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【2018年12月30日】共同通信記事「『見えない貧困』広がる 支援団体の模索続く」にコメント掲載

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2018年12月30日付け東奥日報、京都新聞、愛媛新聞に「『見えない貧困』広がる 支援団体の模索続く」という共同通信の配信記事が掲載されました。稲葉のコメントも掲載されています。

 

野宿者は減少傾向も・・・
「見えない貧困」広がる  支援団体の模索続く

平成最後の年末、全国のホームレスは寒空の下で年の瀬を迎えた。野宿者の人数は減少傾向だが、路上以外の「目に見えにくい貧困は近年むしろ広がっている」と支援者は警鐘を鳴らす。なくならない貧困に対し、支援策を変化させつつ模索が続く。

路上での仕事をつくる雑誌「ビッグイシュー日本版」は2018年9月に創刊15周年となった。英国発の仕組みで、1冊350円のうち180円が売り手のホームレスの収入だ。佐野章二代表(77)は「当初はホームレスへの偏見が強かったが、仕事を求めている人が多いことが創刊して分かった」と振り返る。

ただ収支は3年前に赤字へ転落し、売上冊数も一時期より4割落ちた。厚生労働省の調査では、路上で暮らす人が15年前の約2万5千人から5千人弱へ減少.生活保護の受給を後押しする動きが広がり、行政が申請を拒みにくくなったことが背景にある。

一方、困窮者を支える「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事(49)は「非正規の仕事でやりくりする若者や、低収入の高齢者など『路上一歩手前』の人が増えていると感じる」と話す。

東京都が18年1月に公表した調査では、住居が無くインターネットカフェなどに泊まる「ネットカフェ難民」は都内で1日当たり約4千人。厚労省によると、平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす人の割合を示す「相対的貧困率」は15年時点で15・7%となり、単純計算では1980万人余りに上る。

こうした状況に対応しようと、大阪や東京の支援団体は「路上脱出・生活SOSガイド」を作成。ひとり親や依存症、性的少数者(LGBT)などを含め、さまざまな「生きづらさ」に関する相談窓口を紹介する。担当者は「貧困が見えにくいからこそ、行政だけでなく民間での連携や一人一人の取り組みが重要になっている」と話した。

 

※ビッグイシュー基金編「路上脱出・生活SOSガイド」の各地域版は以下でご覧になれます。

路上脱出・生活SOSガイド

【2018年12月7日】ダイヤモンドオンライン「生活保護のリアル」にコメント掲載

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2018年12月7日、ダイヤモンドオンラインのみわよしこさんによる連載記事「生活保護のリアル~私たちの明日は?」「社会的弱者を『劣悪な終の棲家】に押し込みかねない住宅政策の危うさ」に稲葉のコメントが掲載されました。

ぜひご一読ください。

以下のタイトルをクリックすると、リンク先に移ります。

社会的弱者を「劣悪な終の棲家」に押し込みかねない住宅政策の危うさ | 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ | ダイヤモンド・オンライン

 

関連記事:【2015年11月6日】 ダイヤモンドオンライン「生活保護のリアル」にインタビュー記事掲載

【2018年12月2日】北陸中日新聞「誰でも入居 窓口支援」にコメント掲載

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2018年12月2日付け北陸中日新聞「誰でも入居 窓口支援/金沢の企業 物件掘り起こし始動」という記事に稲葉のコメントが掲載されました。

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2018120202000226.html

北陸発 誰でも入居 窓口支援 金沢の企業 物件掘り起こし始動

国推進「セーフティネット住宅」 

高齢者 困窮者 外国人 障害者 母・父子家庭

一人暮らしのお年寄りや低所得者らの入居を拒まない「セーフティネット住宅」を石川県内で増やそうと、金沢市の企業が賃貸物件の掘り起こしや入居後の生活サポートに乗り出した。国が登録を増やそうと推進するこの住宅は県内でこれまでゼロだったが、金沢、小松両市内に計五十二戸を確保した。三日から入居の相談窓口を本格稼働させる。(押川恵理子)

窓口を開いたのはマンション管理や清掃業務の企業「テオトリアッテ」(金沢市糸田)。竹森茂社長(42)は「持ち家を売却してアパートに住もうとした高齢者が年齢を理由に入居を断られた。そんなケースが身近でも数件あった」と開設の理由を話す。県から「住宅確保要配慮者居住支援法人」の指定を受け、高齢者や母子家庭、外国人就労者らの住まい確保を助ける。

