葉が代表を務める一般社団法人つくろい東京ファンドの活動を紹介した記事が2本続けて、ハフィントンポストに掲載されました。

記事を書いてくださった松岡宗嗣さん、望月優大さん、ありがとうございました。

下記をそれぞれクリックしてください。

空き家で貧困を解決する!?「ハウジングファースト」とは(松岡宗嗣)

情報発信主体としてのNPOのポテンシャル(望月優大)

 

関連記事:「路上生活者に『まず住まいを』」 ハウジングファーストの紹介記事が東京新聞に掲載

 

 

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