【2019年4月17日】神奈川新聞「あぶり出した社会のひずみ 行政の福祉施策に問い」にコメント掲載

メディア掲載

2019年4月17日付け神奈川新聞「【平成の事件】川崎・簡易宿泊所火災/あぶり出した社会のひずみ 行政の福祉施策に問い」に稲葉のコメントが掲載されました。

https://www.kanaloco.jp/article/entry-161626.html

【平成の事件】川崎・簡易宿泊所火災 
あぶり出した社会のひずみ 行政の福祉施策に問い

港や工業地帯を抱える大都会の片隅にひっそりと存在する簡易宿泊所(簡宿)街が、騒然とした雰囲気に包まれた。風にあおられた猛火が、2棟の古い木造建築を瞬く間にのみ込んでいく。2015年5月17日未明の川崎市川崎区日進町。11人の死者と17人の負傷者を出す大惨事となった簡宿火災は、街の在りように一石を投じるとともに、行政の福祉施策に重い課題を突き付けた。(神奈川新聞記者・三木崇)

(中略)

曲がり角を迎えた簡宿に代わり、生活保護受給者の新たな受け皿と自立支援策をセットで模索する動きも始まっている。

「生活困窮者に最初に提供されるのは住宅であるべきだ。住所や住民票がないと仕事も探せず、低廉で質のいい住宅は欠かせない」。貧困問題に詳しい立教大の稲葉剛特任准教授はそう力説する。

2014年に一般社団法人「つくろい東京ファンド」を設立した稲葉特任准教授は、東京都内に複数のアパートを借りて、生活保護受給者に暮らしてもらう取り組みを実践。ファンドはカフェを運営し、勤労意欲がある人はカフェで働くことも可能という。社会復帰への足掛かりとするため、地域との交流も積極的に進めている。目指す姿は福祉行政と住宅行政の縦割りの解消だ。

「行政は簡宿に安易に依存せず、行き場を失った高齢者が住み慣れた地域で引き続き暮らせるよう支援していくのが、本来在るべき福祉施策ではないか」と強調する稲葉特任准教授は、こんな指摘も付け加えた。

「生活保護受給者が多く、福祉ニーズの高い簡宿街は、やがて日本が迎える超高齢化社会を先取りした縮図とも言える。つまりこの先、誰しもが同じ問題に直面する可能性があるということなんです」

◆川崎市の簡易宿泊所火災 2015年5月17日未明、川崎市川崎区日進町の簡易宿泊所「吉田屋」から出火、隣接する簡易宿泊所「よしの」に延焼し、木造2棟の計約1000平方メートルを焼いて、11人が死亡、17人が負傷した。吉田屋は2階上部に宿泊フロアを増築した「3階建て」として営業。吹き抜けのような構造が火の回りを早めた可能性も指摘された。神奈川県警は放火と失火の両面で捜査し、川崎市消防局は16年2月、「ガソリンによる放火」との調査結果を公表した。

 


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