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【2017年9月2日】東京新聞特報面に秋田・横手のアパート火災に関するコメント掲載

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2017年9月2日付け東京新聞朝刊の特報面記事「秋田・横手のアパート火災 生活困窮者の受け皿失う 住宅確保『国が責任を』に稲葉のコメントが掲載されました。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017090202000146.html

秋田・横手のアパート火災 生活困窮者の受け皿失う 住宅確保「国が責任を」

秋田県横手市のアパートで5人が死亡し、10人が重軽傷を負った火災は、生活困窮者の住まいのあり方を問いかけている。アパートには、精神障害者や生活保護受給者が多く入居していたからだ。政府が「施設から地域へ」と旗を振る中、自立を目指す障害者らの受け皿になっていた。発生から約10日が過ぎたが、焼け出された入居者の行き場は確保されておらず、アパート再建のめども立っていない。火災現場や関係者を訪ね歩き、今後の課題を検証した。 (白名正和、佐藤大)

(中略)

生活困窮者の住宅支援に取り組む一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事で、立教大特任准教授(居住福祉論)の稲葉剛氏は、横手での「民間の善意」を評価する傍ら、その限界も指摘する。「背景には、精神障害者や単身の高齢者、元ホームレスが部屋を借りようとする時、入居差別に遭うことが多いという現状がある。各地で民間の方々が創意工夫をして物件を確保しているが、どうしても古い木造住宅になってしまう。防火対策を施したとしても、火事が起きれば拡大しやすい」

「施設から地域へ」の理念はもっともらしく聞こえるが、ともすれば地域任せになりかねない。稲葉氏は「住宅確保は自己責任という考え方はいまだに根強い」と危惧する。

「本来なら、国が公営住宅を確保することなどが求められている。国の責任ですべての人が安心で安全な住宅を確保できる、という政策に変えていくべきだ」

 

関連記事:【2017年6月4日】信濃毎日新聞社説「住まいの貧困 人間の尊厳守るために」にコメント掲載

【2017年9月1日】朝日新聞「平成とは プロローグ:5」にコメント掲載

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2017年9月1日付け朝日新聞朝刊「(平成とは プロローグ:5)郵便受けの500円、細いつながり」(名古屋報道センター・斉藤佑介記者)に、稲葉のコメントが掲載されました。平成の30年を貧困という視点から振り返ったコメントになっています。

稲葉のコメント部分は以下のとおりです。

http://www.asahi.com/articles/DA3S13112033.html

■「自己責任」が定着、声あげづらく

「つくろい東京ファンド」代表理事で、立教大特任准教授の稲葉剛さん(48)の話

平成は日本が貧困に正面から向き合わざるを得なくなった時代だ。ホームレスの餓死など1990年代の絶対的な貧困は減ったが、相対的な貧困は増えている。2015年の年収122万円の貧困線以下の人は15・6%で、6~7人に1人が貧困だ。政策的に非正規雇用が増やされ、貧困は若年世代にも広がった。昭和は一定の支え合いが機能したが、平成は自己責任論が広がり、生活保護バッシングなどでますます内面化されたため、声をあげづらくなった。

ただし貧困が問題だという認識は共有されつつあり、前向きに捉えたい。子どもの貧困や高等教育の無償化が政治で議論されるようになったのは隔世の感がある。経済的な貧困は国が対応すべきだ。人間関係の貧困は各地で広がる「こども食堂」のように、市民で担う方が豊かな関係を育むだろう。

【2017年8月27日】読売新聞にカフェ潮の路の紹介記事が掲載

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2017年8月27日付け読売新聞のコラム「医療、介護ー現場から」に、カフェ潮の路に取材した記事が掲載されました。

医療、介護ー現場から 記者メモ

ホームレス経験者が働くカフェが都内にできたと聞き、訪れた。連絡をくれたのは、住まいを中心に生活困窮者の支援を行う一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛さん。「女性の貧困とシェアハウス」をテーマにした2月の取材でお世話になった。

取材では、貧困対策に安心な住まいの確保が大切だと感じた一方、「それで十分だろうか?」との問いが残った。カフェを訪れたのは、それに対するヒントがあるかもしれないと思ったからだ。

