メディア掲載
7月1日に「改正」生活保護法施行を前に、生活保護に関する報道が続いています。
2014年6月29日付け東京新聞特報面では、「生活保護費抑制 支給延ばす『大阪方式』 全国拡大に懸念」という記事が掲載されました。
2ページにわたる長文の記事ですが、以下にほんの一部を掲載します。
大阪市の生活保護行政の問題点については、「大阪市生活保護行政問題全国調査団」の要望書もご覧ください。
大阪市の生活保護行政の真の適正化を求める要望書
また、NPO法人もやいでは昨年12月6日に「改正」生活保護法に関して以下の声明を発表しています。ご参考にしてください。
生活保護改革2法案の成立に抗議する緊急声明
*************************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062902000138.html
2014年6月29日
【特報】生活保護費抑制 支給延ばす「大阪方式」 全国拡大に懸念
生活保護費の抑制策が盛り込まれた改正生活保護法が七月一日から施行される。大阪市には、既に申請者に就労を指導し、なかなか支給を認めない「大阪方式」がある。窓口で申請を拒む「水際作戦」の増加が懸念されている中、支援者からは「大阪のやり方が改正法施行後、全国に広まらないか」と危惧する声が上がっている。 (白名正和)
(中略)
七月に施行される改正生活保護法では、申請の際に収入などを記載した書類の提出を義務付けている。受給者の親族ら扶養義務者に、扶養できない理由の報告も求めたり、扶養義務者の収入や資産の報告を勤務先に求めたりすることも可能になる。
申請時には、書類を用意できない困窮者は少なくない。厚生労働省は「これまでも申請の際に書類の提出は求めており明文化しただけ。実態として対応はこれまでと変わらない。扶養義務者からの報告も限定的な場合だけ」と説明する。
だが、変わらないなら法改正の必要はない。自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛さんは「法改正前ですら水際作戦が全国で問題となっている。法改正で申請の運用が全国で厳格化し、保護が認められないケースが増加する恐れがある」と指摘する。
問題視されている大阪市の対応は、ガイドライン以外にもある。市民団体「大阪市生活保護行政問題全国調査団」によると、申請時に必要とされていない住宅の賃貸借契約書や預金通帳を提出させた事例が09年以降に複数件、確認されている。改正法でも求めていない内容だ。
(中略)
「大阪市生活保護行政問題調査団」団長の井上英夫・金沢大名誉教授は「改正法によって、ただちに全国の自治体が大阪を模倣するとは思わないが、保護費を削減したい自治体が大阪の手法をまねる恐れはある。大阪の男性のようなケースがほかの自治体でも起こり得る」と懸念する。
(中略)
井上教授は「法改正は保護費の抑制だけではなく、憲法で保障された生活保護を、『役所が与えてあげる物』へと変質させることになる。七月以降、自治体がおかしな対応をしないか注視していかなければならない」と話した。
2014年6月30日
日々のできごと
個室シェルター開設のため、6月10日に開始したクラウドファンディングですが、約2週間で、目標額(80万円)の80%以上を集めることができました!
住まいのない人が安心して暮らせる個室シェルターを作りたい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)
たくさんの方のご協力ありがとうございます。
引き続き、目標額を達成できるよう、支援の輪を広げていきたいと思っています。SNSなどで情報拡散のご協力をお願いします。
クレジットカードをお持ちでない方のために振り込み用の銀行口座も作っています。こちらもご活用ください。
みずほ銀行 飯田橋支店(061)
普通 2634440 「つくろい東京ファンド」
銀行にお振り込みをされた方は、「お問い合わせフォーム」でご連絡ください。
シェルター物件のリフォーム作業は着々と進み、あとはクリーニング等、いくつかの工程を残すのみとなりました。
オーナーさんとの賃貸契約書も結び、7月中旬には開設できることになりました。
今日は、住宅の改善に取り組むNPO関係者や住宅政策を研究している大学院生、高齢者の社会的孤立の問題に取り組んでいる僧侶の方など、計7名の方に物件を見学していただきました。
中野区の地元に60年以上暮らしているという住民の方も一緒に来てくださいました。
この方からは「ウチに近所の人たちからもらった新品の食器がたくさんあるから、シェルターに入居する人たちが使えるように、今度、持ってきてあげるよ」というお話をいただき、ありがたくいただくことになりました。
実は、シェルターを開設するにあたり、地元の住民の方とのつながりが薄いのが一番の懸念材料でした。その意味でも、地元の方のご協力を得られたのは本当にありがたいです。
たくさんの方々のご支援により、念願の個室シェルター開設に向けて一歩一歩進んでいます。
ぜひ引き続き、ご支援、ご注目をお願いいたします。
2014年6月25日
日々のできごと
昨日6月21日、無料のメールマガジン【いなつよマガジン】を発刊しました。
創刊号の目次は以下のとおりです。メルマガ限定のエッセイも収録されています。
▼創刊号の目次▼
★1.「東京修繕計画」、はじまります~新団体設立とクラウドファンディング開始のお知らせ
★2.注目記事ピックアップ!
