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【2016年9月23日】 「低所得者に住宅 自立支援」 ハウジングファーストの紹介記事が毎日新聞に掲載

メディア掲載 日々のできごと

2016年9月23日付け毎日新聞朝刊の「くらしナビ・ライフスタイル」欄に、「低所得者に住宅 自立支援」という記事が掲載されました。

稲葉が代表を務める一般社団法人つくろい東京ファンドの活動とクラウドファンディングが紹介されています。

 

http://mainichi.jp/articles/20160923/ddm/013/100/005000c

 低所得者に住宅 自立支援

生活困窮者や路上生活者のために住まいを確保しようという動きが進んでいる。民間団体がアパートを借り上げて困窮者に提供する「ハウジングファースト」活動を実施。国も低所得者らのセーフティーネットとして空き家を活用できないか検討中だ。

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●路上生活戻る例も

従来は施設や病院への収容が中心だったが、相部屋で人間関係がうまくいかなかったり、結局、路上生活に戻ったりする例が出ていた。ハウジングファーストでは、まず安定した住まいを提供したうえで、医療や福祉の専門家が支えていく。1990年代に米国で始まり、欧州にも広がった。しかし、住宅購入を促進する「持ち家政策」がとられてきた日本では、低所得者向けの賃貸住宅が少なく、公営住宅の倍率も高いため、住まいの対策はなかなか進んでいなかった。

このため、生活困窮者の支援団体が中心となって2014年に「一般社団法人つくろい東京ファンド」(稲葉剛代表理事)を設立。東京都中野区のアパートを借りて、路上生活者やネットカフェ難民らを支援する個室シェルターを開設した。一時的に住宅を提供し、自立へとつなげる。これまで約60人が利用したほか、新宿区や墨田区などにも施設を設置した。

●仕事探しにも利点

中野区のシェルターで暮らす派遣社員の男性(42)は、仕事が切れたためシェアハウスの家賃が払えなくなり、追い出されてシェルターを利用。その後、東京都の自立支援センターに移り、一度はアパートに入ったが、再び職がなくなり、ネットカフェ難民となったあと戻ってきた。男性は「雨露をしのげ、屋根があるところに暮らせるかどうかで天国か地獄になる。仕事探しのうえでも住所があるのは大きい」と話す。さらに、施設の集団生活でない点について「自分の好きな時間に風呂に入れたり、食事を作れたりすることも大きい」と歓迎する。

この活動の延長線上で、豊島区ではアパートを丸ごと借り上げた「ハウジングファースト東京プロジェクト」が始まっている。契約時に必要となる敷金・礼金などの資金をインターネットで募るクラウドファンディングを9月末まで続行中。稲葉さんは「低収入で自分の家は夢のまた夢という人が増えている。ネットカフェや路上と施設を行き来させるのでなく、住宅のセーフティーネットが必要だ」と訴える。市民団体「住宅政策提案・検討委員会」の14年の調査では、年収200万円未満の20〜30代の若者の77・4%が親との同居を余儀なくされている。独立して住居費を払うのは困難だからだ。今後、親の高齢化が進めば、老朽化した住宅の修繕も難しくなり、相続税が払えず手放さざるを得ないケースが多発すると予想される。

●空き家の活用検討

一方、国土交通省の「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」は、低所得の高齢者についても、賃貸住宅の大家が家賃滞納や孤独死のリスクから入居を拒むケースがあると指摘。さらに、生活保護受給世帯を著しく狭い住宅に住まわせて不当な利益を得る「貧困ビジネス」の存在も問題視している。

検討会では、公営住宅は建て替え優先で大幅な増加が見込めない一方、民間の賃貸住宅も供給が進んでいないと分析。空き家や民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティーネットの強化策を議論した。今後は住宅情報を都道府県または市町村に登録する仕組みを作り、家賃負担が困難な世帯には比較的低家賃が期待できる空き家の活用を促す。住宅改修や家賃の低廉化のために、地域の実情に応じて自治体が支援する仕組みも作れるようにする。

9月5日には国会内でシンポジウムが開かれ、低所得者対策に取り組んでいる韓国・ソウル市住宅供給公社の担当者も参加した。ソウル市では住宅費補助のほか、団地内の作業場を活用した雇用創出にも取り組んでいるという。担当者は「仕事がないと家賃が払えないので自分たちで働いて住めるようにしている」と説明した。ミニ図書館をベースにしたコミュニティー作りもしているという。住宅を確保した後に、どのような支援ができるかは、日本でも課題になりそうだ。【柴沼均】