4月にオープンした「カフェ潮の路」(東京都練馬区)は、西武新宿線沼袋駅から歩いて10分ほどの住宅街にある。改装した民家の1階はコーヒースタンド、2階がカフェ。かつて路上生活をしていた20~70歳代の6人が週1~2回、働く。時給は1000円だ。

7月から働く藤田貴洋さん(36)もその1人。
4年前、工場で派遣切りに遭った。貯金も尽き、2年ほど路上生活を続けた後、別な団体の支援を受けた。今はアパートで一人暮らし。「もう一度、フルタイムの仕事に就きたい」。カフェの客や仲間と接することは、そのためのリハビリになっているようだ。

稲葉さんは、「住まいの確保は大前提だが、それだけでは引きこもってしまう人もいる。働くことは、社会とのつながりを取り戻すことでもある」と話す。カフェは彼らの職場であると同時に、心を休める居場所でもある。

お金を持ち合わせない人のため、「お福わけ券」を設けた。財布に余裕のある人が「次に来る誰か」のために券を購入しておき、お金がない人はそれを使って飲食する。券は200円と700円の2種類。これまでに計約19万円分が売れ、地域の人たちがホームレスを理解する機会にもなっている。

始まったばかりの取り組みだが、「住まいの次」について、一つの答えを教えてもらった気がした。(板垣茂良)

※文中にある「お福わけ券」は、つくろい東京ファンドのオンラインショップでも購入できます。下記をクリックしてみてください。

http://www.tsukuroishop.tokyo/

 

 

【2017年6月14日】毎日新聞に夜回り活動に関する記事が掲載

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2017年6月14日付け毎日新聞に、つくろい東京ファンドの夜回り活動に取材した記事が掲載されました。稲葉のコメントも出ています。

https://mainichi.jp/articles/20170614/org/00m/010/006000c

Listening

<ホームレス自立支援法>延長へ 困窮、路上で屋内で ネットカフェの若者SOS

 

路上生活者の雇用や住居確保、全国的な実態調査を定めたホームレス自立支援法について、期限の2027年までの延長を定める改正案が13日、参院厚生労働委員会で可決され、14日の参院本会議で成立する見通しとなった。【西田真季子】

同法に基づき国が調べて確認した路上生活者は5534人(17年1月現在)。初調査(03年)の2万5296人から大幅に減少したが、依然として路上で厳しい生活を送っている人たちがいる。

12日夜、生活困窮者への支援やシェルター事業を行う一般社団法人「つくろい東京ファンド」(東京都中野区)の夜回り活動に同行した。同ファンドの代表理事、稲葉剛さん(47)は1994年から新宿区を中心に野宿者の支援活動に携わってきた。

午後8時前、稲葉さんはボランティア約20人と事務所を出発した。この日は、月1回行っている中野区での活動日。近くの公園に着くと、暗闇の中で大きな荷物を抱えて歩き回る初老の男性や、空き缶を集めたゴミ袋を手にベンチに座る60代ぐらいの男性などの姿が見えた。稲葉さんらはレトルト米やお菓子、支援先を書いたチラシなどが入った袋を、1人ずつ手渡して歩く。広場に横たわっていた30代前後の男性は「このところ、ずっと外で寝ている」と疲れた様子で話した。この日、稲葉さんらは6人に物資を配り、同9時過ぎ、夜回りを終えた。

稲葉さんは「20年の東京五輪の影響もあり、公園や道路の管理が厳しくなってホームレスの排除が進み、支援のアプローチも難しくなっている」と言い、実態調査やホームレスの人権への配慮を国の責務とする同法の延長を歓迎する。

一方で、同法はホームレスの定義を屋外生活者に限定しているが、路上以外にもホームレス状態の人は増えている。この日、ボランティアで参加した男性(30)は以前、ネットカフェなどで生活しており、所持金が数千円になった3カ月前に都内の炊き出しで同法人とつながった。現在は自立へ向けて、同ファンドのシェルターで暮らしている。稲葉さんは「路上生活の手前であるネットカフェや脱法ハウスなどに暮らす『ハウジングプア』状態の若年者の調査も必要だ」と指摘する。

