10/28(水)25条大集会 :生活保護アクション in 日比谷

講演・イベント告知

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人間らしく生きたい – まもろう憲法25条
「解釈改憲」は憲法9条だけの問題ではありません。

実は今、生存権保障をうたう憲法25条も骨抜きにされつつあります。自己責任を強調する社会保障制度改革推進法が2012年に成立して以来、医療、介護、年金等すべての分野で削減がおし進められているのです。

その突破口とされた生活保護制度では、老齢加算の廃止、生活費や住宅費などの引き下げが相次いでいます。くらしの最低ラインである生活保護の引き下げは、すべての人の「健康で文化的な最低限度の生活」レベルの引き下げを意味します。

このまま黙っているわけにはいきません。誰もが社会から排除されることなく、人間らしく生きることのできる社会保障制度を求めて、集い、つながり、そして声をあげましょう。

日 時・場所
10月28日(水) 日比谷野外音楽堂(東京都千代田区日比谷公園1‐3)

13:00〜 アトラクション
13:30〜 集会開始
15:30〜(予定) 銀座方面へパレード

詳細は、公式サイトをご覧ください(下の画像をクリックしてください)。

稲葉も呼びかけ人になっています。ぜひご参集ください。

1028集会

 

10月21日(水) 稲葉剛のソーシャルワーク入門講座「貧困の現場から社会を変える」第6回:貧困ビジネス、ソーシャルアクション

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稲葉剛のソーシャルワーク入門講座 貧困の現場から社会を変える
第6回 貧困ビジネス、ソーシャルアクション

【趣旨文】
近年、貧困問題は日本社会で深刻な課題になっています。ワーキングプア、孤立死、子どもの貧困、ハウジングプアなど様々な問題が広がり、生活保護制度利用者をはじめとする生活困窮者に対する差別やバッシングも蔓延しています。相談援助の現場でも、背景に貧困問題が潜んでいるケースと出会うことは決して少なくありません。こうした状況に対して、生活困窮者支援の現場からどのようなアクションができるのでしょうか。

本講座では、約20年にわたり、NPOによる生活困窮者支援に携わって来た稲葉剛が講師を担当し、これまで5回にわたって、日本の貧困問題の現状や課題、支援のあり方などを講義し、貧困の現場から社会を変える方法を考えてきました。

最終回は、ゲストとして『下流老人』著者である藤田孝典さんをお招きし、講師の稲葉剛との対談形式で講義を行います。貧困ビジネスが広がる福祉の現状と、こうした状況を変革していくためソーシャルアクションのあり方、これからの福祉実践の方向性について考えます。

相談援助に関わるソーシャルワーカーやケースワーカーの方はもちろん、貧困問題に取り組みたい、考えたい学生など、多くの方のご参加をお待ちしています。

【概要】
日時  2015年10月21日(水) 18時30分〜20時30分(開場18時00分)
場所  渋谷フォーラム8 Meeting Room 662会議室 
    東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗(しんたいそう)ビル 地図はこちら。

対象  新人・若手ソーシャルワーカー、社会福祉を学ぶ学生など生活困窮者支援
    に携わっている・将来携わろうと考えている方
参加費 資料代500円(学生は無料です)

【プログラム】
藤田孝典×稲葉剛対談 90分
休憩    10分
質疑応答  20分

【講師】
藤田孝典(ふじた・たかのり)
1982年生まれ。社会福祉士、NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表、ブラック企業対策プロジェクト共同代表。
2002年からホームレス支援に参加。2004年からさいたまでホームレスの訪問活動を独自に展開し、2006年NPO法人ほっとポットを設立。2011年、新たな市民のニーズにより即応できる事業体を目指しNPO法人ほっとプラスを設立。相談。生活支援、自立支援などの総合的ソーシャルワークを実践。
著書に『下流老人—一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書、2015年)『ひとりも殺させない—それでも生活保護を否定しますか』(堀之内出版、2013年)、共著に『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店、2015年)など。

稲葉剛(いなば・つよし)
1969年生まれ。学生時代から平和運動、外国人労働者支援活動にかかわり、1994年からは新宿での路上生活者支援活動に取り組む。
2001年にはNPO法人自立生活サポートセンター・もやいを立ち上げ、ホームレスや生活困窮状態にある方への連帯保証人提供等アパート入居支援、生活相談支援事業、アパート入居後の孤立を防ぐための交流事業などの活動に従事。現在、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事。一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人を務める。
主著に『生活保護から考える』(岩波新書、2014年)、『ハウジングプア』(山吹書店、2009年)など。

