5月15日(日) 若者憲法集会 全体会・シンポジウム

講演・イベント告知

若者憲法集会 全体会・シンポジウム

日時:5月15日(日)13時30分~15時30分
場所:有楽町朝日ホール アクセスはこちら。

■メインスピーカー
○稲葉剛さん(特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい理事、立教大学准教授)
○矢崎暁子さん(弁護士・名古屋北法律事務所)

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集会の趣旨などの詳細は、若者憲法集会2016のウェブサイトをご覧ください。

 

 

生活保護基準引下げは違憲!東京国賠訴訟がスタートします!

提言・オピニオン

安倍政権は2013年8月以降、3回にわたって生活保護基準を引き下げました。
引下げの幅は平均で7.3%、最大で10%にも及び、多くの人々の反対にもかかわらず、制度発足以来、最大の引下げが強行されました。

生活保護の基準が一方的に引き下げられたことにより、利用者の暮らしは大きなダメージを受けました。食事の回数を減らすなど、本来、国が保障すべき「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できなくなった人は少なくありません。

また、生活保護基準は他の低所得者対策の適用範囲を決める目安として機能しているため、低所得世帯の子ども向けの支援策である就学援助を受けられなくなる家庭が各地で出るなど、他の制度利用者にも悪影響が及びました。

生活保護基準は日本社会における「支援が必要な貧困状態」のラインを決めるもので、これを一方的に変更してしまうことは、政府が勝手に「貧困の定義」を変えてしまうことと同じだと言えます。

この引下げに対して、全国27都道府県で引下げ処分の取り消しを求める集団訴訟が起こされ、850人以上の生活保護利用者が立ち上がりました。

東京でも2015年6月に31世帯33人の利用者が国家賠償と保護費の減額取り消しを求める訴訟を起こしています。

この「生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟」がいよいよ本格的にスタートし、5月16日(月)に東京地裁の大法廷で第1回口頭弁論が行われます。

160516生保裁判

第1回口頭弁論では、弁護団長の宇都宮健児弁護士による口頭陳述も行なわれる予定です。

「貧困の定義」を勝手に変えた安倍政権にNO!を突きつけるために立ち上がった生活保護利用者を応援するためにも、ぜひ多くの方々の傍聴をお願いします。

口頭弁論の後には報告集会も予定されています。あわせてご参加ください。

以下は、生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟弁護団(はっさく弁護団)からの呼びかけです。

http://blog.goo.ne.jp/seihohassaku

生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟・第1回口頭弁論期日のご案内
2016年5月16日(月)午後2時~
東京地方裁判所103号法廷
(千代田区霞が関1-1-4・地下鉄霞ヶ関駅A1出口すぐ)

手荷物検査がありますので、早目に裁判所にお越しください。

終了後(午後2時50分ころ~)、裁判所近くで報告集会を行い、法廷のやり取りの解説や原告のお話等を予定しています。

報告集会はTKP新橋内幸町ビジネスセンター カンファレンスルーム615で行います。
東京都港区西新橋1-1-15 物産ビル別館6Fです。

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各種団体・ジャーナリスト・市民のみなさま

「生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟」の傍聴をお願いします!

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2016年4月

生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟原告団・弁護団(はっさく原告団・弁護団)

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-3-1岩波書店アネックス7階
東京駿河台法律事務所内
電話 03-3234-9133
弁護団事務局長  白木 敦士

わたしたちは、生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟弁護団・原告団です。
2013年8月1日以降3回にわたって実施された生活保護基準の引下げは、憲法25条に違反する違憲・違法のものであるとして、国などを相手取り、東京都内の生活保護受給者31世帯33人が、国家賠償と保護費減額の取消しを求めている訴訟の原告団・弁護団です(2015年6月19日提訴。現在は原告32人)。

その第1回口頭弁論期日が、2016年5月16日午後2時から、東京地裁103号法廷で開かれます。当日は、原告が裁判に向けた思いを語る意見陳述等が法廷で行われます。ぜひ、傍聴に来ていただきたいと思います(閉廷後、午後2時50分ころから、TKP新橋内幸町ビジネスセンターカンファレンスルーム615(港区西新橋1-1-15 物産ビル別館6F)で報告集会も予定しております)。

いま、生活保護費の引き下げに反対する全国の受給者たちが、国や自治体を相手取って、引き下げ処分の取り消しを求める集団訴訟を行っています。全国の原告は850人以上で、全国27の地方裁判所で訴訟が展開されています。東京地裁で行われる集団訴訟が、「生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟」です。
この訴訟は、受給者の人権尊重を前面に押し出した憲法訴訟です。

しかも、今回の基準引き下げは、加算部分ではなく、ベースとなる保護基準の「本体」そのものを引き下げるものであって、引き下げ幅も大きく、受給者の生活を直撃するものです。生活保護基準の「本体」の合憲性が正面から争われるという点では朝日訴訟以来であり、憲法訴訟としても大きな意義を有する裁判になります。

裁判を勝ち抜くためには、多くの皆さんの知恵とパワーを結集する必要があります。生活困窮者問題に関心のある方、高齢者・障がい者や母子家庭の問題に関心のある方、社会的弱者の人権擁護に関心のある方、憲法問題に関心のある方など、多くの方々に裁判傍聴に加わっていただき、受給者の生活と権利を守る闘いを共に進めていきましょう。

関連記事:「生活保護利用者の人権は制限してもよい」の先には、どのような社会があるのか?

