【2018年12月2日】北陸中日新聞「誰でも入居 窓口支援」にコメント掲載

メディア掲載

2018年12月2日付け北陸中日新聞「誰でも入居 窓口支援/金沢の企業 物件掘り起こし始動」という記事に稲葉のコメントが掲載されました。

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2018120202000226.html

北陸発 誰でも入居 窓口支援 金沢の企業 物件掘り起こし始動

国推進「セーフティネット住宅」 

高齢者 困窮者 外国人 障害者 母・父子家庭

一人暮らしのお年寄りや低所得者らの入居を拒まない「セーフティネット住宅」を石川県内で増やそうと、金沢市の企業が賃貸物件の掘り起こしや入居後の生活サポートに乗り出した。国が登録を増やそうと推進するこの住宅は県内でこれまでゼロだったが、金沢、小松両市内に計五十二戸を確保した。三日から入居の相談窓口を本格稼働させる。(押川恵理子)

窓口を開いたのはマンション管理や清掃業務の企業「テオトリアッテ」(金沢市糸田)。竹森茂社長(42)は「持ち家を売却してアパートに住もうとした高齢者が年齢を理由に入居を断られた。そんなケースが身近でも数件あった」と開設の理由を話す。県から「住宅確保要配慮者居住支援法人」の指定を受け、高齢者や母子家庭、外国人就労者らの住まい確保を助ける。

相談窓口を担う鈴木芳幸さん(63)は「リスクが高い人に大家さんは貸したがらない。制度もまだまだ浸透していない」と話す。協力する大家を増やすため入居者の安否を電話で確認し、不慮の事故などで入居中に亡くなった場合の補償に応じるサービスを導入した。

入居後の生活サポートにも力を入れる。高齢の入居者らの希望に応じ、食料や日用品の買い物を請け負う。買い物代行の事業者、桶田淳平さん(38)=石川県白山市=は「顔を見て、元気ですかと声を掛ける。見守りにも役立つ」と語る。理学療法士と連携して一緒に運動したり、交流したりできる機会も設ける予定だ。

竹森さんは入居者やスタッフらがつながり、支え合う場として「子ども食堂のような『居住支援食堂』もつくりたい。就労支援も考えている」と語った。

安否確認のサービスと入居中に亡くなった場合の費用補償(部屋の清掃や葬儀の費用)を受けるには、初回登録料一万円と月額利用料千五百円(ともに税別)を支払う。買い物代行の利用料などは相談して決める。問い合わせはテオトリアッテ=電076(227)8014=へ。

単身高齢者 10年後は100万人増
専門家「公営住宅拡充も重要」

セーフティネット住宅は耐震性や広さなどの条件を満たした賃貸住宅の空き物件を登録する国の制度で、昨年十月に始まった。耐震改修や家賃の補助もある。国土交通省は二〇二〇年度までに全国十七万五千戸の登録を目指すが、十一月末現在で五千八百四十二戸にとどまる。大阪府が最多の四千五百十八戸を占め、富山や三重、滋賀など十二県はゼロ。

空き家は全国に約八百二十万戸あり、増加傾向にもかかわらず、セーフティネット住宅の登録は低迷している。背景には手続きの煩雑さに加え、家賃滞納や孤独死などのリスクへの懸念がある。一方で単身の高齢者は今後十年で百万人増えるとみられる。

ハウジングプア(住まいの貧困)問題に詳しい立教大大学院特任准教授の稲葉剛さんは「セーフティネット住宅と呼ぶにはそもそもの目標数が少ない。民間の空き家の活用は賛成だが、公営住宅の拡充と一緒に行うべきだ。低所得者に対しては公営住宅が第一と考えている」と話す。

「住まいを失うと、仕事探しに影響し、安定した仕事に就けない。住まいがないことを恥じ、自ら人間関係を断ってしまうケースも多い」と指摘する。経済と人間関係の二重の貧困に陥りやすいという。入居後の見守り、サポートの重要性も訴えた。

 

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