日々のできごと

”生きる”を支える人を応援するメディア「マチバリー」が始まりました!

日々のできごと

7月19日、”生きる”を支える人を応援するメディア「マチバリー」が始まりました!

「マチバリー」は、稲葉が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドが運営するニュースサイトです。

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「マチバリー」では、首都圏で生活困窮者支援に関わる団体や個人の活動や思いを記録し、分かりやすい形で発信します。
また、生きづらい社会の中で新しい生き方を実践している人や、今現在様々な意味で困窮状態にある人、その状態にある人をお手伝いしたい人、それぞれをマッチングさせる情報を幅広くお伝えしていきます。

「マチバリー」では、すでに動画やレポート、インタビュー記事をアップしており、今後も続々とコンテンツを増やしていきます。ぜひブックマークをお願いいたします。

以下は、主なコンテンツのご紹介です。

「非効率だからこそ、誰も取り残さない空間」:のじれん・室田大樹さんが語る「渋谷の真ん中で野宿の仲間と野菜を刻みつつ紡ぐ自由」

【のじれん】ボランティアって何やってるの?~のじれん編【参加してみた】

【前半】「私が新宿ダンボール村に足を踏み入れた頃」講演:稲葉剛(ほっとプラス記念講演 生活困窮者支援の過去と未来)

【後半】「ソーシャルアクションを意図的にしかけていこう」対談:藤田孝典さん・稲葉剛(ほっとプラス記念講演 生活困窮者支援の過去と未来)

【前編】「1年で結果を出せなかったらあきらめようと思ってた」流しのマンガ描き・さいきまこさんが語る「私の綱渡りまんが道」

【後編】「この声は絶対、拾わなければ」流しのマンガ描き・さいきまこさんが語る「私の綱渡りまんが道」

 

9月13日(日)にシンポジウム『伝わりにくいものをどう伝えるか?~貧困とメディアと私たち~』を開催!

また、「マチバリー」開設を記念して、9月13日(日)にシンポジウムを開催いたします。
以下はシンポジウムの概要です。詳細が決まりましたら、またお知らせします。

 

『伝わりにくいものをどう伝えるか?~貧困とメディアと私たち~』

「マチバリー ~”生きる”を支える人を応援するメディア」スタートに伴い、関連シンポジウムを開催します。

閉塞感を増す日本社会。
その中で、貧困や差別・排除などの問題は深刻さを増しているにも関わらず、なかなか世論へ本質的な理解が深まっていきません。
未だ単純な誤解に基づいた偏見が、ネットを中心に広がっている現実があります。

そうした中で、メディアはどのような役割を果たすことができるのでしょうか。

本シンポジウムでは、様々な立場でメディアに関わり、それぞれのやり方で「伝わりにくいもの」を問題提起してきた方々をお招きして、現状の課題の整理と、今後よりよく伝えるための方法を、一緒に発見する機会に出来ればと考えています。

●シンポジスト
水島宏明さん(法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター)
遠藤大輔さん(ビデオジャーナリスト・ビデオジャーナリストユニオン代表)
稲葉剛さん(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事・NPOもやい理事・立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授)
(その他ゲスト交渉中)

●日時
9月13日(日) 開場:13時30分 開始:14時(16時30分 終了予定)

●料金
無料

●会場
東京しごとセンター 5階 セミナー室
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋3丁目10番地3号
地図は、こちら。

・飯田橋駅から
JR中央・総武線「東口」より徒歩7分
都営地下鉄大江戸線・東京メトロ有楽町線・南北線「A2出口」より徒歩7分
東京メトロ東西線「A5出口」より徒歩3分

・水道橋駅から
JR中央・総武線「西口」より徒歩5分

・九段下駅から
東京メトロ東西線「7番出口」より徒歩8分
東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄新宿線「3番出口」より徒歩10分