 

※ハウジングファーストの実現をめざすクラウドファンディングは、9月30日までおこなっています。引き続き、ご協力をお願いいたします。詳細は下記をクリックしてください。

路上からアパートへ!東京・池袋でハウジングファーストを実現したい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)

 

関連記事:【2016年8月29日】 「路上生活者に『まず住まいを』」 ハウジングファーストの紹介記事が東京新聞に掲載

関連記事:「空き家活用+家賃補助」の新たな住宅セーフティネット整備へ! 

【2016年8月24日&28日】 つくろい東京ファンドの活動を紹介した記事がハフィントンポストに掲載

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稲葉が代表を務める一般社団法人つくろい東京ファンドの活動を紹介した記事が2本続けて、ハフィントンポストに掲載されました。

記事を書いてくださった松岡宗嗣さん、望月優大さん、ありがとうございました。

下記をそれぞれクリックしてください。

空き家で貧困を解決する!?「ハウジングファースト」とは(松岡宗嗣)

情報発信主体としてのNPOのポテンシャル(望月優大)

 

関連記事:「路上生活者に『まず住まいを』」 ハウジングファーストの紹介記事が東京新聞に掲載

 

 

【2016年8月29日】 「路上生活者に『まず住まいを』」 ハウジングファーストの紹介記事が東京新聞に掲載

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2016年8月29日付け東京新聞朝刊の特報面に「路上生活者に『まず住まいを』 『ハウジングファースト』の挑戦」という記事が掲載されました。稲葉が代表を務める一般社団法人つくろい東京ファンドの活動とクラウドファンディングが紹介されています。

 

路上生活者に「まず住まいを」 「ハウジングファースト」の挑戦
支援団体 ネットで資金集め 都内にアパート1棟用意

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路上生活者(ホームレス)の支援は、安心して暮らせる住まいの確保を最優先に―。欧米で生まれた「ハウジングファースト」という理念に基づき、支援団体によるプロジェクトチームが、都内のアパート1棟を借り上げた。家賃の原資はインターネットを通じた募金で、市民の善意が路上生活者支援につながる仕組みだ。(池田悌一)

東京都豊島区の住宅街にある単身用の四室が入った二階建てアパート。七月上旬から、ここの一室(四畳半)で暮らす四十代の男性は心の病などもあり、以前は路上生活をしていた。
「風呂やトイレが自由に使えるのがうれしい。ソーシャルワーカーもしょっちゅう訪ねて来てくれるので、いろいろな相談に乗ってもらえる。最近は簡単な仕事にも挑戦しようと思って、倉庫業の面接を受けたところだったんです。」

厚生労働省の審議会は昨年、「身元保証への懸念などから障害者や高齢者で、特に単身世帯の入居を拒否する実態が一部に見受けられる」と指摘した。路上生活者の場合、入居はさらに難しい。

そこで、医療関係のNGOや一般社団法人など六団体からなる「ハウジングファースト東京プロジェクト」がアパート一棟を丸ごと借り上げ、また貸しをるすことにした。主に知的障害や精神障害のある路上生活者に部屋を提供する。

プロジェクトに関わる精神科医の調査では、路上生活者の三割に知的障害があり、精神障害がある人も目立ったという。

入居後はソーシャルワーカーら医療関係者を定期的に派遣し、将来的には自立を目指す。豊島区を「モデル支援」先に選んだのは、区内の池袋が路上生活者の多い街だからだという。

いまは、初期費用などの寄付を、ネットを使ったクラウドファンディングで募っている。プロジェクトの住宅支援部門を担う一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さん(47)は「寄付者は百人を超えた。目標の百万円よりあと少し。ハウジングファーストの理念が浸透しつつある」と手応えを感じる。

行政の路上生活者支援は「まずは施設に入居させ、その後アパート移行を目指す」ステップアップ方式を採ることが多い。問題は、その過程で「貧困ビジネス」が介在する危険性があることだ。生活保護費の大半を宿泊所の寮費として徴収されたり、相部屋にされて人間関係のトラブルなどに巻き込まれたりし、「脱落して路上生活に戻る人が多い。特に障害のある人では顕著だ」と指摘する。