★3.イベント情報
★4.メルマガ限定公開エッセイ「高齢者の住まいが見つからない!」
「メール登録をしたのに届いていない!」という方、もしかして「迷惑メール」フォルダーにメルマガが入っているかもしれません。
magazine@inabatsuyoshi.net からのメールが届いていないかどうか、ご確認ください。
Gmailをお使いの方の場合、「プロモーション」タブに自動的に振り分けられてしまうことがあります。
「プロモーション」タブをご確認の上、タブの移動設定をしていただけると、次回からメインのタブに届くように設定できます。
お手数ですが、ご協力をお願いします。
メルマガ登録がまだお済みでない方は、本サイトのトップページから登録ができるので、ぜひお願いします(左側の列、「つくろい東京ファンド」の画像の上をご覧ください)。
【いなつよマガジン】は今後、月1回程度発行していく予定です。
ご愛読よろしくお願いします!
2014年6月22日
日々のできごと
本日6月21日、もやい13周年・こもれび荘10周年記念パーティを開催しました。
詳しい報告は、もやいブログに掲載する予定ですが、ここでは私が撮った写真をアップします。
こもれび荘のアイドル、くまたろうも今日はお祭りモード。
提灯は、サロンの常連でもある長老のKさんが用意してくれました。
今日は6組の音楽演奏がありました。写真はすっかりおなじみになったnorkaのお二人。
長老のKさんがもやいをテーマにした鉄道唱歌の替え歌を披露してくれました。
夜はキャンドルナイト。歌あり、絵本の朗読ありで、みんなで楽しみました。
お越しいただいた方、差入れをくださった方、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
2014年6月21日
日々のできごと
6月14日(土)、「住まいは人権デー」ミーティング&パレードが開催されました。
渋谷勤労福祉会館でのミーティングのあと、原宿を経由して明治公園までのパレードを行ないました。
写真家の迫川尚子さんが写真を撮ってくれたので、当日のコールの内容とともに掲載します。
迫川さんは動画も撮影してくださいました。
住まいは人権デーパレード動画
・住まいは人権に基づく住宅政策をおこなえ!
・住宅政策を転換しろ!
・住まいは商品じゃなくて、人権だ!
・住まいは甲斐性じゃなくて、人権だ!
・公的住宅を増やせ!
・都営住宅をけずるな!
・民間住宅の家賃が高すぎるぞ!
・追い出し屋規制法を作れ!
・脱法ハウスの住民を支援しろ!
・適切な住まいに移れるよう支援しろ!
・貧困ビジネスを規制しろ!
・生活保護の住宅扶助基準引き下げをやめろ!
・定期借家制度を廃止しろ!
・家賃補助制度をつくれ!
・公的保証制度をつくれ!
・国は住宅政策を抜本的に見直せ!
・震災被災者への住宅保障を行なえ!
・住まいと暮らしの復興を優先させろ!
・原発避難者への住宅支援を打ち切るな!
・オリンピックより復興が大事だ!
・大規模スポーツイベントより暮らしが大事だ!
・人々の住まいと暮らしにもっと予算をまわせ!
・ブラジルの人もそう言っているぞ!
・オリンピックを口実にした野宿者排除をやめろ!
・オリンピックで都営住宅をつぶすな!
・都営霞ヶ丘アパートを取り壊すな!
・新国立競技場反対!
・居住権と景観を破壊する新国立競技場反対!
・国立競技場の解体をやめろ!
・スポーツ振興センターは住民の声を聞け!
・国と都は住民の声を聞け!
最後は、取り壊しの危機にある都営霞ヶ丘アパートの隣を通り、明治公園にゴール。
解散場所には霞ヶ丘アパートの住民の方も駆けつけてくださり、エール交換をすることができました。
参加人数は約70名と少なめでしたが、多くの人たちに「住まい」の大切さをアピールできたと思います。
2014年6月20日
日々のできごと
個室シェルターの開設資金を集めるため、6月10日に開始したクラウドファンディングですが、1週間を経たないうちに目標額(80万円)の半額以上を集めることができました!