相談窓口を担う鈴木芳幸さん(63)は「リスクが高い人に大家さんは貸したがらない。制度もまだまだ浸透していない」と話す。協力する大家を増やすため入居者の安否を電話で確認し、不慮の事故などで入居中に亡くなった場合の補償に応じるサービスを導入した。

入居後の生活サポートにも力を入れる。高齢の入居者らの希望に応じ、食料や日用品の買い物を請け負う。買い物代行の事業者、桶田淳平さん(38)=石川県白山市=は「顔を見て、元気ですかと声を掛ける。見守りにも役立つ」と語る。理学療法士と連携して一緒に運動したり、交流したりできる機会も設ける予定だ。

竹森さんは入居者やスタッフらがつながり、支え合う場として「子ども食堂のような『居住支援食堂』もつくりたい。就労支援も考えている」と語った。

安否確認のサービスと入居中に亡くなった場合の費用補償(部屋の清掃や葬儀の費用)を受けるには、初回登録料一万円と月額利用料千五百円(ともに税別)を支払う。買い物代行の利用料などは相談して決める。問い合わせはテオトリアッテ=電076(227)8014=へ。

単身高齢者 10年後は100万人増
専門家「公営住宅拡充も重要」

セーフティネット住宅は耐震性や広さなどの条件を満たした賃貸住宅の空き物件を登録する国の制度で、昨年十月に始まった。耐震改修や家賃の補助もある。国土交通省は二〇二〇年度までに全国十七万五千戸の登録を目指すが、十一月末現在で五千八百四十二戸にとどまる。大阪府が最多の四千五百十八戸を占め、富山や三重、滋賀など十二県はゼロ。

空き家は全国に約八百二十万戸あり、増加傾向にもかかわらず、セーフティネット住宅の登録は低迷している。背景には手続きの煩雑さに加え、家賃滞納や孤独死などのリスクへの懸念がある。一方で単身の高齢者は今後十年で百万人増えるとみられる。

ハウジングプア(住まいの貧困)問題に詳しい立教大大学院特任准教授の稲葉剛さんは「セーフティネット住宅と呼ぶにはそもそもの目標数が少ない。民間の空き家の活用は賛成だが、公営住宅の拡充と一緒に行うべきだ。低所得者に対しては公営住宅が第一と考えている」と話す。

「住まいを失うと、仕事探しに影響し、安定した仕事に就けない。住まいがないことを恥じ、自ら人間関係を断ってしまうケースも多い」と指摘する。経済と人間関係の二重の貧困に陥りやすいという。入居後の見守り、サポートの重要性も訴えた。

 

関連記事:【2018年8月2日】朝日新聞「住を支える そしあるハイム火災から半年」にコメント掲載

【2018年10月26日】朝日新聞「麻生氏また舌禍」にコメント掲載

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2018年10月26日付け朝日新聞「麻生氏また舌禍 でも財務相戦後最長更新中」に、稲葉のコメントが掲載されました。

10月24日に開催した院内対話集会「政治から差別発言をなくすために私たちがすべきことは?」についても触れられています。


https://www.asahi.com/articles/ASLBS4W67LBSUTIL02X.html

麻生氏また舌禍 でも財務相戦後最長更新中

財務事務次官のセクハラ問題をめぐる発言で謝罪に追い込まれた麻生太郎財務相が、また問題発言をし、批判を浴びている。だが、度重なる舌禍でも、財務相の座を追われることはなく、在任期間は戦後の蔵相・財務相で最長に。なぜか。

「おれは78歳で病院の世話になったことはほとんどない」。23日の閣議後会見で、麻生氏はこう述べた上で、「『自分で飲み倒して、運動も全然しない人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしい、やってられん』と言った先輩がいた。いいこと言うなと思って聞いていた」と話した。記者から、麻生氏も同じ考えかと重ねて問われると、「生まれつきもあるので、一概に言うのは簡単な話ではない」と答えた。

(中略)

今回も波紋が広がる。24日午後、衆院議員会館で開かれた政治家の差別発言について考える集会でも、麻生氏の発言が話題に。小児科医の熊谷晋一郎・東大先端科学技術研究センター准教授は、取材に「例えば、依存症は本人の意思や努力ではどうにもならない健康問題だが、自己責任と誤解されやすい。自己責任論を助長する麻生氏の発言は特定の疾患への差別を強めるものだ。日常会話の中では聞き流してしまうかもしれないが、政策に影響を与える政治家は、より言葉に気を使うべきだ」と話した。