稲葉さんは「プライバシーが保たれた居室での生活は、ゴールではなくスタート」と考える。「つくろい東京ファンド」では先行して2014年から、路上生活者への居室の提供をしてきた。「作業所でコツコツ働くなど、生き生きとした生活を取り戻している人もいる」という。

「従来のステップアップ方式では、路上生活者の自立につながらないことが多い。結局、社会的コストの無駄遣いにもつながっている。政府は空き家の利用も一案として、住まいの提供を最優先する施策にかじを切るべきだ」

 

※クラウドファンディングは、9月末までおこなっております。引き続き、ご協力をお願いいたします。詳細は下記をクリックしてください。

路上からアパートへ!東京・池袋でハウジングファーストを実現したい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー) 

【2016年7月3日】 朝日新聞千葉版「あすを選ぶ:住まい失い 負の連鎖」にコメント掲載

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2016年7月3日付け 朝日新聞千葉版「あすを選ぶ:住まい失い 負の連鎖」に、稲葉のコメントが掲載されました。

関連部分を以下に転載します。

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生活困窮者の住宅支援に取り組んでいる立教大大学院の稲葉剛特任准教授は「住宅を失うのは、以前は中高年の建築土木関係者に特有の問題だったのが、誰が住まいを失ってもおかしくない状況になっている」とし、「若者向けの家賃補助や、保証人がいない人向けの公的な保証人制度が必要ではないか。住宅セーフティーネットをどう構築するかという議論も、選挙の中でやってほしい」と話す。

関連記事:今後10年の住宅政策の指針が閣議決定!パブコメは反映されたのか?

【2016年6月18日】 ロスで路上生活になった日本人男性が帰国へ。朝日新聞で「つくろい東京ファンド」の住宅支援事業が取り上げられました。

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2016年6月18日付けの朝日新聞夕刊記事で、稲葉が代表理事を務める「つくろい東京ファンド」の活動が取り上げられました。稲葉のコメントも出ています。ぜひご一読ください。

http://www.asahi.com/articles/ASJ6J62W9J6JULZU012.html

米で路上生活86歳、帰国へ ネット募金、支援広がる

平山亜理=ロサンゼルス、清川卓史
2016年6月18日11時43分

米国で長年暮らし、数年前からホームレスになっている86歳の日本人男性が22日に帰国する。路上生活から救おうと、日米両国の支援者が連携。帰国費用を寄付で集め、日本で暮らす部屋もすでに確保した。

男性は茨城県出身の宮田満男さん。日本の土を踏むのは44年ぶりで、「帰国したら親の墓参りをしたい」と話している。

宮田さんは1970年代初めに渡米。和風住宅のリフォームを日本の会社に頼まれたからだったが、依頼主が倒産して帰国費用もなくなった。日本に残した妻と娘とは連絡がとれなくなり、米国にとどまった。

その後、ロサンゼルスの日本人コミュニティーを中心に大工仕事をした。経済的に余裕もできたが、家族を探そうとはせず、帰国もしなかった。

高齢で仕事が減って、日本料理店でも働いたが家賃が払えなくなり、2010年から路上生活に。アルミ缶などを集めて食費を稼ぎ、夜はトンネルや工事現場で寝た。「ホームレスになったとき、妻子を放置した罰があたったと思った」。自殺しようと山に入り、警察に呼び止められたこともあったという。

転機は近所に住む米国人で映像関係の仕事をしているキース・ハムさん(34)との出会いだ。「日本の夢ばかり見る」とつぶやきながら働く宮田さんの姿に胸を痛めたハムさんは、路上生活の様子を撮影して動画にまとめた。今年1月、その動画を活用してクラウドファンディング(インターネットを通じた募金)で寄付を呼びかけると、約250人から1万2千ドル(約125万円)が集まった。

現地で暮らす日本人も支援に乗り出した。ロス在住の森尻桂子さん(42)もその一人。宮田さんから「日本人かい?」と声をかけられ、数年前から料理を届けるなど交流してきた。森尻さん一家は宮田さんに付き添って帰国する。米国で宮田さんと長く付き合っている日本人の村上真二郎さん(69)は、動画で苦境を知り、帰国の日まで自宅に泊めることを申し出た。