住まいのない人が安心して暮らせる個室シェルターを作りたい! – クラウドファンディング MotionGallery(モーションギャラリー)
ご寄付いただいた方、情報の拡散にご協力いただいた方、ありがとうございます。
引き続き、目標額を達成できるよう、支援の輪を広げていきたいと思っています。
クレジットカードをお持ちでない方のために振り込み用の銀行口座も作っています。こちらもご活用ください。
みずほ銀行 飯田橋支店(061)
普通 2634440 「つくろい東京ファンド」
銀行にお振り込みをされた方は、「お問い合わせフォーム」でご連絡ください。
個室シェルターを開設する中野区内のビルではリフォーム作業が始まっています。
ビルの3階フロアの計9部屋(シェルター用8部屋、管理人室1部屋)で内装や電気系統の工事が進んでいます。
つくろい東京ファンドでは、個室シェルター開設後の活用法について、東京都内で生活困窮者を支援している各団体と話し合いを進めています。
今日は、池袋で路上生活者を支援しているNPO法人TENOHASIのスタッフの皆さんと一緒に工事中のビルを見学してきました。
TENOHASIでは特に、知的障がいや精神疾患を抱えるホームレスの人たちのサポートに力を入れています。
スタッフの中村あずささんによると、TENOHASIに相談に来る人の中には、集団生活の施設でいじめられた経験のある人も多く、個室の部屋を求める声は非常に多いとのこと。
シェルター開設後は、こうした人たちの一時的な住まいとして活用していただこうと思っています。
シェルターとして活用する3階部分だけでなく、屋上もみんなで見学。
とても見晴らしの良い空間なので、「ここでオープンテラスとかできるといいね」という話も出ました。夢が広がりますね。
最後はビルの前で記念撮影をしました。
皆様のご支援により、個室シェルターが少しずつ形になってきています。
ぜひ引き続き、ご支援、ご注目をお願いいたします。
2014年6月16日
講演・イベント告知
講演と歌、パフォーマンスのつどい
いま、「生きる」が危ない!~生活保護と憲法を考える
安倍政権のもとで進められる生活保護基準の引き下げや生活保護法の改悪、そして秘密保護法や集団的自衛権の行使容認・・・。
社会保障の分野でも、安全保障の分野でも、憲法が保障する「平和に生きる権利」が脅かされつつあります。
「生きる」ことが無条件に肯定される社会を私たちはつくることができるのか。
講演と歌、そしてパフォーマンスを通して、ともに考え、感じたいと思います。
【日 時】2014年7月26日(土)13:30~16:30(13:00開場)
【場 所】聖イグナチオ教会ヨセフホール
〒102-0083 東京都千代田区麹町6-5-1
JR 中央線/東京メトロ 丸の内線・南北線 四ツ谷駅下車 (徒歩1分 上智大学手前)
アクセスマップ
【参加費】自由献金制
どなたでも参加できます。事前申し込みは、不要です。
【講演】稲葉 剛さん(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事)
[プロフィール]
1969年広島県生まれ。1994年より東京・新宿を中心に路上生活者の支援活動に関わる。2001年、自立生活サポートセンター・もやいを設立し、幅広い生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。
著書に『ハウジングプア』(山吹書店)、『生活保護から考える』(岩波新書)など。
【 歌 】寺尾紗穂さん(シンガーソングライター)
[プロフィール]
大学時代から、弾き語りの活動を始める。
2007年ピアノ弾き語りによるメジャーデビューアルバム「御身」が各方面で話題になり,坂本龍一や大貫妙子らからも賛辞が寄せられる。
大林信彦監督作品「転校生さよならあなた」の主題歌を担当した他、
CM、エッセイの分野でも活躍中。
【ダンスパフォーマンス】ソケリッサ!