■ことば

ホームレス自立支援法
2002年に10年間の時限立法として施行され、12年に5年間延長された。路上や公園、河川敷などで屋外生活をする人を「ホームレス」と定義し、全国調査と基本方針の策定を国に義務づけた。一時宿泊や巡回相談、アフターフォロー、自立支援センターなどを国の責務で実施してきた。施策の一部は15年4月施行の生活困窮者自立支援法に盛り込まれた。

 

※関連記事:【2017年4月12日】 毎日新聞「論点」欄にホームレス自立支援法に関する意見が掲載 

※関連記事:夜回りボランティア募集のお知らせ(2017年6月、7月) 

【2017年6月4日】信濃毎日新聞社説「住まいの貧困 人間の尊厳守るために」にコメント掲載

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2017年6月4日付け信濃毎日新聞の社説に稲葉のコメントが掲載されました。

 

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170604/KT170603ETI090001000.php

あすへのとびら 住まいの貧困 人間の尊厳守るために

生活に困窮した高齢者が行き場を失い、劣悪な居住環境の下で暮らすことを余儀なくされる―。北九州の古い木造アパートが燃え、6人が死亡した先月の火災は、“住まいの貧困”の現実をあらためて映し出した。

一昨年、川崎の簡易宿泊所で起きた火災では、11人が死亡している。日雇い労働者が集まる「寄せ場」に建てられた宿泊所が、生活保護を受けて暮らす高齢者の受け皿になっていた。

北九州のアパートも、実態は簡易宿泊所に近かったようだ。敷金も保証人も要らず、日割りの家賃で入居できた。住んでいた人の多くは生活保護受給者や日雇い仕事の収入で暮らす人だった。

惨事はほかにも相次いでいる。2011年には東京・大久保の木造アパートが燃え、単身の高齢者ら5人が亡くなった。09年、群馬の老人施設の火災では10人が死亡した。ずさんな運営の無届け施設に、東京の自治体が生活保護受給者を送り込んでいた。

<若者の状況も厳しく>

身寄りのない高齢者が住まいを探すのは難しい。家賃の滞納や孤独死を嫌って、入居を拒む家主や業者は多い。一方で、家賃が安い公営住宅は不足し、介護施設にも空きがない。

それが“貧困ビジネス”をはびこらせる土壌になっている。狭い部屋に押し込めて生活保護費を巻き上げる悪質な無料・低額宿泊所は典型だ。貧しい人たちが、宿泊所や無届けの施設に吹き寄せられている構造的な問題がある。

高齢者だけではない。「路上生活一歩手前の若者が少なくない」。困窮者を支援する「つくろい東京ファンド」の代表理事を務める稲葉剛さんは話す。

アパートの家賃が払えず、24時間営業のインターネットカフェなどで寝泊まりする人が非正規雇用の拡大とともに増えた。ブラック企業で過酷な労働を強いられて心身を病み、働けなくなって住む場所をなくす人もいる。

住まいを失うと、困窮から抜け出すのはなおさら難しくなる。人間関係が途切れて孤立しがちで、支援にもつながりにくい。

〈すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する〉―。憲法25条が定める生存権の保障には、人が暮らすにふさわしい住まいの確保が何よりも欠かせないはずだ。

けれども、そのための制度や政策は乏しい。最後の安全網である生活保護の住宅扶助さえ、政府は15年から基準額を引き下げた。生活困窮者自立支援制度の住居確保給付金は、対象が離職者に限られ、低賃金で働く若者や、働けない高齢者は利用できない。

より根本的な問題として、住宅政策が福祉政策として位置づけられてこなかったことがある。住宅は国土交通省、福祉は厚生労働省という縦割りの弊害も大きい。

<社会の土台が崩れる>

この国会で成立した「改正住宅セーフティーネット法」は、現状を変える一歩になるかもしれない。空き家や空き室を都道府県ごとに登録する制度を新たに設け、高齢者や低所得者、子育て世帯などの入居につなげる。

ただ、課題は多い。家賃負担を軽減する補助制度は条文に明記されなかった。住まいの貧困に陥った人を広く助ける仕組みにできるかは心もとない。自治体が主体的に取り組むかにもかかる。