10/18(日) 住宅研究・交流集会:高齢者、障がい者の住宅問題―改善と解決の方向

講演・イベント告知

2015年「住宅研究・交流集会」
「高齢者、障がい者の住宅問題―改善と解決の方向」

日 時:2015年10月18日(日)13時30分~16時45分
会 場:新宿区・保育プラザ2階研修室(新宿区納戸町26-3)
都営大江戸線「牛込神楽坂」駅」徒歩8分、JR「市ヶ谷駅」徒歩15分、東京メトロ有楽町線「市ヶ谷駅」徒歩10分

地図はこちら。

【内 容】
「高齢者の住まい」は、持家率約8割(2人以上世帯)。「古さ、構造(階段等)、設備の使いにくさ」等が問題、住替え希望は約26%で、サ高住が約30%で最も高い。
「障がい者の住まい」は、持家率は身体障害者・知的障害者で約60%、精神障害者で約39%、グループホーム利用者は約9万人。(安心居住政策研究会資料)
こうした高齢者、障がい者の住まいの現状と課題、改善と解決の施策を考えます。

■基調講演 「高齢者、障がい者の住まいの現状と当面する課題」 
        阪東美智子氏(国立保健医療科学院・上席主任研究官)

■報 告 1  「サービス付き高齢者住宅の状況と改善点」
         渋谷圭子氏(NPO法人レインボー・施設管理者・生活相談員)

■報 告 2  「障がい者のグループホームからみた生活と住まい」
         渡辺智生氏(東京都精神障害者共同ホーム連絡会・代表)

■報 告 3  「公的住宅での高齢者、障がい者の施策について」
         ①東京都営住宅(都庁職労働組合・住宅支部)
         ②UR賃貸住宅(都市機構労働組合)
         ③公社賃貸住宅(東京公社住宅自治会協議会)

■ 質疑・討論 「住まいの問題の改善と解決に向けて」 

資料代500円(払える人のみ)

〔開催団体〕
国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)、日本住宅会議・関東会議、住まいの貧困に取り組むネットワーク

〔連絡先〕
NPO住まいの改善センター
TEL:03-3837-7611

シェルターからアパートへ!「年齢の壁」を破り、85歳男性がアパート入居しました。

日々のできごと

今週、私が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドが運営する個室シェルター「つくろいハウス」(東京都中野区)に入所していたKさんが、近くのアパートに入居しました。

Kさんは85歳の男性。昨年秋に入所したKさんは、これまで「つくろいハウス」に入所した30人以上の利用者の中で、最年長になります。

私はKさんと一緒に不動産店に同行し、契約に立ち会いました。

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「つくろいハウス」は本来、短期滞在を想定した施設ですが、高齢のためになかなか入れるアパートが見つからないKさんの滞在は長期化しました。

単身高齢者がアパートに入居するためのハードルが高いという問題は、今年5月の川崎の簡易宿泊所火災でも明らかになっています。

※関連記事:単身・低所得の高齢者が安心してアパート入居できる仕組みを!

福祉事務所は高齢者施設に入ることをKさんに勧めていましたが、私は「一人暮らしがしたい」というKさんの意思を尊重して、彼が入れるアパートを探してきました。

しかし、80代半ばの人を受け入れてくれるアパートはなかなか見つかりません。

また、Kさんの足腰はまだしっかりしているのですが、今後のことを考えると、階段を使わなくてすむ1階の部屋に入った方が良い、ということも考慮すると、部屋探しのハードルはますます上がりました。

そんな折、私たちの活動を応援してくれている近隣のアパートの大家さんから「1階の部屋が空いた」という連絡をいただきました。

念のため、大家さんに「85歳の方ですけど、大丈夫ですか」と聞いたところ、「ウチのアパートには86歳の人もいるよ」と笑って答えてくれました。聞くところによると、このアパートでは1階の部屋は高齢者に優先して入ってもらっているということでした。

Kさんと一緒に部屋を内見したところ、彼もその部屋を気に入ったので、そこに入居することになりました。

85歳にしては元気に見えるKさんですが、やはり年齢のことを考えると、一人暮らしには不安がないわけではありません。今後は、大家さんや介護サービスの事業所とも連携をして、Kさんの見守りをすることが決まっています。

Kさんの場合、大家さんの協力もあって、アパート生活を始めることができました。
今後とも地域の大家さんや不動産屋さんとネットワークを作り、Kさんのような高齢者が安心してアパートに暮らせるように支援していきたいと思っています。

新たな空き家活用プロジェクトにご協力を!