(中略)

長年、貧困問題に取り組んできた稲葉剛・立教大特任准教授は、「生活保護バッシング」との共通点を指摘する。「政治家が極端な例を取り上げて負のイメージを広げ、生活保護の切り下げへの流れが生まれた。麻生氏も、あえて踏み込んだ発言をして反応を見ながら引っ込めているように見える。それが繰り返され、有権者も慣れて歯止めがなくなっている」‬

【2018年8月16日】 東京新聞夕刊でLGBT支援ハウス開設プロジェクトが紹介

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2018年8月16日付け東京新聞夕刊で、「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」の活動が紹介されました。稲葉のコメントも掲載されています。

LGBT支援ハウス開設に向けたクラウドファンディングは9月末まで継続中です。引き続き、ご協力をお願いします。

日本初!貧困・孤独・病気 負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくりたい!

 

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018081602000280.html

貧困LGBTに住まいを NPOが「支援ハウス」資金募集

生活に困窮したLGBTなど性的少数者の自立に向けた場をつくろうと、東京都内のNPO法人などが協力し、当事者が一定期間、住居に利用できる個室シェルター「LGBT支援ハウス」を開設する。九月末まで、物件資金など百五十万円をインターネットのクラウドファンディングで募っている。 (奥野斐)

「家族にゲイ(男性同性愛者)だとばれて、『気持ち悪い』と言われてけんかになった。それが、家出の引き金でした」。都内在住の介護施設職員の男性(40)は、十四歳で家を出た当時を振り返った。

当事者が多い新宿二丁目周辺で知り合った男性の家を転々とし、数カ月間、生き延びた。「学校でもいじめられ、家にも居場所がなかった。大人に助けを求めようとは思わなかった」

幸い、年上のパートナーと出会い、ホームレス状態を脱した。エイズウイルス(HIV)感染が判明したが、今も共に暮らす。「自分のような人が前に進むきっかけの場があれば」と話す。

生活困窮者支援をする立教大大学院特任准教授の稲葉剛さん(49)によると、男性のように十、二十代で家出したLGBTの若者からの相談は少なくない。職場の無理解で退職に追い込まれる例も目立つ。国内で正式な調査はないが、英国では若年ホームレスの四人に一人、米国では約四割がLGBTとの統計もある。

自治体などのシェルターは男性向け個室が少ない。取り組みに関わるNPO法人「ぷれいす東京」代表の生島嗣(ゆずる)さん(59)は「相部屋では、同性間の性暴力から逃れた男性や、トランスジェンダー男性の安心、安全が守られない」と個室の必要性を説く。開設を目指すシェルターは、当面は中野区内に一室を借り、秋から運用する予定。利用者を恒久的な住居や生活保護、医療サービスにもつなぐ。

LGBTを巡っては、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌への寄稿文で「実際そんなに差別されているものでしょうか」とした。取り組みに協力する認定NPO法人「グッド・エイジング・エールズ」代表の松中権(ごん)さん(42)は「まだまだ見えない差別や偏見があり貧困や孤独、病気の負の連鎖に陥る人がいる。こうした現状に目を向けて」と訴える。

クラウドファンディングの呼び掛け団体は「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」。「グリーンファンディング」のホームページから「LGBT支援ハウス」で検索。

◆男性同性愛者7割 両親に伝えず

NPO法人ぷれいす東京が、男性同性愛者を主な対象に実施し昨年度公表した調査=円グラフ参照=では、回答者約七千人の七割にあたる69・9%が、両親にカミングアウト(同性愛者だと伝えること)をしていなかった。職場や学校でも66・2%は公表していない。多くの当事者が秘密を抱えて暮らしており、姿が見えにくい現状がある。

調査は、インターネットの出会い系アプリ利用者に、二〇一六年九~十月に実施。「日常生活で悩みやストレスがあるか」との問いに90・8%が「ある」と回答し、厚生労働省「国民生活基礎調査」(二〇一〇年)の同様の項目での男性回答42・4%の倍以上だった。原因を複数回答で聞くと、仕事(69・8%)、収入・家計・借金等(61・8%)に続いて、恋愛・性に関すること(61・5%)、家族以外との人間関係(52・5%)が多かった。

また、住む家がなくなった経験がある人は全体の5・2%と、約二十人に一人。過去に性行為をして金銭を受け取った経験がある人は22・7%に上った。

 

関連記事:[19]LGBT支援ハウスがなぜ必要なのか? – 稲葉剛|WEBRONZA – 朝日新聞社の言論サイト

 