日本側では、住まいを失った生活困窮者の支援活動をしている「つくろい東京ファンド」が東京都新宿区に家賃月約5万4千円の部屋を借り上げ、また貸しする。稲葉剛代表理事は「日本では単身高齢者が賃貸住宅に入居するハードルは非常に高い。寄付金が尽きれば、生活保護申請のお手伝いをするなど今後の生活も支えたい」と帰国を待つ。

宮田さんは旅券の再発行申請の際、日本総領事館を通じて家族のことを調べてもらった。娘は亡くなっていたが、20代の孫娘が神戸市にいると聞いた。朝日新聞の取材に、孫娘は施設で育って両親の顔を知らないと明かし、「おじいさんが生きていてうれしい。いつか会いたい」と語った。(平山亜理=ロサンゼルス、清川卓史)

 

※一般社団法人つくろい東京ファンドは、「市民の力でセーフティネットのほころびを修繕しよう!」を合言葉に2014年に設立されました。寄付も募集しておりますので、ぜひご協力をお願いします。詳しくは下記のイラストをクリックしてください。

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関連記事:【2015年4月9日】 産経新聞に個室シェルター「つくろいハウス」に関する記事が掲載

 

【2016年5月23日】 毎日新聞特集ワイド「自民党『憲法改正草案Q&A』への疑問」にコメント掲載

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2016年5月23日付け毎日新聞夕刊の記事「自民党『憲法改正草案Q&A』への疑問」に、稲葉のコメントが掲載されました。

関連部分を以下に引用します。

http://mainichi.jp/articles/20160523/dde/012/010/006000c

特集ワイド
自民党「憲法改正草案Q&A」への疑問 「小さな人権」とは 緊急時なら制限されてもいい…?

 

思わず首をかしげてしまった。「大きな人権」と「小さな人権」が存在するというのである。この表現は、自民党が憲法改正草案を解説するために作成した冊子「改正草案Q&A」の中で見つけた。大災害などの緊急時には「生命、身体、財産という大きな人権を守るため、小さな人権がやむなく制限されることもあり得る」というのだ。そもそも人権は大小に分けることができるのだろうか。【江畑佳明】

(中略)

ここまで論じたように、万一、改憲草案が現実化したら、人権が制限される懸念は高まりそうだ。その一方で「改憲を先取りするかのように、人権の制限は既に進められている」との声も出ている。

貧困に苦しむ人たちを支援するNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」理事の稲葉剛(つよし)さんは「安倍晋三政権は生活保護の支給額を段階的に引き下げています。さらに2013年の改正生活保護法で、親族の援助が受けられない時は、福祉事務所がその理由の報告を求めることができるようになりました。これでは生活保護の申請をためらう事態になりかねない。憲法25条の生存権、『健康で文化的な最低限度の生活を営む権利』が脅かされつつあるのです」と実情を訴える。

稲葉さんは改憲草案が「家族のあり方」に手をつけることにも危機感を抱く。改憲草案では24条で「家族は互いに助け合わねばならない」とする。この狙いを「貧困により家族の支えが限界に来ているという現実を直視せず、自らが理想とする家族像を押し付けようとしているのではないでしょうか。国には尊厳ある個人の生存権を保障するよう努める義務があるにもかかわらず、『家族なんだから助け合いなさい』とその責任を家族に転嫁したい意図を感じます」とみる。

「小さな人権」を認めれば、社会的に弱い立場の人たちの人権が「小さい」と判断されてしまうかもしれない。

人権は常に制約される可能性がある。改憲反対や脱原発をテーマにした市民集会を巡り、自治体が「政治的中立」などの理由で公的施設の利用に難色を示すケースが出ている。表現の自由や集会の自由が「小さな人権」と制約を受け続けたら……。

Q&Aでは「人権は、人間であることによって当然に有するもの」と基本的人権を尊重する姿勢は変わらないと記している。であれば、「人権の大小」という発想自体、生まれてこないのではないか。

 

関連記事:「生活保護利用者の人権は制限してもよい」の先には、どのような社会があるのか?

