病棟転換型居住系施設について考える院内集会に参加してきました

日々のできごと

5月20日(火)に衆議院第2議員会館で「病棟転換型居住系施設について考える院内集会」が開催されたので、参加してきました。

1795527_240795672775718_7449796690111821884_n

弁護士や精神医療関係者、障がい者団体の関係者らでつくる「病棟転換型居住系施設について考える会」の主催です。

「病棟転換型居住系施設」構想というのは、精神科病院での長期入院が問題視されているにもかかわらず、地域生活への移行があまり進んでいない状況を踏まえて、現在の精神科病院の病床を介護精神型施設、宿泊型の自立訓練施設などに転換することで、「地域移行を果たした」ことにしてしまおう、というものです。

昨年10月、厚生労働省の検討会で、この構想が一部委員から提案され、議論が始まっているとのこと。
精神医療の関係者や障がい者団体を中心に批判の声が高まっており、先日の東京新聞社説でも取り上げられました。

 

東京新聞社説:精神科病院 暮らしの場ではない(2014年5月19日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014051902000146.html

院内集会は正午から開始。会議室は満席で立ち見が出るほどでした。

DPI日本会議(障害者インターナショナル)事務局長の尾上浩二さんが開会あいさつ。

障がいのある人が地域で生きる権利を保障した障害者権利条約を日本政府が今年1月に批准したことに触れ、「多くの人の努力でかちとった障害者権利条約の真価が問われている課題だ」と危機感を表明されました。

その後、長谷川利夫さん(杏林大学)が基調報告。
長谷川さんは、病棟転換型居住系施設が設けられることになった場合、その資金は、現在、国会で審議中の医療・介護総合法案によって設置される「新たな財政支援制度」(904億円の基金)から拠出されることになり、その財源は消費税の増税分であることを指摘。
「これのどこが社会保障改革なのか?」と疑問を呈しました。

その後も様々な立場の方が発言をされましたが、最も印象に残ったのは精神科病院に長期入院をした経験のある方の話でした。

現在は埼玉県にあるグループホームで暮らしている76歳の男性は、22年間、精神科病院に入院をしていた経験を語り、「入院後8年したら症状も落ち着いたが、医師から『あんたは引き取り人がいないから、仕事もアパートも自分で探さないといけない。あんたの年齢と体力では無理。埼玉は民度が低いから精神病院を退院した患者を雇ってくれる人はいない』等と言われた。」と語りました。

もうお一人の男性も30年間入院した経験を語りました。この方も、医師に「退院したい」と何度も言ってもとりあってくれなかったと話していらっしゃいました。

私はこの集会に一参加者として参加をしていましたが、途中、司会からいきなり指名を受けたので、発言。

NPO法人自立生活サポートセンター・もやいでは、過去13年間に約2000世帯のアパート連帯保証人を提供してきたが、その中には路上生活の経験者だけでなく、精神科病院から退院してきた方もたくさん含まれていることを述べた上で、「住まいの権利」という視点からもこの構想を問題にしていきたいとアピールしました。

精神科病院からの地域移行が進まない背景には、アパートの入居差別や連帯保証人の問題もあると思われます。
だからと言って、病棟を宿泊施設に変えて「地域移行」だと強弁しても、そこに暮らす人々にとっては「地域で暮らしている」という実感は得られないでしょう。

このような姑息な手段ではなく、地域生活を阻んでいる社会的要因を一つずつ取り除いていくのが本筋ではないでしょうか。社会の側のハードルを撤廃していく努力が求められているのです。

ぜひ多くの方にこの問題に関心を持っていただきたいと思います。

この問題は、6月10日放映予定のNHK Eテレ「ハートネットTV」でも取り上げられる予定です。

ハートネットTVブログ「緊急取材中―精神科病院・20万人以上が1年以上の長期入院という現実―」

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/700/188176.html

 

 


>

« »