【中野区役所新庁舎問題】生活保護世帯を区民サービスから排除するな。パブコメ提出のお願い(9月1日まで)
生活保護ケースワーク業務の違法な外部委託に続き、中野区でまた大問題が発生しました。
中野区が区役所の新庁舎などの整備に関する計画案を発表し、9月1日(水)までパブリックコメントを募集しています。
その中で、新庁舎には生活保護担当課だけが入れず、道路を隔てた社会福祉会館(すまいる中野)に移されることが明らかになりました。
中野区区有施設整備計画
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/101500/d030169.html
中野区区有施設整備計画(案)(PDF形式:6,990KB)
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/101500/d030169_d/fil/8.pdf
区有施設整備計画(案)のP45に以下の記述があります(画像参照)
● 多様化・複雑化する生活相談に対応するため、生活相談・自立支援窓口は区役所新庁舎に配置し、庁内窓口や社会福祉協議会、すこやか福祉センター等との連携強化を図る。
● また、生活保護受給者の増加に伴うケースワーカーの増員に対応するため、生活保護窓口は社会福祉会館に配置する。
この計画案では、生活保護の手前で生活困窮者への相談支援をおこなう生活困窮者自立支援制度の窓口は新庁舎に設置されるものの、生活保護の決定後の相談や保護費の支給などは新庁舎ではなく、社会福祉会館で行なわれることになります。
生活保護の担当課だけが新庁舎から排除される理由は「ケースワーカーの増員に対応するため」とされていますが、「生活保護利用者には新庁舎に来てほしくない」という差別的な意図があるのではないかと私は疑っています。
この計画案を止めるため、9月1日(水)までにパブコメを送っていただくことをお願いいたします(メールでもOKです)。
以下は、私が送ったパブコメの文章ですので、ご参考にしてください。「修正理由」は短くても構いません。
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「中野区区有施設整備計画(案)」に係るパブリック・コメントの募集について
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/101500/d030940.html
中野区区有施設整備計画(案)へのパブリックコメント
*氏名:稲葉剛
*ページ番号 区有施設整備計画(案)のP45
*意見
2-2 「社会福祉会館・区役所新庁舎における生活援護機能の再編」について、生活保護担当課のみ区役所新庁舎ではなく社会福祉会館に移すという計画を撤回し、生活保護担当課も新庁舎内に移してほしい。
*修正理由
・計画案では、生活困窮者自立支援制度の担当課は新庁舎内に設置され、生活保護の担当課は社会福祉会館に移されることになっていますが、厚生労働省は各地方自治体に対して、この2つの制度は相互に連携して運用するように求めています。2つの担当課が別々の建物に設置されることになれば、両者の連携が取りにくくなり、結果的に利用者にしわ寄せがいくことが懸念されます。区役所の現庁舎同様、この2つの担当課は同一フロアに設置されるべきです。
・中野区は「新しい区役所整備基本方針」(2014年1月)において、「ワンストップ・クイック型サービスの充実」により区民サービスを向上させるという方針を提示しており、「新しい区役所整備基本計画」(2016年12月)では「新しい区役所は、障害のある方、高齢の方、お子様を連れた方、外国の方など、来庁したすべての方が不自由なく手続きや相談ができる、利便性の高い区役所とします。」という基本的な考え方が示しています。生活保護を申請した人は保護の決定後も、担当ケースワーカーと相談しながら、住民票手続きをおこなったり、高齢者福祉、障害者福祉、子育て支援等の相談をおこなうこともありますが、こうした場合、利用者は車道を隔てた2つの建物を行き来せざるをえなくなります。生活保護世帯の約8割は高齢者世帯及び障害者・傷病者世帯であり、移動により多大な不便を強いられることになります。言うまでもなく、生活保護利用者も区民であり、区のめざす「ワンストップ・クイック型サービス」を利用できるような設計にすべきです。
・生活保護担当課のみを新庁舎から排除するのは、差別の意図の有無にかかわらず、生活保護制度への社会の偏見や無理解、制度利用者への差別を助長しかねません。コロナ禍で生活困窮者が増加していることを踏まえ、厚生労働省は昨年から「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」という広報を強化しています。中野区が生活保護担当課のみを別の場所に移すという方針を強行すれば、「中野区は生活保護利用者を新しい庁舎に入れたくないと考えている」という憶測が広がることになり、その結果、生活保護利用者が今以上に肩身の狭いをしたり、困窮している人が申請をためらう事態になることも想定されます。早急な見直しを求めます。
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※パブコメは、「中野区に住所、勤務先、通学先のある方、中野区に事業所や事務所のある個人又は団体、案件に直接利害関係を有する方(利害関係を有する理由を記入していただきます)」が送ることができます。
上記にあてはまらない方は、「中野区に事務所がある一般社団法人つくろい東京ファンドを応援している市民」という記載でも大丈夫です。
急な話ですみませんが、ご協力よろしくお願いいたします。
2021年8月30日