【2016年3月24日】 中日新聞特集「老いて追われる」にインタビュー記事が掲載

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2016年3月24日付けの中日新聞の特集「新貧乏物語 第2部・老いて追われる」に、稲葉のインタビューに基づく記事が掲載されました。

4月2日付け東京新聞にも同じ記事が掲載されました。

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なお、この記事はインタビューに基づいて記者がまとめた文章で構成されています。内容の事前チェックは行なっていないため、稲葉が通常は使っていない言い回し(「中流から転落」)が含まれています。ご了承ください。

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/binboustory/list/CK2016032402000254.html

新貧乏物語 第2部・老いて追われる <特集>終のすみか求め

若い世代にも迫る危機 年金や格差、根の深い問題

自立生活サポートセンター・もやい 稲葉剛理事(46)

住まいを追われて困窮する高齢者には、どんな支援が必要なのか。NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)の稲葉剛理事は、低年金や無年金に直面する恐れがある若い世代にとっても差し迫った課題であると指摘。その上で、「社会全体で考えていくべき問題だ」と強調する。

 

高齢者の生活保護受給者は増え続け、すべての受給者のほぼ半数に達します。アベノミクスで景気は良くなっていると言われていますが、格差は広がるばかりです。

そんな中、問題は経済的な貧困だけではなく、住まいの貧困にまで広がっています。高齢者の民間アパートへの入居は難しく、介護が必要な場合、特別養護老人ホームなどの公的施設も不足している。この現状をいち早く改善しなければいけません。

現在、もやいでは約九百世帯の困窮者の生活をサポートしていますが、六十五歳以上の高齢者が半分を超えています。さらに、その九割強が単身世帯。事業に失敗した自営業者が目立ちますが、介護離職や病気によって中流から転落した人もいます。

特に首都圏では東日本大震災後、住宅の耐震性の重要さが見直され、数が少ない公営住宅の代わりに低所得者の受け皿になってきた木造アパートの建て替えが急速に進んでいます。家賃が跳ね上がって倍近くになり、強制的に追い出される例も少なくありません。居場所をなくした高齢者が、貧困ビジネスの犠牲になることもあります。

高齢者の苦しみは、実は若い世代にも迫っています。年齢が下がれば下がるほど非正規雇用が拡大しており、現在の年金制度上では、将来的に低年金や無年金になる可能性が非常に高い。だから、今は心配ないと思っている若い人たちにとっても、決して人ごとではない。世代に関係なく、社会全体で考えていくべき問題です。

(西田直晃)

<いなば・つよし>1969(昭和44)年、広島市生まれ。東京大教養学部卒。2001年、もやいを設立し、ホームレスや生活困窮者の保証人を引き受け、民間アパートへの入居を支援している。立教大院特任准教授(居住福祉論)。著書に「生活保護から考える」など。

【2016年3月2日】 別府市の生活保護支給停止問題に関する朝日新聞オピニオン特集にコメントが掲載

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大分県別府市が、生活保護利用者がパチンコ店などにいないかどうかを調査し、一部の利用者に支給を停止していた問題に関して、1月12日付けの朝日新聞「声」欄に『生活保護者の「遊興」調査は妥当』という投稿が掲載されました。この投稿に対する様々な立場からの意見を集めたオピニオン特集で、稲葉へのインタビューに基づくコメントが掲載されました。

http://www.asahi.com/articles/DA3S12236185.html

 

(声 どう思いますか)1月12日付掲載の投稿

◆恩恵ではない生活保護
認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛理事

生活保護は、憲法に定められた生存権を保障するための制度で、その利用は困窮している国民の権利です。

その一方で、日本社会では福祉を「恩恵」と捉える考え方が根強くあります。それゆえ、生活保護の利用者は「清く正しく美しく」あらねばならないということになり、パチンコはダメ、生活の監視も許されると考える人が多いのでしょう。しかし、利用者を監視すると何が起こるでしょう。今でも偏見による差別や恥辱のため、権利があるのに利用していない人がいます。監視が強まれば、困っている人をますます福祉から遠ざけることになるでしょう。

道徳的に責めたくなる気持ちはわからなくもないですが、権利と道徳は切り離して考えるべきです。

※関連記事:「生活保護利用者の人権は制限してもよい」の先には、どのような社会があるのか?

