【2015年2月19日】 読売新聞:「顔」欄に稲葉剛の紹介記事が掲載されました。

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「顔」 稲葉剛さん:住まいを失った人の支援に取り組んで20年

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バブル崩壊後の1994年冬、東大大学院生の時に友人に誘われ、東京・新宿の地下通路に林立する段ボールの「家」を訪ねた。凍えて、息も絶え絶えの路上生活者の姿を目にし、頭を殴られたような衝撃を受けた。

当時は、新宿区だけで年間50人以上が路上死していた。以来、「社会の割れ目をのぞいて、見て見ぬふりはできない」と、住まいを失った人の支援に取り組み始め、健康相談や声かけを地道に続けた。20年の節目を迎え、これまでの自身の活動をまとめたエッセー集を出した。

都の強制排除を巡り騒動になった98年、段ボールに火が燃え移り、4人が亡くなった。焼け落ちた「家」の前に立ち、安全な住まいの確保を誓った。2001年に設立し、理事を務める「自立生活サポートセンター・もやい」では、アパートの入居保証人引き受けや、生活困窮者向けの制度の利用を呼びかける。

路上生活者は減ったが、最近は若者の相談が増加。「ネットカフェ難民」「派遣村」が流行語になるなど、住まいの貧困という根本的な背景は変わっていない、と感じる。「誰もが安心して暮らせる住まいを得られる。そんな社会を目指したい」

(社会保障部 手嶋由梨)


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