住居は、人間の尊厳を守る基礎であり、社会の基盤である―。神戸大名誉教授の早川和男さんは著書「居住福祉」で述べている。

住居が劣悪では、高齢化社会を支える在宅福祉の充実はおぼつかない。安心して暮らせる住まいという土台なしに社会保障や福祉は成り立たない。地域社会の人のつながりも住居が核になる。

住まいの貧困は大都市圏だけのの問題ではない。地方でも住宅費の負担は重い。年老いて維持費用が賄えなくなり、壁がはがれ落ちた家に住み続ける人もいる。少ない年金の大半がアパート代に消える単身の高齢者の嘆きも聞く。

非正規雇用は拡大し、未婚率も上がり続けている。このままだと、単身で低年金、無年金の高齢者は大幅に増えていく。それに伴って、住まいの貧困は一層深刻な問題になるだろう。

一人一人の生きる権利を守ると同時に、社会を成り立たせていく基盤として、誰もが住む場所に困らないよう支える確かな仕組みをつくらなくてはならない。

福祉の観点から住宅政策を抜本的に組み直す必要がある。欧州各国は、住宅手当や家賃補助制度によって高齢者や低所得の人を支えてきた。学ぶことは多い。

国の制度や政策とともに、住民に近い自治体に何ができるか。貧困の実態をまずはつぶさに捉え、具体的な手だてを考えたい。

 

※関連記事:改正住宅セーフティネット法が成立!まずはハウジングプアの全体像に迫る調査の実施を!

【2017年4月21日】 朝日新聞に「カフェ潮の路」開店に関する記事が掲載

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2017年4月21日付け朝日新聞に、稲葉が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドが開設した「カフェ潮の路」に関する記事が掲載されました。

http://www.asahi.com/articles/ASK4N6VR1K4NUBQU010.html

ホームレス経験者が働くカフェがオープン

清川卓史 2017年4月21日06時00分

ホームレスを経験した人が働き、地域の人と交流できる場所をつくりたい――。そんな願いを込めた小さなカフェが東京都練馬区に18日、オープンした。フェアトレードの豆を自家焙煎(ばいせん)したコーヒーや本格カレーが味わえる。
名前は「カフェ潮(しお)の路(みち)」。一般社団法人「つくろい東京ファンド」(稲葉剛・代表理事)が、クラウドファンディングなどで集めた寄付金で開設した。民家を改修し、2階がカフェ、1階がコーヒースタンドになっている。

つくろい東京ファンドは2014年7月、空き家を利用した生活困窮者のための個室シェルター「つくろいハウス」を東京都中野区に開設し、住まいの確保や生活支援をしている。いまは都内4区に22部屋を用意。これまでに約50人が生活保護を利用するなどして一般のアパートに移った。

ただ、アパート入居後も地域で孤立しがちで、仕事を探そうにも高齢や障害のためフルタイム勤務は難しい人が多い。稲葉さんは「『住まい』の次は『仕事』と『居場所』が必要。それなら自分たちでつくろうという思いでカフェを立ち上げました。地域の方も高齢者もお子さんも集まれる、みんなの居場所にしていきたい」と話す。

カフェでは20~70代のホームレス経験者5人がスタッフとして働く。時給は1千円。その人の事情や体調に応じて柔軟な働き方ができる。さらに多くの人に呼びかけていくという。将来的には子ども食堂や学習支援にもカフェを活用していきたいとしている。

コーヒーは200円、日替わりランチ500円、カレー700円。シェフを務める同ファンドの小林美穂子さんは「カレーは3時間かけてつくっています。おいしいですよ」。お金がない人も足を運べるよう、余裕のある人が「次に来店する誰か」のために飲食代を前払いする仕組みも採用し、「お福わけ券」と名付けた。200円と700円の2種類がある。

見学会やプレオープン日には、かつて新宿駅の段ボールハウスで暮らしていたホームレス経験者も含め、稲葉さんの長年の知人が集まった。かつて日雇いで建築の仕事をしていたという男性(64)は「顔見知りが多いから、またコーヒー飲みに来ます。お店がはやるといいな」と話していた。

カフェは火、木の12~17時、コーヒースタンドは火~金の12~15時。今後営業日を増やしていきたいとしている。詳細は同ファンドのウェブサイト(http://tsukuroi.tokyo 別ウインドウで開きます)で。