CRIMELESS 事業検討委員会の委員として「意見書」を発表しました。

日々のできごと

今年3月、大阪でホームレス支援を行なってきたNPO法人Homedoorが「GPSによる治安維持とホームレス雇用の両立」(CRIMELESS事業)というアイデアでGoogleインパクトチャレンジのグランプリを受賞したことは、関係者の間で大きな議論を呼び起こしました。

防犯の見回りを実施するにあたり、事業の従事者に危険が及ぶのではないか、一般市民から情報を集めることにより監視社会の助長につながるのではないか、といった懸念や批判が多くの個人や団体から寄せられました。

そのため、NPO法人Homedoorは、今年4月、CRIMELESS事業を再考するための第三者機関として検討委員会を立ち上げました。私もこの事業には懸念を抱いており、事業の見直しを促したいと思い、委員の一人として検討委員会の議論に参加しました。

 CRIMELESS事業について検討委員会を開催することになりました(NPO法人Homedoor)

検討委員会は議論を重ねた結果、「防犯」を事業目的として掲げる以上、根本的な問題点を払拭できないことを指摘し、「防犯」に関わる事業を実施しないよう、Homedoor事務局に勧告しました。

しかし、本日7月22日、Homedoorは「Google インパクトチャレンジ受賞事業について」というウェブサイト上のリリースで、事業を一部手直ししながら「防犯」事業を実施することを表明しました。

表明された方針では、「犯罪数の減少等の目標を掲げることは行わず、地域への貢献活動としての見守り活動を主目的としていくこと」が述べられています。

個人的には「犯罪数の減少等の目標」を設定しないという点は評価したいと思いますが、「防犯」事業そのものを撤回すべきだという検討委員会の結論が反映された内容にはなっていません。

検討委員会は委員全員の連名で以下の「意見書」を発表しました。ご参考にしてください。

私個人としては事業の抜本的な見直しを実現したいと思って委員会に参加していただけに、力不足を痛感しています。

Homedoor事務局の決定が残念でなりません。

 

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意 見 書

2015年7月2 2 日

CRIMELESS 事業検討委員会

委 員 生 田 武 志
同 稲 葉 剛
同 木 原 万樹子
同 徳 武 聡 子
同 中 桐 康 介
同 福 原 宏 幸

今般 、N P O 法 人 Homedoor が 、Google インパクトチャレンジでグランプリを受賞した事業について、正式に事業開始することを決定したとの報告を受け、上記事業検討委員としては、下記のとおり、意見を表明いたします。

1 見直し後も事業に伴う危険が存すること

市民の声をもとに防犯パトロールを行った場合、誤解や偏見にもとづく通報がなされる危険性があり、 現に野宿生活を強いられている人達を排除する結果をうみかねません。

2 当事者に対する配慮が欠けること

上記事業が 「防犯」を標榜する以上、大きなトラブルにまき込まれる可能性はあり、放置自転車対策活動に従事していた当事者にとって、予想外の危険な活動に当事者をまきこみかねません。

3 検討委員会の議論が反映されていないこと

以上の問題点をはらんでいることは、検討委員会において再三指摘し、 Homedoor としても、いったんは「防犯」事業の中止を表明しておられました。
にもかかわらず、 当初事業案を撤回せず、事業開始を決定されたことは、 遺憾であるといわざるを得ません。

以 上

それぞれの場所で「アベ政治を許さない」と意思表示することの大切さ

日々のできごと

2015年7月18日午後1時、作家の澤地久枝さんの呼びかけで、全国各地いっせいに「アベ政治を許さない」というポスターが掲げられました。

朝日新聞デジタル:「アベ政治を…」あの筆文字プラカード、コンビニで拡散

澤地さんのページでは、事前に「ここでやります」という情報が掲載してありました。私は当日、立教大学大学院での授業の帰りだったので、つれあいと合流して池袋西口の芸術劇場前に行ってみました。

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12時50分くらいに芸術劇場の前に行ってみると、数人の方が来られていたので、声をかけてみました。皆さん、呼びかけを知って、個人で集まってこられた方のようで、特に仕切り役がいる感じでもありません。

