東京都墨田区で野宿者襲撃が10分に1に減少

提言・オピニオン

東京都墨田区で、当事者と支援団体の要望に応える形で「ホームレス問題の授業」が教育委員会主導で始まったことは、以前にもお知らせしましたが、山谷労働者福祉会館活動委員会によると、今年に入って、区内での襲撃件数が10分の1まで減少しているとのことです。

活動委員会が野宿の当事者向けに配布しているチラシの文面を転載する許可をもらったので、以下に貼り付けます。

関連記事:「ホームレス問題」の授業が墨田区教育委員会の主導で始まりました

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この夏、墨田区で野宿者襲撃を10分の1に減らせることができた!

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野宿している仲間に対する暴力は最も卑劣な行為だ。石を投げる、ペットボトルを投げる、ダンボールを蹴るといった暴力を多くの仲間が受けている。

繰り返される襲撃に「襲撃を止めなくては」と立ち上がった仲間と共に取り組みを続けてきた。見張りをやったり、襲撃者を追いかけたり、写真をとったり。その中で2年続けて襲撃の加害者が明らかになり、2件とも墨田区立中学の生徒だった。どちらもグループで何度も襲撃を繰り返していた。

墨田区と団体交渉を何度も持った。はじめは他人事のようだった人権課、教育委員会。なぜ野宿者に暴力をふるうのか。「おもしろ半分」 いやちがう。その子らは一般の大人を襲うことはしていない。野宿者だから襲ったのだ。そこにはっきりとした差別意識がある。そこを直視しなければ襲撃は決して止められない。

差別意識の原因を掘り起こすと野宿する人のことを生徒も親も教師も知らないということが浮かび上がってきた。

どんな仕事をしてきたのか。どうして野宿になったのか。今どうやって生き抜いているのか。何も知らずに「怠けもの。いてはいけない人」などと思い込んでいることがわかった。役所の追い出しやアルミ缶仕事に対する条例を作ったことも偏見の原因を作っていることも。

墨田区教育委員会がようやく本腰をいれ取り組みをはじめた。この夏休み前に区内の全ての小中学校で「野宿者を知る」授業が行われた。ある小学校には区内で野宿する仲間が授業に行って自分の暮らしについて話した。10代からペンキ屋として働きその後日雇い労働者の土方になった。ドロドロになりながら基礎工事の穴掘りの仕事をやってきた。50代でバブルの崩壊、年齢制限で仕事に就けなくなりドヤに泊まれなくなった。今もアルミ缶を拾いながら小屋で暮らしている。

子供たちの感想は「大変な暮らしをしているのを知らなかった」「絶対石を投げてはいけないと思った。」

この夏墨田区内の襲撃は激減した。(わかっているだけで区内の夏の襲撃件数は2012年28件、2013年20件、2014年3件)「野宿者襲撃は問題にもならない。」そんな現状に対し立ち上がった仲間たちのねばり強いとりくみの成果だと確認したい。

墨田区が引き続き本気で取り組んでいくこと、墨田区だけでは問題は解決しないので台東区をはじめ他の区や東京都もきちんととりくみを始めることが必要だ。

襲撃を根絶するまでがんばっていこう。

山谷労働者福祉会館活動委員会
山谷争議団/反失実

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墨田区では大きな成果をあげることができましたが、野宿者への襲撃が発生しているのは墨田区だけでなく、他区にも広がっています。
これは本来、東京都が対応すべき問題であり、現在、都内の複数の支援団体で、東京都に対しても具体的な襲撃防止策の実施を求めて要望をしているところです。
ところが、都の対応は8月に舛添都知事が「対策を徹底する」と記者会見で公言したにもかかわらず、担当者レベルでは具体的な動きが未だに出てきていません。

関連記事:舛添都知事が野宿者襲撃への対策を徹底すると表明!実効性ある対策を求めます。

引き続き、東京都に対しても粘り強く働きかけをしていくので、こちらもご注目をお願いします。

 


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