4月29日(金・祝) 千葉市住宅支援シンポジウム「安心できる住まいを!」~生活困窮者自立支援制度と住宅支援~

講演・イベント告知

https://www.facebook.com/events/899505046837242/

千葉市住宅支援シンポジウム「安心できる住まいを!」~生活困窮者自立支援制度と住宅支援~

日時:2016年4月29日 13:30 – 16:30

場所:千葉県弁護士会館3F講堂(千葉市中央区中央4-13-9)

地図はこちら。

■基調講演
『生活困窮者自立支援制度とハウジングプア』
稲葉 剛さん(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事 ほか)

■行政報告
○千葉市における生活困窮者自立支援事業と一時生活支援事業
市原 智久さん(千葉市保健福祉局保護課)

■千葉市における困窮者の住宅問題
○千葉市における無料低額宿泊施設について
常岡 久寿雄さん(弁護士:たすく法律事務所)

○千葉市生活自立・仕事相談センター稲毛の住宅支援の取組み
金田 由希さん(ワーカーズコープちば)

■パネルディスカッション
■参加者紹介

<主旨説明>
ワーカーズコープちばでは生活困窮支援の相談窓口である千葉市生活自立・仕事相談センター稲毛を受託し、生活にお困りの方に包括的な支援を行ってきました。

そのなかで、失業や家賃滞納、DVなどさまざまな理由で家を失う人の相談、家を借りることが難しいために困窮状態に陥ったり、困窮から抜け出すことが困難な事例に数多く関わってきました。

これらの相談対応をする中で、わたしたちは住宅支援の必要性を強く感じ、2015年8月からは市内で生活困窮者向けのシェアハウスの運営を開始しました。

2016年度からは千葉市が生活困窮者自立支援法に基づく一時生活支援授業(住宅支援)を開始します。

千葉市での生活困窮者に対する住宅支援をどのように発展させていくべきか、皆さんと一緒に考えたいと思います。
どうぞ多くの方のご参加をお待ちしております。

資料代:500円

主催:企業組合労協船橋事業団(ワーカーズコープちば)

お問い合せ:TEL 043-207-7070
千葉市生活自立・仕事相談センター稲毛(金田・菊地)

【2016年3月24日】 中日新聞特集「老いて追われる」にインタビュー記事が掲載

メディア掲載

2016年3月24日付けの中日新聞の特集「新貧乏物語 第2部・老いて追われる」に、稲葉のインタビューに基づく記事が掲載されました。

4月2日付け東京新聞にも同じ記事が掲載されました。

無題

なお、この記事はインタビューに基づいて記者がまとめた文章で構成されています。内容の事前チェックは行なっていないため、稲葉が通常は使っていない言い回し(「中流から転落」)が含まれています。ご了承ください。

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/binboustory/list/CK2016032402000254.html

新貧乏物語 第2部・老いて追われる <特集>終のすみか求め

若い世代にも迫る危機 年金や格差、根の深い問題

自立生活サポートセンター・もやい 稲葉剛理事(46)

住まいを追われて困窮する高齢者には、どんな支援が必要なのか。NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)の稲葉剛理事は、低年金や無年金に直面する恐れがある若い世代にとっても差し迫った課題であると指摘。その上で、「社会全体で考えていくべき問題だ」と強調する。

 

高齢者の生活保護受給者は増え続け、すべての受給者のほぼ半数に達します。アベノミクスで景気は良くなっていると言われていますが、格差は広がるばかりです。

そんな中、問題は経済的な貧困だけではなく、住まいの貧困にまで広がっています。高齢者の民間アパートへの入居は難しく、介護が必要な場合、特別養護老人ホームなどの公的施設も不足している。この現状をいち早く改善しなければいけません。

現在、もやいでは約九百世帯の困窮者の生活をサポートしていますが、六十五歳以上の高齢者が半分を超えています。さらに、その九割強が単身世帯。事業に失敗した自営業者が目立ちますが、介護離職や病気によって中流から転落した人もいます。

特に首都圏では東日本大震災後、住宅の耐震性の重要さが見直され、数が少ない公営住宅の代わりに低所得者の受け皿になってきた木造アパートの建て替えが急速に進んでいます。家賃が跳ね上がって倍近くになり、強制的に追い出される例も少なくありません。居場所をなくした高齢者が、貧困ビジネスの犠牲になることもあります。

高齢者の苦しみは、実は若い世代にも迫っています。年齢が下がれば下がるほど非正規雇用が拡大しており、現在の年金制度上では、将来的に低年金や無年金になる可能性が非常に高い。だから、今は心配ないと思っている若い人たちにとっても、決して人ごとではない。世代に関係なく、社会全体で考えていくべき問題です。

(西田直晃)

<いなば・つよし>1969(昭和44)年、広島市生まれ。東京大教養学部卒。2001年、もやいを設立し、ホームレスや生活困窮者の保証人を引き受け、民間アパートへの入居を支援している。立教大院特任准教授(居住福祉論)。著書に「生活保護から考える」など。

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