あなたにもできる!「路上スキマ部」活動の勧め

提言・オピニオン

昨年2月から住まいの貧困に取り組むネットワークの呼びかけで、有志による月2回の「アウトリーチ活動」を行なっています。

東京23区内には20を超える路上生活者支援団体があり、新宿・渋谷・池袋などの主要ターミナル駅周辺や山谷地域とその周辺(上野、浅草を含む)では、定期的な夜回りや炊き出しなどが各団体によって行なわれています。

こうした活動によって、路上生活をしている人が比較的多い地域はほとんどカバーされているのですが、場所によっては住宅街やオフィスビル街、小規模の公園などに数人単位で路上生活者がいる地域もあり、23区内でも支援団体がカバーしていない地域はまだたくさんあります。

そうした「支援の空白地域」を埋めようと始めたのが、この「アウトリーチ」で、参加者の間では「路上スキマ部」と呼ばれています。

前回5月26日は両国から浜町まで河川敷を歩きました。

前回5月26日は両国から浜町まで河川敷を歩きました。

「路上スキマ部」の活動には、もやいのメンバーだけでなく、各地で支援をしている団体のメンバーも参加して、交流の場にもなっています。

どなたでも参加できますので、ぜひご協力ください。活動日は原則毎月第2・第4月曜日夜ですが、たまに昼に回ることもあるので、以下のページでスケジュールをご確認ください。次回は明日9日です。

住まいの貧困に取り組むネットワークブログ カテゴリー「アウトリーチ活動」

夜回り中に公園で会った猫

夜回り中に公園で会った猫

 

ですが、こうした「路上スキマ部」活動は、実は個人でもおこなうことができます。

昨日(6月7日)も、定例の「もやいセミナー」に参加された方々とサロン・ド・カフェこもれびでお話をしていたのですが、そこで「自分の家の近所に野宿をしている人がいて、気になっているのですが、自分に何ができるでしょうか」という質問を受けました。

これは私がよくされる質問の一つですが、そのたびに私は「路上脱出ガイド」の紹介をしています。

ビッグイシュー基金「路上脱出ガイド」紹介ページ

「路上脱出ガイド」は、ホームレス状態になった人に「その人が活用できる社会資源」(行政サービスや炊き出し情報など)を正しく伝えるために、ビッグイシュー基金が各地の支援団体の協力を得ながら作成している冊子です。

現在では東京、大阪だけでなく、札幌、名古屋、京都、福岡の各都市版も発行され、無償で配布されています。

東京23区版はリーマンショック後の2009年に第1版が作成され、私もその編集に協力をさせていただきました。

その後、東京23区版を重ね、第4版まで発行されています。累計の配布部数は2万部を超えています。

「路上脱出ガイド」は各支援団体を通して、炊き出しなどの場で配布してもらうと同時に、一般の市民の方にも配布をお願いしています。図書館やお寺、教会などで置いてくれているところもあります。

ビッグイシュー基金に依頼すれば、送料のみ負担する形で送ってくれるので、ぜひ「自分の家や職場の近くに気になる人がいる」という方は取り寄せてみてください。

でも、いきなり野宿の人に声をかけるのは勇気がいることです。私はいつも「声をかける勇気がなければ、その人が寝ている時に枕元に置くだけでもいいですよ」と言っています。

大切なのは、その人が活用できる支援に関する正確な情報を伝えることです。私たちにできることはそれくらいしかありません。

その情報を受け取った人が、支援に関する情報を「活用するのか、しないのか」(生活保護を申請したり、もやいなどの民間団体に相談をするのか)、あるいは「いつ活用するのか」というタイミングは、その人に任されています。

路上生活をしている人の中には、アルミ缶集めなどの仕事をして生計を立てている人も多く、高齢であっても「まだ生活保護は申請するつもりはない」という人もいます。見ているこっちが心配になる人も多く、私も時には説得に乗り出すこともあるのですが、基本的に「自分の生活を今後、どうするか」ということはその人の選択に任されています。

そのため、私は「路上脱出ガイド」を渡す時、「すぐには使わないかもしれないけど、病気になることもあるかもしれないから、お守り代わりに持っていてくださいね」と言うことにしています。

このように支援と言ってもできることは限られていますが、「あなたのことを気にしている人がいますよ」というメッセージを伝えることは(自己満足かもしれませんが)意味のあることだと思っています。

ぜひ「路上脱出ガイド」を取り寄せて、支援の空白地帯を埋める「路上スキマ部」活動にぜひあなたも参加してみてください!

 

 

 


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