 

【2018年8月2日】朝日新聞「住を支える そしあるハイム火災から半年」にコメント掲載

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2018年8月2日付け朝日新聞朝刊「住を支える そしあるハイム火災から半年(上)困窮者の物件、届かぬ支援」に稲葉のコメントが掲載されました。

新たな住宅セーフティネット制度の課題について述べています。ぜひご一読ください。

 

https://www.asahi.com/articles/CMTW1808020100005.html

住を支える そしあるハイム火災から半年

2018年8月2日11時55分

(上)困窮者の物件、届かぬ支援

「家賃が安かったから『そしあるハイム』に入居した。我々みたいな人間は、ああいう古い木造のところに住むしかない」

札幌市東区の生活困窮者向け共同住宅「そしあるハイム」で1月に発生し、入居者11人が死亡した火災。2階の窓から飛び降りて助かった元入居者の中島勲さん(76)は振り返った。

ハイムの家賃は月3万6千円と安かったが、建物は木造で築50年ほど経過し、老朽化が進んでいた。火の回りが早く、被害拡大につながったとみられている。

中島さんは家賃の滞納で自宅アパートから退去し、知人の紹介でハイムに入った。経済的に困窮した人たちは、家賃滞納の懸念から一般的な賃貸住宅の入居を断られることが多い。その結果、家賃は安いが火災や災害に脆弱(ぜいじゃく)な物件にたどり着くことになる。

「入居断らない」

こうした人たちの住まいを確保するため、国は昨年10月、新たな住宅支援策を始めた。困窮者や高齢者、障害者らを「住宅確保要配慮者」と位置づけ、要配慮者の入居を断らない物件を「セーフティネット住宅」として都道府県や政令指定市などに登録する。登録には、耐震性や面積などの基準を満たす必要がある。

制度が始まって9カ月。住宅の登録数は伸びていない。7月30日現在、全国で1140戸。国は2020年度末までの目標として17万5千戸を掲げるが、達成率はわずか0・7%だ。

物件を登録した不動産業者は「面積など登録に必要な条件が厳しいうえ、図面提出や書類準備などの手続きが大変だった。他の業者は嫌がったのではないか。民泊をやった方が手っ取り早い、となる」と明かす。

国土交通省は7月、住宅セーフティネット法の施行規則を改正し、申請手続きを簡素化する対応を取った。図面の一部や建物の登記などの提出を原則不要にし、事務負担を軽減。25平方メートル以上とする面積要件は元々、自治体の判断で緩和が認められていたが、実際に緩和する自治体は少なく、国は同月、改正に合わせ改めて全国に周知した。

登録の地域的な偏りも課題になっている。都道府県別でみると、大阪が438戸で飛び抜け、東京162戸、山梨88戸、岡山81戸と続く。一方、登録ゼロは青森、長野、三重など24県で、10戸未満も宮城、埼玉、福岡など8道府県ある。

大阪府の登録戸数が突出している背景には、国が制度を始める以前から、府が同様の登録制度を独自に実施していたことがある。すでに府に登録されていた物件を、国の新制度へ移行させている最中だという。

「ぼやける対象」

府の登録戸数は全国最多なものの、全てが低所得者や生活困窮者の支援を目的にしているわけではない。全体の約半数にあたる211戸はサービス付き高齢者向け住宅と旧高齢者向け優良賃貸住宅(制度は現在廃止)。高優賃の物件を登録した不動産業者は「府内は介護事業者が多く、高齢の入居者の奪い合い。国の制度で安心感もあるし、物件を知ってもらおうと登録した」と狙いを話す。

北海道の登録は札幌市と帯広市の計8戸。札幌の業者は、地震などの自然災害で被災した人たちに住居を提供することを目的にマンションを登録した。「セーフティネットといっても、そしあるハイムの火災の件とは趣旨が別」という。

立教大大学院の稲葉剛特任准教授(居住福祉論)は「国が定義する『要配慮者』の範囲が広すぎるため、どの層を支援のターゲットにするかがぼやけてしまっている。困窮者にとって有効に機能させるには、家賃補助の利用をもっと進めていく必要があるのではないか」と指摘する。(布田一樹、磯部征紀)

札幌市の共同住宅「そしあるハイム」で入居者11人が死亡した火災から半年。火災は、低所得者や身寄りのない高齢者らが安全な住まいに行き着くことの難しさを浮き立たせた。住まいのセーフティーネットをめぐる現状と課題を探る。