つくろい東京ファンドでは、空き家や空き室を活用した低所得者への居住支援事業を展開しています。

現在、「つくろいハウス」に続き、新たに都内2ヶ所の空き家を活用したプロジェクトを実施するためのクラウドファンディング(インターネットでのクレジットカード決済を活用した資金調達)を行なっています。

詳細は以下のキャンペーンページをご覧ください(画像をクリックすると、Motion Galleryのページに移ります)。

ぜひご協力をお願いいたします。

『すぐそばにある「貧困」』(大西連 著)が刊行されました!

日々のできごと 書評・関連書籍

認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの大西連理事長が『すぐそばにある「貧困」』(ポプラ社)を上梓しました。

NPO法人もやいの理事長は、設立以来、私が務めていたのですが、昨年夏に世代交代をおこない、20代の大西君が二代目の理事長に就任しました。

理事長交代時におこなった新旧理事長対談はこちらでご覧になれます。

もやい理事長交代記念 対談×大西連(前編)

もやい理事長交代記念 対談×大西連(後編)

『すぐそばにある「貧困」』は、その大西理事長の初の単著になります。

貧困問題についてのわかりやすい入門書であると同時に、20代の若者がさまざまな事情により生活に困窮した人々と出会いながら成長をしていく、という物語としても読むことができます。

私も重要な登場人物の一人として出てくるのですが、若干、キャラ設定が実物と違うので、ご注意ください(苦笑)。2010年に出会った当時、彼からはつっけんどんに見えたのかもしれませんが…。

ぜひ多くの方々に読んでいただきたい本です。

この本を読んでから、拙著『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』や、もやい編『貧困待ったなし』を読むと、生活困窮者支援の歴史的なつながりが見えて、興味深いと思います(宣伝ですが…)。

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【著者からのメッセージ】

初の単著となる『すぐそばにある「貧困」』(ポプラ社)が刊行されました。企画から足かけ3年の月日を経て、無事に出版となりました。

「貧困」というテーマで本を書く。それは、つらく苦しい作業でした。
はじめて新宿の炊き出しに参加した22歳の冬から今までに出会ったすべての人のことを思い返しながら、これまで歩んできた月日を振り返り、貧困の現場で見てきたこと、経験してきたことを率直につづった本です。

僕の生い立ちを含めた原点から、炊き出し、夜回り、生活保護の申請同行、越年越冬、相談会などなど。路上で、相談の現場で出会った一人ひとりとのストーリーを丁寧に描きました。

ぜひ、手に取ってもらえたらと思います。

なかなか大きな書店にしか並ばないかもしれませんので、Amazonをご利用の方はこちら↓

多くの方に手に取っていただけたら幸いです。
よろしくお願いします。

以下ご案内です。転送転載大歓迎です。

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すぐそばにある「貧困」
大西 連/著

発行 ポプラ社
9月8日刊行 四六判並製 288頁
定価:本体1,500円(税別)
ISBN978-4-591-14656-9

GDP世界第3位、豊かな日本の見えない貧困に20代にしてNPO法人「もやい」理事長の著者が迫る!

ホームレス問題、ネットカフェ難民、若年失業者、DV被害者の苦悩、元暴力団員の更正、不正受給や水際作戦の実態、誰かを支援することの難しさ。ふとしたことから路上支援の世界に飛び込むことになった20代の著者が、その目で見てきた生活困窮者たちの人生と、支援現場での葛藤を描く。子どもや女性といったわかりやすいテーマに留まらない、日本の貧困の全体像に迫った衝撃のノンフィクション。

ポプラ社紹介ページはこちら。

==以下内容紹介==

■6人に1人が貧困?
GDP世界第3位、豊かな日本の見えない貧困に迫る!

「兄ちゃん、あんたはまだ若い。俺たちみたいにはなるなよ」(第1章 路上)
「あんた……そんな理由で偽名を使ったのか……?」(第4章 不正受給)
「このまま殺されたほうがラクなんじゃないかとさえ、思ったんです」(第6章 若者)
「どうして私はこうなっちゃったんだろう」(第8章 家族)
「私たちは、恥ずかしい存在なのでしょうか?」(第10章 バッシング)

2006年、当時の総務大臣は次のような発言をした(同年6月16日付『朝日新聞』)。
「社会的に解決しないといけない大問題としての貧困はこの国にはないと思います」

では本当に、日本に貧困問題は存在しなったのだろうか?
もしそうだとして、じゃあ、いま目の前で、困っているこの人たちはなんなのだろう?