【関連記事】ホームレス経験者が働く「カフェ潮の路」が沼袋にオープン!朝日新聞に紹介記事が掲載されました。

 

【2017年4月12日】 毎日新聞「論点」欄にホームレス自立支援法に関する意見が掲載

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2017年4月12日付け毎日新聞「論点」欄で、今年8月で期限切れを迎えるホームレス自立支援法の延長問題に関する特集記事が掲載されました。
NPO法人抱樸理事長の奥田知志さん、生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎さんとともに、稲葉の意見も掲載されました。

https://mainichi.jp/articles/20170412/ddm/004/070/027000c

新たな住居喪失者に対応を

稲葉剛・一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事

ホームレス自立支援法で言う「ホームレス」の定義は、屋外生活をしていて、路上、公園、河川敷などで寝ている人たち、外で寝ている人たちだ。だが、ホームレスをめぐる状況は、2000年代に入って大きく変化した。ネットカフェや友達の家にいるといった、広い意味での「ホームレス状態」にある人たちが生まれたのだ。ホームレス自立支援法は、こうした人たちに対処できていない。

1994年からホームレスの人たちの支援活動をしてきたが、03年秋、ネットカフェで暮らす若者から初めて相談を受けた。さらに、年収200万円以下の貧困層の若者から「アパートを失い、ネットカフェや友人宅で漂流しながら生活している」という相談が日常的に来るようになった。

ネットカフェ難民が問題になった時、厚生労働省はホームレス対策の枠内で動くことはできなかった。ホームレスの定義を拡大するのではなく、新たに「住居喪失不安定就労者」という定義を作って調査を始めた。しかし、調査を実施する根拠となる法律が存在しないため、調査が継続的に実施されないという問題が生じた。

東京都はネットカフェを規制する条例を作り、入場時の本人確認を義務づけたため、身分証を持てない人たちはネットカフェを利用できなくなった。ネットカフェにも泊まれなくなった人は「脱法ハウス」に移り、状況はさらに悪化した。

NPO法人「ビッグイシュー基金」が14年に行った調査によると、首都圏・関西圏に暮らす20代、30代の未婚で年収200万円未満の若者の6・6%が、ホームレスを経験していた。親と同居していないグループに限ると、13・5%にまで跳ね上がる。「住まいの貧困」は若年層に広がっている。

若者が貧困に陥る理由には、いくつかのパターンがある。一つは貧困の世代間連鎖だ。親が生活保護を受けている場合や、児童養護施設の出身で大学に進学できず、高校を中退したり、高卒で非正規の仕事に就きながら職を転々としたりして、最終的にホームレス状態になってしまう。もう一つは、最近だとブラック企業だ。大学を出て正社員として就職しても、長時間労働やパワハラなどが横行するブラック企業でうつを発症して働けなくなり、生活に困窮する人も出てきている。

住まいの貧困に陥る若年層は、収入や待遇が不安定な非正規雇用の人が多い。08年のリーマン・ショックでは「派遣切り」で仕事とともに住居を失った若者が多く生まれ、年越し派遣村も作られた。非正規雇用が雇用者の約4割に達し、社会状況は変化している。

若者はアルバイトや派遣社員として働けるうちは路上生活には陥らないが、安定した住まいを失う可能性は誰にでもある。だが、それに対応する法律や恒久的制度が存在しないのが問題だ。広い意味でのホームレス状態にある人たちを支援するには、現行法の定義を拡大して大幅に改定するか、生活困窮者自立支援法の中の居住支援を強化する制度改正が必要だ。

 

【関連記事】仕事さえあれば、貧困から抜け出せるのか?~生活困窮者自立支援制度の問題点

 

【2017年3月29日】 朝日新聞に生活保護に関するインタビュー記事が掲載

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2017年3月29日付け朝日新聞「耕論」欄に稲葉のインタビュー記事が掲載されました。

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http://www.asahi.com/articles/SDI201703292250.html

生活保護の底流に 稲葉剛さん、大竹文雄さん、田川英信さん

「なめんな」ジャンパーで注目された生活保護制度。不正受給への視線は厳しいが、必要でも受けられない人も多い。職員も貧困世帯も追い詰める、底流にある課題と解決の道は。