「ソケリッサ!」は、ホームレスの人、又、ホームレス経験者の踊りを主体とした肉体表現です。
この言葉は造語であり「それ行け!、前に進む」というイメージです。 この作品に関わる周囲環境の未来展開への想いも含まれています。
【主 催】
聖イグナチオ生活相談室/ベグライテン/ミシュカの森
【共 催】
自立生活サポートセンター・もやい/上智大学哲学科
【協 力】
カトリック野宿者支援ネットワーク
【問合せ】
ANA71805★nifty.com(入江) ★を@に変えてください。
2014年6月16日
講演・イベント告知
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-209.html
生活保護問題対策全国会議設立7周年記念集会 ”生活保護バッシング”は何をもたらしたのか
※チラシPDFダウンロード
2012年春、人気タレントの母親が生活保護を利用していたことを契機に激しい“生活保護バッシング”が起きました。
そして、2013年、史上最大の生活保護基準の引き下げと生活保護法の「改正」が決められ、今、それが順次実行されつつあります。
一部の政治家に扇動されたバッシングは、バッシングに加担した人々の生活をも脅かし始めています。
あの”生活保護バッシング”は何をもたらしたのか。
現場の第一線で活動する皆さんのリレートークで考えたいと思います。
【日時】7月20日(日)13時~16時40分(受付開始12時30分)
【場所】日司連ホール(司法書士会館地下1階)
東京都新宿区元塩町9-3 アクセスマップ
事前申込不要・入場無料(但しカンパ大歓迎です)
【プログラム】
● 基調講演「生活保護バッシングは何をもたらしたのか」
安田浩一さん(ジャーナリスト)
● 特別報告「シングルマザー調査から見えるもの」
徳丸ゆき子さん(大阪子どもの貧困アクショングループ代表)
● 特別報告「就学援助制度と子どもの貧困対策を考える」
青砥恭さん(NPO法人さいたまユースサポートネット代表)
● リレー報告
「基準引き下げ・法「改正」はDV被害者に何をもたらすか」
吉祥眞佐緒さん(エープラス代表)
「ハウジングプアと『住宅扶助基準の引き下げ』」
稲葉剛さん(自立生活サポートセンター・もやい代表)
「大阪で今、何が起きているか」
普門大輔さん(弁護士・大阪市生活保護行政問題調査団事務局長)
「生活保護基準引き下げにどう対抗するか」
安形義弘さん(全国生活と健康を守る会連合会会長)
徳武聡子さん
(司法書士・生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネット事務局)
● まとめ
尾藤廣喜さん(弁護士・生活保護問題対策全国会議代表)
【主催】生活保護問題対策全国会議
2014年6月15日
講演・イベント告知
稲葉剛のソーシャルワーク入門講座 貧困の現場から社会を変える
第1回 私と貧困問題
【趣旨文】
近年、貧困問題は日本社会で深刻な課題になっています。ワーキングプア、孤立死、子どもの貧困、ハウジングプアなど様々な問題が広がり、生活保護制度利用者をはじめとする生活困窮者に対する差別やバッシングも蔓延しています。相談援助の現場でも、背景に貧困問題が潜んでいるケースと出会うことは決して少なくありません。こうした状況に対して、生活困窮者支援の現場からどのようなアクションができるのでしょうか。
本講座では、約20年にわたり、NPOによる生活困窮者支援に携わって来た稲葉剛が講師を担当し、全6回(予定)にわたって、日本の貧困問題の現状や課題、支援のあり方などを講義し、貧困の現場から社会を変える方法を考えます。
第1回は、稲葉が取り組んできた実践と、それを通じて見えてくる日本の貧困問題の実情を学びます。相談援助に関わるソーシャルワーカーやケースワーカーの方はもちろん、貧困問題に取り組みたい、考えたい学生など、多くの方のご参加をお待ちしています。
【概要】
日時:2014年7月13日(日) 14時〜17時
場所:渋谷フォーラムエイト・511会議室
東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗(しんたいそう)ビル アクセスマップ
対象:新人・若手ソーシャルワーカー、社会福祉を学ぶ学生など生活困窮者支援に携わっている・将来携わろうと考えている方
参加費:資料代500円(学生は無料です)
【今後のスケジュール】
第2回 生活保護(2014年10月25日)
第3回 バッシングと差別(2015年1月)
第4回 自立支援(2015年4月)
第5回 未定(2015年7月)
第6回 貧困ビジネス、ソーシャルアクション(2015年7月)
【プログラム】
稲葉剛講義 90分
休憩 15分
質疑応答 30分
【講師】
稲葉剛(いなば・つよし)
1969年生まれ。学生時代から平和運動、外国人労働者支援活動にかかわり、1994年からは新宿での路上生活者支援活動に取り組む。
2001年にはNPO法人自立生活サポートセンター・もやいを立ち上げ、ホームレスや生活困窮状態にある方への連帯保証人提供等アパート入居支援、生活相談支援事業、アパート入居後の孤立を防ぐための交流事業などの活動に従事。現在、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事。一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人を務める。
主著に『生活保護から考える』(岩波新書、2014年)、『ハウジングプア』(山吹書店、2009年)など。
主催:ブラック企業対策プロジェクト 福祉ユニット http://bktp.org/
お問い合わせ 03-6673-2261 admin @bktp.org
2014年6月14日
日々のできごと
本日(6月13日)19~21時、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が開催した「新国立競技場基本設計(案)概要説明会」に参加してきました。
関連記事:「エライ人たちが決めた大規模事業は止まらない」という悪習は根絶しよう
会場となった国立霞ヶ丘競技場体育館は500名の定員だそうですが、ほぼ満席でした。
説明会では、まず小一時間、JSCによる基本設計の説明がありました。
説明会資料より:下側にある「都立公園予定地」に、現在、都営霞ヶ丘アパートがあり、約170世帯が居住。国立競技場建て替えにより現在の明治公園をのみ込む形で敷地が拡大。玉突きで、その隣にある都営住宅を取り壊し、公園にしようという計画です。
説明会資料より:概算工事費(計1625億円)は、2013年7月時点の単価をもとに消費税は5%で計算!