◆キーワード

<セーフティネット住宅> 生活困窮者や高齢者、障害者といった住宅確保に配慮が必要な人の入居を拒まない賃貸住宅。昨年10月に施行された改正住宅セーフティネット法で登録が始まった。貸主が物件を都道府県などに登録すると、物件情報がホームページで公開される。国と自治体から耐震改修工事などにかかる費用の3分の2(最大100万円)まで補助される。低所得者への家賃補助として最大4万円の助成を受けられるが、いずれも自治体がそのための予算を計上していることが条件だ。

 

関連記事:【2018年2月9日】毎日新聞などに札幌・自立支援住宅火災の背景を論じた記事が掲載

【2018年7月3日】 朝日新聞オピニオン欄で稲葉のWEBRONZA記事が紹介

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2018年7月3日付け朝日新聞オピニオン欄に、稲葉のWEBRONZA記事を紹介した記事が掲載されました。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13567441.html

(WEBRONZA)「見えない人びと」支援をまず支援

社会で孤立し、民間の支援団体からも福祉行政からも忘れられたInvisible People(インビジブル・ピープル=見えない人びと)。5月のカンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを獲得した是枝裕和監督が「万引き家族」の中で描いたのはまさにそういう人たちでした。

立教大学特任准教授の稲葉剛さんさんは「“見えない人々”に支援をどう届けるか」(6月22日)で、「万引き家族」をめぐるニュースが日本国内を騒がせた時期にも、新宿のコインロッカーに女児の遺体を遺棄した容疑で25歳の女性が逮捕されるなど、社会的孤立が引き金になったと思われる犯罪が幾つも起きていると指摘。もっと早い段階で支援できていればと嘆きます。

必要なのは、「見えない人びと」に社会につながる情報を提供することと支援の手を届けること。そう稲葉さんは言い、二つの民間支援団体の活動を紹介します。悲惨なニュースに心を痛めても、なかなか「自分ごと」にできない現実のなかで、まずは支援に奮闘する団体の支援から始めようと気付かされました。(編集長 吉田貴文)

※元のWEBRONZA記事は以下をクリックしてください(全文を読むには登録が必要です)。

[18]“見えない人々”に支援をどう届けるか – 稲葉剛|WEBRONZA – 朝日新聞社の言論サイト 

【2018年5月28日】毎日新聞夕刊「憂楽帳」でカフェ潮の路で働く若者が紹介されました。

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2018年5月28日付け毎日新聞夕刊のコラム「憂楽帳」でカフェ潮の路で働く若者が紹介されました。

https://mainichi.jp/articles/20180528/dde/041/070/034000c

憂楽帳 自分らしく働く

毎日新聞 2018年5月28日 東京夕刊


東京・練馬の「カフェ潮の路」で、24歳の細身の青年はコーヒーをいれている。店員の名は山崎さん。お年寄りの話に相づちを打ち、時に大声で笑う。彼は、公園やインターネットカフェで寝泊まりする生活から抜け出した。

不安定な非正規の働き手、そのものだった。高校を出て人材派遣に登録し、倉庫会社で配送を担当。夜勤が多いのに収入は月10万円を超すくらい。心も体もバランスを崩し、会社の寮を出てネットカフェで暮らした。

所持金が底を突き「生きていけない」と思った時、路上生活者らの住まいの支援をする団体「つくろい東京ファンド」に救われた。代表理事の稲葉剛さん(48)とは知人を介してつながり、団体が運営するカフェで働く。

いつも手元にノートを置く。客の気になる言葉を書き留め、自宅で意味を調べたり、考えたり…。次の機会に会話を広げるためという。「自分らしく働けている?」。私の問いかけに、天井を見て少し笑みを浮かべた。今後カフェに言ったら、彼は何と返してくるだろう。【木村哲人】

関連記事:カフェ潮の路、おかげさまで1周年!お福わけ券は計700枚突破!(つくろい東京ファンド公式サイト)

 

 

【2018年5月27日】毎日新聞書評欄で『ハウジングファースト』が紹介されました。

メディア掲載 書評・関連書籍

2018年5月27日付け毎日新聞朝刊「今週の本棚・新刊」欄で、稲葉剛・小川芳範・森川すいめい編『ハウジングファースト~ 住まいからはじまる支援の可能性』(山吹書店・JRC)が紹介されました。

https://mainichi.jp/articles/20180527/ddm/015/070/032000c

今週の本棚・新刊
『ハウジングファースト 住まいからはじまる支援の可能性』=稲葉剛ほか編

毎日新聞 2018年5月27日 東京朝刊
(山吹書店・2808円)