手にポスターを持っている人が集まりつつあるのを見て、芸術劇場のガードマンが近寄ってきて、「ここの敷地内ではやらないでください」とやんわりと言われました。

隣接する池袋西口公園では「フラフェスタ」が盛大に行われていて、そっちに行ける感じでもありません。

皆さん、「どうしたものか」という感じになっていたので、私から芸術劇場と歩道の境界あたりに移動することを提案して、そちらに移動しました。ちょうど、バス停の前あたりなので、バスを待つ人やバスに乗っている人からもよく見える場所です。

「こういうときは敷地の管轄が分かれるキワキワのところに行くのがいいんですよ」と玄人っぽいことを言ったのですが、あとでよく考えると、これは野宿の人たちから教わった知恵でした。

 

Twitterで@webeholdyou0608 さんから送っていただいた写真

Twitterで@webeholdyou0608 さんから送っていただいた写真

 

途中から参加した人もいて、入れ替わりも含めて、二十数名が参加しました。拡声器も、コールもなく、それぞれが自分のいられる時間だけスタンディングをする、という形になりました。写真を見るとわかりますが、向いている方向もバラバラですね(笑)。これはそれぞれが効果的だと思った方向を向いているからでしょう。

参加されている方数人とお話ししましたが、それぞれ個人で来られた方でした。街頭で意思表示をするのは初めて、という方もいらっしゃいました。

「国会前で大勢で集まるのも大切だけど、それぞれの場でブツブツと言って意思表示をするのも大事ですよね」「澤地さんはそういうことを呼びかけたかったんじゃないかな」という話になりました。

この日は全国のほとんどの都道府県でアクションが行われたようです。一人で玄関のドアや車にポスターを貼り出した人、街頭でのアピールや集会を企画した人など、いろんな形があったようですが、個々人がそれぞれの場所で意思表示をすることの大切さを改めて感じました。

与党の政治家からは安保法制反対の運動は一過性のブームで終わる、と揶揄し、そのことを期待をするような発言が続いていますが、一人ひとりの個人が自分の頭で考えて行動するということをそれぞれの場所で積み重ねていけば、ブームで終わることのない社会運動をつくることができるはずです。

それこそが民主主義を取り戻すための一番大きな力になると私は信じています。

 

※今後のアクションに関する情報はこちらで。

日本全国デモ情報(マガジン9)

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

自由と民主主義のための学生緊急行動

さいきまこさんの新作漫画『神様の背中~貧困の中の子どもたち~』刊行!

日々のできごと 書評・関連書籍

生活保護をテーマにした漫画『陽のあたる家』で知られるさいきまこさんの新作『神様の背中~貧困の中の子どもたち~』が発売されました。

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今回のテーマは子どもの貧困で、前作に引き続き、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいが取材協力団体に名前を連ねています。

ぜひ多くの方に読んでいただければと願っています。

 

以下は著者のさいきまこさんからのメッセージです。

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生活保護などを題材にした漫画を描いております、さいきと申します。

前作『陽のあたる家 ~生活保護に支えられて~』に続く新刊
『神様の背中 ~貧困の中の子どもたち~』が発売されましたので
ご案内させていいただきます。

本作は、サブタイトルの通り「子どもの貧困」を切り口にしています。
6人に1人という困窮家庭の子どもたちの危機的状況とその要因を
可能な限り盛り込み、背後にある「貧困の連鎖」「雇用環境の劣化」
「自己責任論とスティグマ」などにも言及しました。

貧困に苦しむ子どもたちの状況は、いまだ世間に広く知られているとは
言いがたく、「この豊かな日本に、困窮している子どもなど本当にいるのか」
という認識を持つ人たちも少なくありません。
子どもたちの、そして親御さんたちの危機的な状況が広く知られる
きっかけとなれば、と願って取材・制作しました。
ご一読いただき、ご意見やご感想をいただければ幸いです。

