『ひとびとの精神史』最終巻に「NPO法人もやいと反貧困運動」を寄稿しました。

日々のできごと

岩波書店の『ひとびとの精神史』シリーズ(全9巻)の最終巻(第9巻)『震災前後 2000年以降』(栗原彬編)が7月26日に刊行されました。

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最終巻は、さまざまな社会問題に現場で取り組む21人が語る現代史というコンセプトで、私も「NPO法人もやいと反貧困運動」という文章を寄せています。

拙稿では、2001年のもやい設立から、2015年の25条大集会までの流れを書きました。

貧困や格差の問題では、大阪の野宿者ネットワークの生田武志さん、NPO法人POSSEの今野晴貴さんも寄稿しています。ぜひご一読ください。

『ひとびとの精神史』シリーズは、「第二次世界大戦の敗戦以降,現在に至るまでのそれぞれの時代に,この国に暮らすひとびとが,何を感じ考えたか,どのように暮らし行動したかを,その時代に起こった出来事との関係で,精神史的に探究しようとする企て」です。

各巻は、それぞれの時代の社会運動を知る上でも貴重な資料になっており、私もすべての巻を読ませていただいています。そのシリーズの最終巻に寄稿させていただいたことは、個人的もとても感慨深い出来事でした。

このシリーズの編集委員のお一人は、水俣病の問題に取り組んでこられた栗原彬先生です。栗原先生は、私が昨年から所属する立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の創設にも深く関わっていらっしゃいました。

昨年10月27日付けの朝日新聞には栗原先生のインタビュー記事が掲載されていますが、その中で栗原先生は「近代化の流れの中で犠牲となってきた人たちが、それでもなお人間の尊厳を保とうと異議申し立てをした歴史がある。その事実や言葉を丁寧に拾うことで、メインストリームに抗う小さな流れが見えてくる」とシリーズの意図を解説されています。

朝日新聞デジタル:主流に抗った市井の人々 戦後の生き様描いた「ひとびとの精神史」

拙稿も「人間の尊厳を保とうと異議申し立てをした歴史」を意識して書かせていただきました。

また、シリーズの中では、21世紀社会デザイン研究科委員長の中村陽一先生の文章(第6巻「岩根邦雄―『おおぜいの私』による社会運動」)や、私と研究室をシェアしている吉田敏浩先生の文章(第4巻「岡村昭彦―ベトナムを直視して」)も掲載されており、さまざまな縁を感じました。

岩波書店『ひとびとの精神史』紹介ページ

ぜひ多くの方に読んでいただければと願っています。

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