米国で開発された「ハウジングファースト」。本書によると、路上生活者や精神科病院の入院患者らにまずは住まいを提供し、福祉や医療の専門家による支援サービスを実施して自立を促進する方式をいう。この方式を日本でも本格導入し、社会復帰しやすい仕組みをつくるべきだとの提言をまとめた一冊だ。

編者は、長年、路上生活者らの支援に取り組む団体のスタッフや医師ら。米国で開発された同方式が、社会復帰に効果を上げている実例やデータを提示。その一方で、寮生活を送りながら就労支援を受け、仕事を得てからアパートに移り住むという「ステップアップ方式」が主流の日本では、集団生活になじめない人たちがドロップアウトし、再び路上生活に戻る実情を訴えている。

編者の稲葉剛氏は「ハウジングファーストは、パターナリズムから抜け出せずにいる日本の社会福祉や精神医療のあり方に変革を迫る」と強調する。今後、社会保障費の上昇が懸念される中、施設からの社会復帰を手助けする同方式は、一つの解決策や処方箋となりえるのではないか。福祉関係者らにとって必読の一冊といえる。(武)

関連記事:稲葉剛・小川芳範・森川すいめい編『ハウジングファースト』、好評発売中です!

 

【2018年5月22日】シェアハウス急増と若者の貧困に関する毎日新聞記事にコメント掲載

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2018年5月22日付け毎日新聞夕刊「シェアハウス なぜ急増? 収入低い若者、夢を託し」に、稲葉のコメントが掲載されました。

https://mainichi.jp/articles/20180522/k00/00e/040/271000c

シェアハウス
なぜ急増? 収入低い若者、夢を託し

毎日新聞  2018年5月22日 11時59分(最終更新 5月22日 12時19分)

スルガ銀行(静岡県)のずさん融資が問題になっているシェアハウス。10年前には全国で1000棟にも満たなかった物件は、首都圏で増え続け、今や4500棟を数える。居住者の多くは20~30代だ。部屋は手狭で、シャワーやキッチンは共用なのに、なぜ若者に選ばれているのか。【佐久間一輝、五十嵐朋子】

東京都練馬区のシェアハウス。幼稚園の教諭を目指しているナナミさん(25)=仮名=の部屋は7平方メートル。備え付けベッドが大部分を占めるため、家具を置く余裕はない。

出身は宮城県石巻市。昨年秋に上京したのは都会への憧れと「手に職をつけたい」との思いから。今はスーパーで働きながら通信制の大学で学ぶ。月収は約14万円。生活費や学費、奨学金返済を引けば半分も残らない。家賃を切り詰めるしかなかった。

シェアハウスの家賃は共益費や光熱費を含めて月5万円。相場より2万円は安い上、敷金や礼金もいらない。「それでも生活はぎりぎり。食費を削ったせいで10キロ以上もやせました」

シェアハウスの原形は1980年代に登場した外国人向けの安宿とされる。共有スペースで入居者が交流できるのが特徴で、2000年代以降は日本人向けの物件も増加。「日本シェアハウス連盟」によると、17年8月現在、シェアハウスは全国に少なくとも約4500棟あり、うち7割が都内に集中している。

国土交通省の調査によると、居住者の大半は20~30代だ。入居理由として「家賃が安い」「初期費用が安い」など経済面を重視する人が多数だった。総務省によると、25~34歳の非正規雇用率は90年の11.7%から、17年には25.9%へと増えた。シェアハウスの増加と関係はあるのだろうか--。居住福祉論が専門の稲葉剛・立教大学大学院特任准教授は「関連を示すデータはないが、安い住宅を求める若者が増えているという実感はある」と話す。

ナナミさんは、学業とアルバイトの合間に小説を書いている。小説投稿サイトの企画で最終選考に残ったこともあるという。「賞金で一発当てたいですね。お金があれば引っ越します」。隣人には地方から上京した人も多いという。シェアハウスには、若者たちの夢と現実が同居している。

シェアハウスを巡っては、投資トラブルも多発している。経営破綻した不動産会社「スマートデイズ」が展開する女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーの弁護団は22日、スルガ銀行の行員や仲介業者がローン審査に必要な書類の改ざんに関与した疑いがあるとして、私文書偽造などの疑いで警視庁に告発状を提出する。

 

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