下のURLからamazonなどのネット書店に飛べます。
http://www.akitashoten.co.jp/comics/4253106412

書店は大型店舗でないと置いていないかもしれませんが、お近くの書店で
書名と出版社名を伝えれば取り寄せをしてもらえます。

どうぞよろしくお願いいたします。

さいき まこ

『若者の貧困・居場所・セカンドチャンス』が刊行されました。

日々のできごと 書評・関連書籍

このたび、青砥恭+さいたまユースサポートネット編『若者の貧困・居場所・セカンドチャンス』が太郎次郎社エディタスから刊行されました。

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この本は、さいたま市を中心に社会に居場所をなかなか見つけられない若者や子どもへの支援活動を展開するNPO法人さいたまユースサポートネットが主催した連続講座やシンポジウムの内容をまとめた書籍で、私も「若年ホームレス問題と生活保護」に関するパートを担当しています。

ぜひご一読ください。

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『若者の貧困・居場所・セカンドチャンス』
青砥恭 編 さいたまユースサポートネット 編

発行日 2015年06月発行
判型 四六判
頁数 240ページ
価格 本体2000円+税
ISBN ISBN978-4-8118-0782-9
Cコード C0036

内容
このままでは若者が「国内難民化」する?!

貧困家庭の子ども325万人(6人に1人)、好転しない不登校・ひきこもり、高校中退者はこの10年で100万人超。若年無業者が増加している。学生でも社会人でもない不安定な10代・20代。使い捨てられて無業となる30代。変わらなければならないのは、「若者」だろうか?

学校が育ちの場にならず、企業社会にはイスがない。従来型ライフコースからはずれていく多くの若者を、だれが、どこで、どのように支えているのか。

「学び直し」「居場所づくり」「就労支援」を実現する貧困研究の生きた知見と、先進的な実践者が集い、安心して普通に生きられる社会へのモデルを指し示す。

執筆者
稲葉剛〈若年ホームレス問題と生活保護/NPO法人自立生活サポートセンター・もやい〉
黒田安計〈発達障害への視点/さいたま市保健福祉局保健部〉
才門辰史〈非行少年のリ・スタート/NPO法人セカンドチャンス!〉
関口昌幸〈コミュニティビジネスと行政/横浜市政策局〉
津富宏〈就労支援・静岡方式/静岡県立大学教授〉
中西新太郎〈居場所論/横浜市立大学名誉教授〉
松田考〈就労支援と連携/札幌市若者支援総合センター〉
宮本みち子〈若者政策/放送大学副学長〉
山野良一〈子どもの貧困対策/千葉明徳短期大学教授〉

目次
【序】子ども・若者支援がめざすもの
「高校中退」から「セカンドチャンス」へ●青砥恭

【第1部】現場でいかす
[現場のための「生活保護」入門]私たち自身のまなざしが問われている●稲葉剛
[現場のための「発達障害」入門]子どもの特性を医療の視点から理解する●黒田安計
[現場のための「相対的貧困率」入門]相対的貧困率と子どもの貧困対策法を考える●山野良一

[コラム]生きる場所はどこに①──自己責任論を超えて●戸高七菜

【第2部】現場からはじまる
[市民が伴走する地域若者サポートステーション◎静岡方式]働きたいけれども働けない若者たちと●津富 宏+池田佳寿子
[学校と社会のすきまを埋める支援ネットワーク◎札幌]新規の来談、毎月40名●松田考
[少年院を出た若者たちのネットワーク]セカンドチャンスを支える 少年院出院者として●才門辰史
[地域でサービス、モノ、カネ、ヒト、情報がまわる仕組み◎横浜]就労支援から地域経済の再生へ●関口昌幸

[コラム]生きる場所はどこに②──子ども・若者の貧困と格差が日本社会に突きつけたもの●青砥恭

【第3部】視点をひらく
[日本の現実と各国の若者政策]若者が自立できる環境をどうつくるか●宮本みち子
[普通に安心して働くことが困難な時代に]居場所という〈社会〉を考える●中西新太郎
[問題提起を受けてのトーク]見えてきた課題と新しい社会のモデル●松田考+宮本みち子+関口昌幸+中西新太郎+青砥恭