■権利なのに「恩恵」の意識 稲葉剛さん(つくろい東京ファンド代表理事)

全国の福祉事務所の職員たちは社会保障費抑制の重圧にさらされるなか、福祉の仕事の意義を見失いがちです。

不正受給をなくすことは大切ですが、生活保護全体の予算からすると約0・5%の問題です。深刻さでいえば、必要な人に届いているかどうかを表す捕捉率が2割程度にとどまることの方が大きな問題だと思います。

厚労省は各地の福祉事務所に警察官OBを配置することを進めてきました。その結果、困っている人に手を差し伸べるべき窓口で、来訪者に疑いの目を向けがちな人が対応するということも起きています。

生活保護制度の利用は本来、憲法が保障する生存権にもとづくものです。けれども日本社会では社会保障は権利ではなく、恩恵と捉えられがちです。そうした意識があるところに、働いても生活が苦しい人たちが増えたため、生活保護に対するバッシングが起きやすくなっています。

そもそも受給者は就労を免除されているわけではありません。働ける人は働き、基準額に満たない分を保護費として受け取っています。資産の保有は制限され、福祉事務所の指導や指示に従う義務があります。

問題は、貧困対策の一部であるはずの生活保護が、活用できる唯一の施策となっていることです。生活困窮者自立支援法で窓口ができましたが、つなぐ先が生活保護しかないというのが現状です。

有効な政策として注目しているのが、空き家を活用した住居支援です。折しも「住宅確保要配慮者に対する供給促進法」(住宅セーフティーネット法)の改正案が閣議決定されましたが、家賃を低くおさえる措置が条文に入っていません。年度ごとに予算をつける形では、安全網は十分に機能しません。修正を求めていきたいです。

豊かな国のはずの日本で、路上で死ぬ人たちがいる。その現実に驚き、1990年代半ばからホームレスの人たちの支援にかかわっています。貧困問題の可視化に取り組みながら、3千件近い生活保護の申請にも付き添いました。

生活保護の制度は、着実に人の命を支えてきました。米国などと比較すると、どのような貧困にも対応できる公的な扶助制度をもつ社会の強みを実感しています。

改善点は、生活を立て直すために一時的に利用しやすくすることです。子どものアルバイト代を収入と認定して生活保護費を減らすことを控えたり、地域性や個別の事情に応じて車の所有を認めたりすることも検討すべきです。

雇用条件が厳しくなり、人権が保障される水準が低くなっている状況を改善しながら、「命の最後の砦(とりで)」をしっかり守っていく必要があります。(聞き手・北郷美由紀)

【2017年3月6日】 デモクラシータイムスで池田香代子さんと対談しました。

メディア掲載 日々のできごと

ネット番組の「デモクラシータイムス」で、池田香代子さんとの対談を行ないました。

ハウジングファーストとカフェ事業について詳しく説明をしています。ぜひご覧ください。

 

現在、つくろい東京ファンドでは、住まいを得た生活困窮者の「仕事」と「居場所」をつくるためのカフェを開設する準備をしています。

クラウドファンディングサイトの「アップデート」コーナーではカフェができていく過程もご紹介しています。ぜひご覧ください。

「住まい」の次は「仕事」と「居場所」!ホームレス経験者が働く自家焙煎カフェを作りたい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)

【2017年3月1日】 greenz.jpにハウジングファーストに関するインタビュー記事が掲載

メディア掲載

ウェブマガジンgreenz.jpに稲葉のインタビュー記事が掲載されました。

つくろい東京ファンドが他団体と共に進めているハウジングファーストや、事業資金を集める上で活用しているクラウドファンディングについて語っています。

路上からアパートへ。クラウドファンディングで広がる「ハウジングファースト」が、ホームレスの人生を変える理由とは?

ぜひご覧ください。

 

記事の最後でも触れられていますが、現在、つくろい東京ファンドでは「住まい」を得た生活困窮者を支えるためのカフェを開設する準備をしています。カフェオープンに向けたクラウドファンディングも継続しているので、ぜひご協力ください。

「住まい」の次は「仕事」と「居場所」!ホームレス経験者が働く自家焙煎カフェを作りたい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)

 

 

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