その後、約1時間にわたり、質疑応答が行なわれました。以下は私のメモから書き起こしたものです。
Q:実際の工事価格についてはどの程度になるのか。
A:単価の変動や消費税の影響もあり、現時点では明らかにできない。
Q:70mの高さになった時、日照がどうなるのか、シミュレーションはあるのか。
A:まだ基本設計なので、今の時点ではお示しできない。
Q:周辺のマンションに住んでいるが、今まで何の説明もなかった。私たちのマンションには競技場側にしか窓がなく、下層階からは何も見えなくなる。今日の資料を見ても実際の高さがどうなるのかわからない。
A:もし対応ができていなかったのであれば、お詫びしたい。日影については改めて説明会を開催し、その時にお示ししたい。
Q:コンセプトには人と環境に優しいスタジアムとあるが、都営霞ヶ丘アパートに住んでいる170世帯が追い出される。敷地内にもテント生活している人がいる。誰の意見を聞いて基本設計を作ったのか。
A:都営アパートの敷地は周辺域からのバリアフリー確保、歩道スペース、防災のため必要。
Q:質問に答えてない。誰の意見を聞いたのか。
A:有識者会議で意見を聞いた。
Q:有識者会議に住民はいるのか。
A:住民はいません。
この頃から、JSCの住民無視の姿勢に途中退席する人が続出しました。
交通アクセスの問題も指摘されました。
Q:この動線(写真)だと西側の通りが大渋滞になる。西通りはこのあたりの住民がふだん使っている道。住民のことを考えていないのではないか。
A:東側は歩行者、西側は車というように分けた方が安全と考えて、そうしている。
Q:コストは最終的に3000億くらいになるのではないか。世界のオリンピックの流れは既存施設の活用。なぜ3000億もかけて巨大なグロテスクなものを作るのか?
A:私どもは3000億かかるとは思っていない。改修についても検討したが、収容人員、利便性等を考慮して改築にした。
Q:追い出される霞ヶ丘アパートの住民です。2年前の説明会ではコミュニティを大事にして移転すると言っていたが、実際はバラバラに移されている。この巨大な計画には心がない。8万人が集まった時に災害が起こったらどうするのか?
A:都営霞ヶ丘アパートは東京都の管轄であり、都が決めたことなので、都から説明がなされていると思う。災害時の避難については都と協議していく。
Q:伊藤豊雄氏の改修案は知っているのか。
A:伊藤氏が改修案を出したことは知っているが、JSCとしてコメントする立場にない。
Q:ランニングコストは?今日出た意見はどのように反映されるのか?
A:ランニングコストは年間46億円と試算している。今日出た意見は持ち帰り、内部で検討したい。
ここで21時になりましたが、まだ多くの参加者が手をあげていました。しかし、JSCは延長を求める声を無視して、説明会を一方的に打ち切りました。
全体として、周辺住民の不安の声に全く応えようとしないJSCの姿勢が浮き彫りになった説明会でした。
終了後、霞ヶ丘アパートの住民の方に感想を聞いてみました。
「今日の説明会は、あくまでも施設についての説明であって、そこに心が入っていない。住民の人たちがいろいろ訴えていたけど、その人たちの心情、悩み、不安が全然、考慮されないで作っている。国というのは私たちをバカにしているのかな、と感じました。住民のほとんどは高齢者だから、不安に思っていても、なかなか口に出せない。ただ『困っている』『体が弱っている』という単発的な言葉でしか出せていない。その状況を知ってほしい。」
こうした声にJSCや東京都が正面から向き合うことを切に願います。
都営霞ヶ丘アパートの立ち退き問題は明日のイベントでも取り上げます。
6月14日(土)2014年 「住まいは人権デー」ミーティング &パレード
2014年6月13日
1
2
3
>