著者紹介
青砥恭(あおとやすし)
NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事。1948年生まれ。元埼玉県立高校教諭、現在、明治大学・埼玉大学講師。子ども・若者と貧困、自立…続きを読む
さいたまユースサポートネット(さいたまゆーすさぽーとねっと)
2011年設立。高校を中退、通信制高校生、不登校や引きこもりを経験、障害で生きづらさを感じている子ども・若者など、この社会に居場所がなかなか見つからない子ども・若者たちを無償で応援するNPO法人。

【つくろいハウス】屋上にミニ菜園が誕生!

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個室シェルター「つくろいハウス」の入っているビルの屋上にミニ菜園ができました。

入居者のうち、最高齢のKさんが「屋上にプランターを設置して、植物を育てたい」とスタッフに要望。ゴールデンウィークにプランターや土を買ってきました。

何を育てるか、話し合った結果、やはり実用も兼ねてトマトやキュウリ、ピーマンを植えることに。

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Kさんが丹精込めて育てた野菜は、初夏の陽気の中ですくすく育ち、一部は早くも収穫の時期を迎えています。

収穫した野菜は、月1回、みんなでおこなっている食事会でも使わせていただく予定です。

 

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そんな野菜たちを、Kさんがいつの間にか屋上に設置した風車が見守っています。

つくろい東京ファンドのウェブサイトはこちら。

つくろいハウスでバザー&見学会をおこないました!

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5月10日の良く晴れた日曜日、「つくろい東京ファンド」がお借りしている建物の駐車場スペースにてバザーを開催いたしました。バザーを通じて、私どもの活動を地域の方々に知っていただきたいという思いから、支援者の皆様に物品の寄付を募り、実現しました。

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10時になると、早くも「ちらしを見ました」とご近所さんがお越しになりました。
気に入ったお品物を手に取り、お買い上げです。「つくろい東京ファンド」の紹介文と、過去に掲載された新聞記事のコピーも受け取って下さいました。

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バザーの目玉は、何と言ってもブランド冬物衣類と手作りの商品です。

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ケーキ職人による焼菓子もテーブルに並びます。
「バナナ」「はっさくピールショコラ」「ハニーレモンジンジャー」のケーキを超格安の100円で販売したところ、子ども達を中心に大好評でした。洗練された絶品ケーキでした。

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Sさんの手作りコサージュも売れ行きは好調で、遊びに来て下さった皆さんの胸にコサージュの花が咲きました。駆けつけて下さった中野区区議会議員のむとう有子さんの胸にも!

バザーを機に、今回2度目になるつくろいシェルターの見学会も行いました。
代表理事の稲葉が教えている立教大学大学院の学生さんや、他の生活困窮者支援団体の方、地域で社会活動に関わる方など、多くの方が関心を寄せて下さり、集まって下さいました。生活困窮者が生活保護を受けアパート入居を果たすまでの期間、安心して過ごせる個室シェルター(つくろいハウス)の必要性が皆さんに伝わったと思います。

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お昼はボランティアのHさんが作ってきて下さったお弁当をみんなで囲みました。風の強い日でしたが、青空の下、みんなで食べるお弁当の美味しかったこと!

