東京都に「居住支援協議会の設置及び民間賃貸住宅施策についての要請書」を提出!

日々のできごと

写真 (1)脱法ハウス問題などを受けて、東京都は今年度、住宅セーフティネット法に基づく居住支援協議会を設立することを決めました。これは、私たちの運動の成果だと言えます。

設立される居住支援協議会が実効性のある対策を実施することを求めて、住まいの貧困に取り組むネットワークなど3団体は、本日5月20日、東京都に対して「都の居住支援協議会の設置及び民間賃貸住宅施策についての要請書」を提出しました。
要請書は6月10日までの文書回答を求めています。

東京都がどのような回答をしてくるか、ぜひご注目ください。

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東京都知事  舛 添 要 一 殿      2014年5月20日

 

都の居住支援協議会の設置及び民間賃貸住宅施策についての要請書

 

国民の住まいを守る全国連絡会
代表幹事 坂庭国晴

住まいの貧困に取り組むネットワーク
世話人  稲葉 剛

東京住宅運動連絡会
事務局長 北村勝義
日頃から都政における住宅行政の推進にご尽力いただき心からお礼を申し上げます。

さて、私たち「国民の住まいを守る全国連絡会」、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」、「東京住宅運動連絡会」は、今日の住まいの貧困(ハウジング・プア)の解決に向けた取り組みを進めていますが、改善に向かうどころか、貧困ビジネス化する「脱法ハウス」(違法貸しルーム)や「シェアハウス」、「ゲストハウス」の居住問題など新たな事態も進行しています。こうした中で、貴職は「住宅の確保に配慮が必要な方々に対して、それぞれの地域の実情に応じたきめ細かな支援を行う」居住支援協議会(住宅セーフティネット法第10条)の設置に向けた検討を行うことを明らかにしています。

私たち居住支援協議会の設置を強く求めていた者として、賛意を表明すると共に実効性のある協議会とするために、また、関連する民間賃貸住宅施策について、以下の事項を要請しますので、6月10日までに文書で回答を下さるようお願い致します。

1.東京都設置の居住支援協議会について

「住宅セーフティネット法」は「低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者」に対する「賃貸住宅の供給の促進を図り、もって国民生活の安定向上と社会福祉の増進に寄与する」としています。この目的のもと、第10条で「居住支援協議会」(以下協議会)を定めています。検討されている都の協議会を真に実効性あるものとするために、以下の事項の実現を求めます。

(1) 協議会の構成員について

協議会は地方公共団体、宅建業者、賃貸管理業者と共に、「住宅確保要配慮者に対し居住に係る支援を行う団体、民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に資する活動を行う者」を構成員としています。都の協議会には、これらの支援を行う団体、活動を行う者として以下を構成員とすることを強く希望いたします。
①東京借地借家人組合連合会、②NPO法人自立生活サポートセンター・もやい、③NPO法人住生活改善・住宅耐震支援センター、④小規模家主の会、⑤住まいの貧困に取り組むネットワーク

(2)協議会の活動について

「協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める」とされています。都の協議会の活動、運営について以下の事項の実施をご検討頂きたいと思います。

① 低額所得者向け民間賃貸住宅の供給戸数の量と質の確保及び拡充、円滑な入居促進のための実効ある活動の実施、②「民間賃貸住宅への円滑な入居」のための入居初期費用の無利子貸出しを行うこと、③協議会が民間賃貸住宅入居の保証人の役割を果たすこと。

2.市区町村の居住支援協議会について

貴職は、「それぞれの地域の実情に応じたきめ細かな支援を行うためには、区市町村が居住支援協議会を設置して、主体的に取り組むことが重要」、「都が、広域自治体の立場として、自ら居住支援協議会を設置することは、基礎的自治体である市区町村による居住支援協議会の設置促進と活動支援を行う上で効果的であり」と表明しています。

これは極めて重要な姿勢であり、積極的に評価するものです。特に東京23区での協議会設置が急がれています。東京都としてどのように支援、指導を行い、進めようとしているのか、具体的な計画を明らかにして下さい。また、市区町村の協議会についても、上記の協議会の構成員、協議会の活動が実施されるよう、指導や要請を行って下さい。

3.当面する民間賃貸住宅施策について

(1)民間賃貸住宅の空家の利活用と対策について

東京都では46万5千戸の賃貸住宅の空家が存在(平成20年調査)しています。こうした主に民間賃貸住宅の空家の利活用と必要な対策のために、東京都として条例制定等の独自対策をとることを求めます。この中で、民間賃貸住宅を活用した借上げ公営住宅や適正なシェアハウスを供給し、単身者の居住の確保、安定を図ることを要望します。

(2)民間賃貸住宅への家賃補助制度の導入について

都営住宅への応募者は毎年20万世帯にのぼり、全国一の約30倍の高倍率となっています。応募しても都営住宅に入居できず、民間賃貸住宅に居住する世帯に対する家賃補助制度を早急に導入することを要求します。また、「脱法ハウス」(違法貸しルーム)等に入居する低額所得者が民間賃貸住宅に転居した場合の家賃補助の実施を求めます。

(3)民間賃貸住宅の耐震化と居住水準・環境の改善について

首都直下型地震等に備えるため、大きく立ち遅れている民間賃貸住宅の耐震化の支援、補助を早急に実施して下さい。また、民間賃貸住宅の居住水準、居住環境の改善のための施策を検討し、必要な支援、補助を求めます。これらの耐震化や居住改善は、家賃値上げを伴わず、従前居住者が住み続けられるよう、規制などを行うようにして下さい。

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