 

【2016年2月26日】 週刊金曜日に住生活基本計画に関するコメントが掲載

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http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=5835

国交省「希望出生率1・8」住生活変更案に異論続出――“家賃補助策”こそが必要

 

少子高齢化・人口減少が急速に進むなか、政府は、これに対応した住宅政策の転換ができるのか。

1月22日、国土交通省が発表した「住生活基本計画(全国計画)」の変更案(以下変更案)をめぐって期待と不安が交錯している。国交省では、変更案をもとに2月12日までパブコメを募集。こうした動きを受けて、2月13日、東京・上野区民館で「住生活基本計画(全国):国交省パブコメ徹底討論」(主催:日本住宅会議関東会議・住まいの貧困に取り組むネットワーク・国民の住まいを守る全国連絡会)が開催された。

新たな住生活基本計画は、「今後10年の課題に対応するための政策」を示すものとして、「目標(1)結婚・出産を希望する若年世帯・子育て世帯が安心して暮らせる住生活の実現」、「目標(2)高齢者が自立して暮らすことができる住生活の実現」など八つの目標を掲げる。

国民の住まいを守る全国連絡会代表幹事の坂庭國晴さんは、「変更案には多くの問題があるが、とりわけ目標(1)を『結婚・出産を希望する』とし、本文中で『希望出生率1・8の実現』とうたうことは大きな問題」とする。「希望出生率1・8の実現」は、アベノミクスの「新三本の矢」の目標に対応するものだが、「これでは戦時中の『産めよ増やせよ』の住宅政策と同じ」と批判した上で、「(住宅宅地)分科会で出ていた『安価(住居費負担の軽減)で居心地のよい空間としての住まいの実現』という重要な論点が、変更案にはまったく反映されていない。希望する住宅を選択・確保できる環境の整備をうたうなら、住宅費負担の軽減、すなわち“家賃補助策”が不可欠」と指摘する。

この意見に対して、多くの参加者から賛同の声が相次いだが、別の角度から現在の住宅政策の問題点を語ったのは、中小建設業制度改善協議会会長の星野輝夫さん。住まいのつくり手の立場から集会に参加した星野さんは「いま、つくり手の存続自体が危機です。現在、建設就業者は500万人程度ですが、高齢労働者の定年や若手労働者の入職減で、今後10年間に約130万人が不足するとされています。かつての3K(危険、きつい、汚い)職場の要素はなくなりつつありますが、問題は、低賃金、長時間労働、社会保険なしといった悪い労働条件です」と、人手不足解消に向け、労働条件改善の必要性を訴えた。

【空き家の「準公営化」を】

一方、住まいの貧困に取り組むネットワークのメンバーで、この日の集会に参加できなかったNPO法人・自立生活サポートセンター・もやい理事の稲葉剛さんは、変更案について、「『希望出生率1・8の実現』は、個人のライフスタイルへの干渉になりかねず、不適切。『三世代同居・近居の促進』も削除すべき」としつつも、今回、「空き家の活用」目標(6)が明記されたことに注目する。

「私たち『住まいの貧困』に取り組むNPO関係者や研究者は、増加の一途をたどっている全国の空き家について、住宅の確保に苦しむ低所得者への居住支援に活用できないかと、これまで、様々な形で提言活動を行なってきましたから、変更案において空き家の活用が明記されることは重要です」

ただし、「空き家の活用」において、ポイントとなるのは、これを「準公営住宅」に位置づけることだとも強調する稲葉さん。低所得や高齢、ひとり親など、住宅確保に苦しむ人々の多くが、安価で利用しやすい公営住宅への入居を希望するが、競争率や条件などの壁があって、なかなか入居できないのが現実だ。それだけに「一定の基準を満たす空き家を『準公営住宅』として位置づけることを計画に明記すること。また、『準公営住宅』の対象は、子育て世帯や高齢者だけでなく、若年単身者なども含めた低所得者全般とすることが必要です」と語る。

今後、国交省は、答申を経て、3月中に閣議決定をしたいとしている。「住まいの貧困」克服への有効な一歩が踏み出せるのかどうかが注目される。

(山村清二・編集部、2月26日号)

【2016年1月6日&8日】 「ふとんで年越しプロジェクト2015」に関する記事が掲載

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2016年1月6日に「マガジン9」にアップされた雨宮処凛さんのコラムで、「ふとんで年越しプロジェクト2015」の取り組みが紹介されました。「つくろいハウス」についても紹介されています。

以下のリンク先からご覧ください。

2015年末、「越冬」の現場。の巻-雨宮処凛がゆく!-第361回 | マガジン9

また、2016年1月8日付けハフィントンポストの和田千才さんの記事でも「ふとんで年越しプロジェクト2015」の活動が取り上げられ、稲葉のコメントが掲載されました。

以下のリンク先からご覧ください。

ホームレスの居場所、ホテルのシングルは贅沢なのか。「ふとんP」の6日間から考える

 

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