「エライ人たちが決めた大規模事業は止まらない」という悪習は根絶しよう

提言・オピニオン

本日12日(日本時間は13日未明)、ブラジルでFIFAワールドカップが開催されます。

この間、ブラジルでは貧富の格差が広がる中、大規模スポーツイベントに巨費を投じる政府の姿勢が批判にさらされ、開催日当日も大規模なデモやストライキが起きるのではないかと言われています。

地球の裏側ほどではありませんが、日本でも2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた競技場の整備に関して「経費がかかりすぎる」という観点から批判が高まり、計画を見直す動きが出てきています。

舛添都知事は10日、「都民の理解を得られるよう、招致時点で作成した会場計画全体を見直す」と表明しました。建設資材、人件費の高騰を再検討の理由にあげています。

 

東京新聞:五輪整備費 削減へ コスト高騰で都知事表明

 

このニュースを見た瞬間、「ついに新国立競技場の見直しに踏み込んだか?」と勘違いをしそうになったのですが、批判を浴びている新国立競技場について知事は言及していません。

この問題について、私は以前、経費削減や歴史的景観といった観点だけでなく、建て替えによって立ち退きをさせられる住民の視点から計画を見直すべきだとブログを書きました。

 

国立競技場建て替え問題:まず聴くべきは地域住民の声では?

 

その際、建て替えではなく、改修を主張する建築家の伊藤豊雄さんの案についても言及しましたが、実はその後、伊藤氏の改修案でも都営霞ヶ丘アパートは「サブトラック」の用地として指定されていることがわかりました。

伊藤氏自身が都営霞ヶ丘アパートの立ち退き問題をあまり認識していないか、軽視しているせいではないかと思われます。この案についても再考を求め、改修案をブラッシュアップしてほしいと思います。

「建て替えか、改修か」という議論は7月に競技場の解体が迫る中、「時間切れ」で押し切られそうになっていましたが、競技場を管理する日本スポーツ振興センター(JSC)は、この解体工事の入札が不調に終わったと発表しました。資材費や人件費の高騰が原因ではないかと言われています。

 

朝日新聞:国立競技場、解体工事の入札不調 東京五輪の主会場

 

これにより、7月中に解体工事に着手できない可能性が出てきました。これは計画について白紙から考え直す良いチャンスだと思っています。

そんな中、国立競技場周辺の住民に「新国立競技場基本設計概要の説明会」を13日夜に実施するというチラシが配布されました。

チラシの画像(表・裏)はこちらです。

140613説明会チラシ表

140613説明会チラシ裏

説明会の概要はこちら。

「新国立競技場基本設計概要の説明会」

日時:6月13日(金)
19:00~21:00(受付18:30)

場所:国立霞ヶ丘競技場体育館
(東京都新宿区霞ヶ丘町10-2)

主催:JSC
(日本スポーツ振興センター)
問合:03-5410-9143
担当:高崎・関・鈴木(武)

この説明会、周辺住民でなくても参加できることが確認されています。
会場となっている体育館は500人が入れるところなので、関心がある人は参加してみてはいかがでしょうか。

この国立競技場建て替え問題、「エライ人たちが勝手に決めた大規模事業は絶対に止まらない」という悪しき慣習をなくしていくチャンスだと私は考えています。

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