このバザーを通じて、私たち「つくろい東京ファンド」は多くの方々に支えられ、いろいろな活動を行えているのだと実感しました。ビルを貸して下さったオーナー様、寄附をお寄せ下さる支援者の皆さん、手弁当で手伝って下さるボランティアの皆さん、お買い上げ下さった地域住民の方々など、改めて心より感謝いたします。

次回は秋の開催を予定しています。またご縁が広がりますように。(つくろい東京ファンド・小林)

※つくろい東京ファンドへの寄付については、こちらのページをご覧ください。

平和といのちと人権を!5・3憲法集会でアピールしました。

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5月3日は憲法記念日。
横浜の臨港パークでは「平和といのちと人権を! 戦争・原発・貧困・差別を許さない」をテーマにした集会が開催され、約3万人が集まりました。

東京新聞など各紙で大きく取り上げられました。

東京新聞:横浜で集会 青空に「9条守れ」と3万人 ※一定期間が過ぎるとリンク切れになります。

集会の前半では、木内みどりさん司会のもと、香山リカさん、雨宮処凛さん、大江健三郎さん、澤地久恵さん、樋口陽一さん、落合恵子さんといった有識者がアピール。

私はステージわきから皆さんのアピールを聴いていました。皆さん、とても素晴らしい演説だったのですが、落合恵子さんが「瀕死の民主主義を生き返らせることができるのは、私たちの力です。」 と強調されていたのが、特に印象に残りました。

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その後、政党代表として、民主党の長妻昭さん、日本共産党の志位和夫さん、社会民主党の吉田忠智さん、生活の党と山本太郎となかまたちの主濱了さんが演説。

沖縄からの特別アピールとして、高里鈴代さんが登壇し、みんなでシュプレヒコールをあげた後は、各市民団体関係者からのリレートークに入りました。

リレートークでは、11人が話をしたのですが、私は武藤類子さん(福島原発告訴団)の次に話をしました。

以下がそのアピール内容です。写真はステージ上から撮らせてもらいました。

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【5・3憲法集会でのアピール】

皆さんは安倍政権になってから生活が楽になったでしょうか。

年収がアップした方はいらっしゃるでしょうか。

今年4月の日本経済新聞による世論調査では、景気回復を実感している人はわずか16%。78%もの人々が景気回復を実感していないと答えています。
食料品を中心に物価が上がる中、安倍政権になって、収入が10%も下がった人たちがいます。生活保護を利用している4人家族です。
安倍政権は2013年から生活保護基準の段階的な引き下げを進めています。引き下げ幅は平均で6.5%ですが、最も引き下げ幅が大きいのは両親と子ども2人の世帯です。一方の手で子どもの貧困対策を進めるという名目で国民運動を呼びかけておきながら、もう一方の手で子どものいる貧困家庭の生活費を削るというのは、全く矛盾した政策と言わざるをえません。

今年度からはさらに生活保護の住宅扶助基準や冬季加算も削減されます。これにより、生活保護世帯の子どもたちが転校をせざるをえなくなったり、寒冷地に暮らす高齢者や障がい者が暖房代をまかなえずに体調を悪化させるといった事態も起こりかねません。

そもそも安全保障とは一体、何でしょうか。社会保障とは一体、何のためにあるのでしょうか。
それらは、私たち一人ひとりが安全に、そして安心して暮らしていけることを基本に据えるべきだ、と私は考えます。

安倍政権は自衛隊を海外に派兵させる安保法制には前のめりですが、国内における人々のいのちと安全を保障するという憲法25条が求める義務を放棄しようとしています。

平和を壊し、社会保障を壊す安倍政権に、NO!の声をつきつけましょう。

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私の前に発言された武藤類子さんは、「原発と貧困、差別、平和の問題はつながっている」ということを強調されていたのですが、もともと平和運動から市民活動に関わるようになった私も、そうした思いで貧困問題に取り組んできました。

今後とも、貧困問題だけでなく、個人の立場でマルチイシューの運動にも関わっていこうと思います。

 

【2015年4月9日】 産経新聞に個室シェルター「つくろいハウス」に関する記事が掲載

メディア掲載 日々のできごと

2015年4月9日付け産経新聞記事(共同通信配信)に、一般社団法人つくろい東京ファンドの個室シェルター「つくろいハウス」に関する記事が掲載されました。

生活困窮者向け宿泊施設「個室化」進む
次のステップへ「安心」提供

住まいを失った生活困窮者向け宿泊施設の「個室化」を進める動きが都内でも広がっている。地価が高い23区内などでは相部屋形式が多く、心の病などで施設になじめない人が路上生活に戻ってしまうこともある。支援関係者は「困窮者が次のステップに進めるよう、安心して過ごせる場所を提供したい」と話している。