いま、僕たちと貧困を隔てる壁は、限りなく薄く、もろく、そして見えづらくなっている。
もはや「貧困」は、別の誰かの話じゃない。
誰の身にもふりかかる、すぐそばにあるものなのだ……。

■20代にしてNPO法人「もやい」理事長、初の書き下ろし!

ホームレス問題、若年失業者、DV被害者の苦悩、元暴力団員の更正、生活保護の不正受給や役所の水際作戦の実態――
日本の生活困窮者支援の最前線を担うNPO法人「もやい」理事長の著者が直面した、生活に困窮してしまった人たちの人生や支援現場での葛藤をありのままに描く衝撃のノンフィクション。

エピソードメインなので、今までの貧困本は難しくて読めなかった、という人にも読みやすく、「生活保護ってどんな制度?」「不正受給ってどれくらいあるの?」といったテーマ別のコラムも充実。
子どもや女性といった特定のテーマにとどまらない、日本の貧困問題の全体像を把握するのに最適な1冊となっている。

■大西連(おおにし・れん)
1987年東京生まれ。
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長。新宿ごはんプラス共同代表。
生活困窮者への相談支援活動に携わりながら、
日本国内の貧困問題、生活保護や社会保障制度について、
現場からの声を発信、政策提言している。
Twitter:@ohnishiren

【2015年9月5日】 東京新聞:「熱中症死者3割がエアコン持たず 東京23区調査」にコメント掲載

メディア掲載

2015年9月5日付け東京新聞朝刊「熱中症死者3割がエアコン持たず 東京23区調査」に稲葉のコメントが掲載されました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015090502000144.html

熱中症死者3割がエアコン持たず 東京23区調査

東京都心で気温三五度以上の猛暑日の連続記録を更新した今夏、東京二十三区内で熱中症で死亡したとみられる百一人のうち、三割以上は部屋にエアコンがなかったことが、東京都監察医務院の調べで分かった。死者の大半は高齢者で、死後二週間以上たってから見つかるケースもあった。専門家は「独り暮らしや生活苦で、周りと関わりが薄い人たちが犠牲になっている」と支援の必要性を訴えている。 (大平樹、石井紀代美)

都監察医務院は毎年、七~九月、二十三区内で熱中症の疑いで死亡した人を集計している。今年は七月三十一日~八月七日に八日連続で猛暑日になり、今月三日までに百一人が亡くなり、過去三番目の多さに達した。最多は二〇一〇年の二百十人。
室内での死亡は九十三人で、このうち三十五人は部屋にエアコンがなかった。四十九人はエアコンはあったが使っていなかった。

(中略)

生活困窮者を支援するNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛理事は「熱中症で多くの死者が出る背景に高齢者が孤立し、生活保護受給者が地域に出づらい事情がある」と指摘。「生活困窮者はエアコンを設置しなかったり、電気代を気にして使わなかったりする。夏に生活保護費を増やす夏期加算が必要だ」と話している。

◆搬送半数 お年寄り

総務省消防庁によると、全国で今年4月27日~8月30日の間、熱中症で救急搬送された人は5万4552人。このうち、ほぼ半数の2万7446人が高齢者だった。

首都圏での救急搬送者は東京が4561人。埼玉(3802人)、神奈川(2758人)、千葉(2466人)、茨城(1517人)、群馬(1186人)、栃木(1005人)で、静岡は1477人だった。各都県とも、半数近くを高齢者が占めた。
週別では、全国各地で猛暑日が続いた7月27日~8月2日が1万2038人で最多で、翌週の8月3~9日も1万1532人だった。

次は新宿区と墨田区で空き家活用!クラウドファンディングを始めました!

日々のできごと

私が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドでは、昨年、東京・中野区に空き家を活用した個室シェルター「つくろいハウス」を開設して運営しています。
そして今年も、新たな空き家活用のためのクラウドファンディングを実施することになりました。今回は、新宿区と墨田区の二軒の一軒家を活用するプロジェクトです。

詳細は、以下のページをご覧ください(画像をクリックすると、Motion Galleryのページに移ります)。

つくろい東京ファンドの一連のプロジェクトは、こちらのグラフの問題意識から始まっています。

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私はずっと空き家・空き室を活用した低所得者支援を実現できないかと考えていたのですが、最近、協力してくれるオーナーさんが増えてきて、ようやく形にすることができるようになりました。

クラウドファンディングの成功の秘訣は、どれだけ情報が拡散するかにあります。
ぜひ多くの方に情報拡散などで、ご協力をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

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