【2016年6月18日】 ロスで路上生活になった日本人男性が帰国へ。朝日新聞で「つくろい東京ファンド」の住宅支援事業が取り上げられました。

メディア掲載

2016年6月18日付けの朝日新聞夕刊記事で、稲葉が代表理事を務める「つくろい東京ファンド」の活動が取り上げられました。稲葉のコメントも出ています。ぜひご一読ください。

http://www.asahi.com/articles/ASJ6J62W9J6JULZU012.html

米で路上生活86歳、帰国へ ネット募金、支援広がる

平山亜理=ロサンゼルス、清川卓史
2016年6月18日11時43分

米国で長年暮らし、数年前からホームレスになっている86歳の日本人男性が22日に帰国する。路上生活から救おうと、日米両国の支援者が連携。帰国費用を寄付で集め、日本で暮らす部屋もすでに確保した。

男性は茨城県出身の宮田満男さん。日本の土を踏むのは44年ぶりで、「帰国したら親の墓参りをしたい」と話している。

宮田さんは1970年代初めに渡米。和風住宅のリフォームを日本の会社に頼まれたからだったが、依頼主が倒産して帰国費用もなくなった。日本に残した妻と娘とは連絡がとれなくなり、米国にとどまった。

その後、ロサンゼルスの日本人コミュニティーを中心に大工仕事をした。経済的に余裕もできたが、家族を探そうとはせず、帰国もしなかった。

高齢で仕事が減って、日本料理店でも働いたが家賃が払えなくなり、2010年から路上生活に。アルミ缶などを集めて食費を稼ぎ、夜はトンネルや工事現場で寝た。「ホームレスになったとき、妻子を放置した罰があたったと思った」。自殺しようと山に入り、警察に呼び止められたこともあったという。

転機は近所に住む米国人で映像関係の仕事をしているキース・ハムさん(34)との出会いだ。「日本の夢ばかり見る」とつぶやきながら働く宮田さんの姿に胸を痛めたハムさんは、路上生活の様子を撮影して動画にまとめた。今年1月、その動画を活用してクラウドファンディング(インターネットを通じた募金)で寄付を呼びかけると、約250人から1万2千ドル(約125万円)が集まった。

現地で暮らす日本人も支援に乗り出した。ロス在住の森尻桂子さん(42)もその一人。宮田さんから「日本人かい?」と声をかけられ、数年前から料理を届けるなど交流してきた。森尻さん一家は宮田さんに付き添って帰国する。米国で宮田さんと長く付き合っている日本人の村上真二郎さん(69)は、動画で苦境を知り、帰国の日まで自宅に泊めることを申し出た。

日本側では、住まいを失った生活困窮者の支援活動をしている「つくろい東京ファンド」が東京都新宿区に家賃月約5万4千円の部屋を借り上げ、また貸しする。稲葉剛代表理事は「日本では単身高齢者が賃貸住宅に入居するハードルは非常に高い。寄付金が尽きれば、生活保護申請のお手伝いをするなど今後の生活も支えたい」と帰国を待つ。

宮田さんは旅券の再発行申請の際、日本総領事館を通じて家族のことを調べてもらった。娘は亡くなっていたが、20代の孫娘が神戸市にいると聞いた。朝日新聞の取材に、孫娘は施設で育って両親の顔を知らないと明かし、「おじいさんが生きていてうれしい。いつか会いたい」と語った。(平山亜理=ロサンゼルス、清川卓史)

 

※一般社団法人つくろい東京ファンドは、「市民の力でセーフティネットのほころびを修繕しよう!」を合言葉に2014年に設立されました。寄付も募集しておりますので、ぜひご協力をお願いします。詳しくは下記のイラストをクリックしてください。

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