【2018年5月22日】シェアハウス急増と若者の貧困に関する毎日新聞記事にコメント掲載

メディア掲載

2018年5月22日付け毎日新聞夕刊「シェアハウス なぜ急増? 収入低い若者、夢を託し」に、稲葉のコメントが掲載されました。

https://mainichi.jp/articles/20180522/k00/00e/040/271000c

シェアハウス
なぜ急増? 収入低い若者、夢を託し

毎日新聞  2018年5月22日 11時59分(最終更新 5月22日 12時19分)

スルガ銀行(静岡県)のずさん融資が問題になっているシェアハウス。10年前には全国で1000棟にも満たなかった物件は、首都圏で増え続け、今や4500棟を数える。居住者の多くは20~30代だ。部屋は手狭で、シャワーやキッチンは共用なのに、なぜ若者に選ばれているのか。【佐久間一輝、五十嵐朋子】

東京都練馬区のシェアハウス。幼稚園の教諭を目指しているナナミさん(25)=仮名=の部屋は7平方メートル。備え付けベッドが大部分を占めるため、家具を置く余裕はない。

出身は宮城県石巻市。昨年秋に上京したのは都会への憧れと「手に職をつけたい」との思いから。今はスーパーで働きながら通信制の大学で学ぶ。月収は約14万円。生活費や学費、奨学金返済を引けば半分も残らない。家賃を切り詰めるしかなかった。

シェアハウスの家賃は共益費や光熱費を含めて月5万円。相場より2万円は安い上、敷金や礼金もいらない。「それでも生活はぎりぎり。食費を削ったせいで10キロ以上もやせました」

シェアハウスの原形は1980年代に登場した外国人向けの安宿とされる。共有スペースで入居者が交流できるのが特徴で、2000年代以降は日本人向けの物件も増加。「日本シェアハウス連盟」によると、17年8月現在、シェアハウスは全国に少なくとも約4500棟あり、うち7割が都内に集中している。

国土交通省の調査によると、居住者の大半は20~30代だ。入居理由として「家賃が安い」「初期費用が安い」など経済面を重視する人が多数だった。総務省によると、25~34歳の非正規雇用率は90年の11.7%から、17年には25.9%へと増えた。シェアハウスの増加と関係はあるのだろうか--。居住福祉論が専門の稲葉剛・立教大学大学院特任准教授は「関連を示すデータはないが、安い住宅を求める若者が増えているという実感はある」と話す。

ナナミさんは、学業とアルバイトの合間に小説を書いている。小説投稿サイトの企画で最終選考に残ったこともあるという。「賞金で一発当てたいですね。お金があれば引っ越します」。隣人には地方から上京した人も多いという。シェアハウスには、若者たちの夢と現実が同居している。

シェアハウスを巡っては、投資トラブルも多発している。経営破綻した不動産会社「スマートデイズ」が展開する女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーの弁護団は22日、スルガ銀行の行員や仲介業者がローン審査に必要な書類の改ざんに関与した疑いがあるとして、私文書偽造などの疑いで警視庁に告発状を提出する。

 

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