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中野区の鉄筋コンクリート3階建てビルに入る「つくろいハウス」。3階部分の6畳と4畳半の8部屋を、1~6カ月程度宿泊できるシェルターとして使っている。昨年7月の開設以降、今年3月末までに計23人を受け入れてきた。

「着の身着のままでここに来た」と、昨年秋から暮らす小林勇さん(84)。介護保険の要支援2の認定を受け、週に1回ヘルパーに洗濯や掃除を手伝ってもらっている。「この年になると借りられるアパートを探すのは難しい。本当にありがたい」と話す。

シェルターは短期の滞在が基本。新たな住居に移れるまで、スタッフが生活保護の申請を手伝うなどサポートする。家賃は入居者の経済状態によって設定しており、月に数万円が目安だ。負担ゼロの場合もある。

ハウスを運営するのは、ホームレス支援を続けてきた稲葉剛さん(45)らがつくる「つくろい東京ファンド」。自己資金に加え、インターネットを通じて小口の出資を募るクラウドファンディングなどを活用し、運営の初期費用約200万円を集めた。

部屋はビルのオーナーが「暮らしに困っている人のために使ってほしい」と安く貸してくれた。生活困窮者が宿泊できる施設は目的によってさまざまなだ。シェルターは緊急一時宿泊事業として、自治体がNPO法人などに委託して運営しているケースが多い。
入居者の相談に応じて就労を図る「自立支援センター」という形態もある。民間事業者による「無料・低額宿泊所」は23区内など都市部を中心に増えているが、一部に悪質な「貧困ビジネス」が疑われるケースも指摘される。

つくろいハウスに入居する別の男性(42)は、公園やネットカフェでの寝泊まりを繰り返してきたという。
「公園ではアルミの防寒シートで体をぐるぐる巻いて寝ていた。落ち着いたところで寝られると疲れがとれる」

これで意欲が湧き、ホームレスが街頭で立ち売りする雑誌「ビッグイシュー日本版」の販売員として働き始めて貯金をし、3月中旬からは自分でアパートを借りた。

ホームレス支援に取り組むNPO法人「抱樸(ほうぼく)」では、「居住環境が整うことで、今後の生活がイメージできる。頑張ろうという意欲が出て、自立につながる」と、施設個室化が全国的に広がることを期待している。

 

「21世紀」着任のお知らせ&現場続投宣言!

日々のできごと

私、稲葉剛は、本年4月1日、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科に特任准教授として着任することになりました。
21世紀社会デザイン研究科は、NPO/NGOやソーシャルビジネスなどに関する専門家を育成することをめざして設立された学科です。
学生のほとんどが社会人なので、授業は平日の夜や土曜日におこなうことになります。

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今までも埼玉大学の非常勤講師として週1コマの授業を担当するなど、大学で教えた経験はありますが、本格的に教員として働くのは初めての経験になります。

「大学の先生になる」と言うと、「貧困の現場から離れてしまうの?」と思われる方もいるかもしれませんが、NPO法人もやい一般社団法人つくろい東京ファンドをベースにした生活困窮者支援活動はライフワークとして続けていきますので、ご心配なさらないでください。

また21世紀社会デザイン研究科でも、「貧困と社会的排除」や「居住福祉論」という内容の講義を担当することになっています。私がこだわってきた「権利としての社会保障」や「住まいの貧困」といった分野において、研究と実践をつなぐ役割を果たし、社会的な発信も強化できればと考えています。

今後とも、このウェブサイトのキャッチコピーでもある「いのち・すまい・けんり」にこだわった活動を展開していきます。4月以降は、活動家と大学教員という「二足のわらじ」を履くことになりますが、引き続き、よろしくお願いします。

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