【2018年8月16日】 東京新聞夕刊でLGBT支援ハウス開設プロジェクトが紹介

メディア掲載

2018年8月16日付け東京新聞夕刊で、「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」の活動が紹介されました。稲葉のコメントも掲載されています。

LGBT支援ハウス開設に向けたクラウドファンディングは9月末まで継続中です。引き続き、ご協力をお願いします。

日本初!貧困・孤独・病気 負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくりたい!

 

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018081602000280.html

貧困LGBTに住まいを NPOが「支援ハウス」資金募集

生活に困窮したLGBTなど性的少数者の自立に向けた場をつくろうと、東京都内のNPO法人などが協力し、当事者が一定期間、住居に利用できる個室シェルター「LGBT支援ハウス」を開設する。九月末まで、物件資金など百五十万円をインターネットのクラウドファンディングで募っている。 (奥野斐)

「家族にゲイ(男性同性愛者)だとばれて、『気持ち悪い』と言われてけんかになった。それが、家出の引き金でした」。都内在住の介護施設職員の男性(40)は、十四歳で家を出た当時を振り返った。

当事者が多い新宿二丁目周辺で知り合った男性の家を転々とし、数カ月間、生き延びた。「学校でもいじめられ、家にも居場所がなかった。大人に助けを求めようとは思わなかった」

幸い、年上のパートナーと出会い、ホームレス状態を脱した。エイズウイルス(HIV)感染が判明したが、今も共に暮らす。「自分のような人が前に進むきっかけの場があれば」と話す。

生活困窮者支援をする立教大大学院特任准教授の稲葉剛さん(49)によると、男性のように十、二十代で家出したLGBTの若者からの相談は少なくない。職場の無理解で退職に追い込まれる例も目立つ。国内で正式な調査はないが、英国では若年ホームレスの四人に一人、米国では約四割がLGBTとの統計もある。

自治体などのシェルターは男性向け個室が少ない。取り組みに関わるNPO法人「ぷれいす東京」代表の生島嗣(ゆずる)さん(59)は「相部屋では、同性間の性暴力から逃れた男性や、トランスジェンダー男性の安心、安全が守られない」と個室の必要性を説く。開設を目指すシェルターは、当面は中野区内に一室を借り、秋から運用する予定。利用者を恒久的な住居や生活保護、医療サービスにもつなぐ。

LGBTを巡っては、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌への寄稿文で「実際そんなに差別されているものでしょうか」とした。取り組みに協力する認定NPO法人「グッド・エイジング・エールズ」代表の松中権(ごん)さん(42)は「まだまだ見えない差別や偏見があり貧困や孤独、病気の負の連鎖に陥る人がいる。こうした現状に目を向けて」と訴える。

クラウドファンディングの呼び掛け団体は「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」。「グリーンファンディング」のホームページから「LGBT支援ハウス」で検索。

◆男性同性愛者7割 両親に伝えず

NPO法人ぷれいす東京が、男性同性愛者を主な対象に実施し昨年度公表した調査=円グラフ参照=では、回答者約七千人の七割にあたる69・9%が、両親にカミングアウト(同性愛者だと伝えること)をしていなかった。職場や学校でも66・2%は公表していない。多くの当事者が秘密を抱えて暮らしており、姿が見えにくい現状がある。

調査は、インターネットの出会い系アプリ利用者に、二〇一六年九~十月に実施。「日常生活で悩みやストレスがあるか」との問いに90・8%が「ある」と回答し、厚生労働省「国民生活基礎調査」(二〇一〇年)の同様の項目での男性回答42・4%の倍以上だった。原因を複数回答で聞くと、仕事(69・8%)、収入・家計・借金等(61・8%)に続いて、恋愛・性に関すること(61・5%)、家族以外との人間関係(52・5%)が多かった。

また、住む家がなくなった経験がある人は全体の5・2%と、約二十人に一人。過去に性行為をして金銭を受け取った経験がある人は22・7%に上った。

 

関連記事:[19]LGBT支援ハウスがなぜ必要なのか? – 稲葉剛|WEBRONZA – 朝日新聞社の言論サイト

 

 

9月1日(土) 東長寺仏教文化講座「子どもの貧困を克服できる社会をめざして」

講演・イベント告知

東京都新宿区にある曹洞宗・東長寺主催の「仏教文化講座」で講演をさせていただくことになりました。

東長寺はこども食堂を定期開催していることでも知られています。

ぜひご参加ください。

http://www.tochoji.jp/

仏教文化講座「子どもの貧困を克服できる社会をめざして」 

元旦を除く毎月1日は、羅漢堂にて下記の要領にて仏教文化講座を開設しています。
檀信徒のみならず、広く一般の方にも参加していただけますので、お誘い合わせの上ご来山下さい。なお参加費は無料です。

「子どもの貧困を克服できる社会をめざして」 

稲葉剛氏(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事)

9月1日(土)
開場:午後4時半/開講:午後5時
曹洞宗 萬亀山 東長寺羅漢堂にて
アクセスは、こちら。

参加費無料、事前予約不要。

 

いま、日本国内では7人に1人の子どもが相対的な貧困状態に置かれています。

近年は「子どもの貧困」問題への社会的な関心が高まり、子ども食堂の取り組みも全国2200ヶ所以上に広がっていますが、その一方で「子どもの貧困」の原因となっている「子育て世帯の貧困」「大人の貧困」をどうするか、という視点からの対策はまだまだ不充分だと私は考えています。

「子どもの貧困」を克服するために何が必要なのか、一緒に考えていきます。

(プロフィール:1994年より生活困窮者の支援活動に関わる。立教大学大学院特任准教授。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人など。著書に『ハウジングファースト』(共編著、山吹書店)、『生活保護から考える』(岩波新書)、『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)など。)

【2018年8月2日】朝日新聞「住を支える そしあるハイム火災から半年」にコメント掲載

メディア掲載

2018年8月2日付け朝日新聞朝刊「住を支える そしあるハイム火災から半年(上)困窮者の物件、届かぬ支援」に稲葉のコメントが掲載されました。

新たな住宅セーフティネット制度の課題について述べています。ぜひご一読ください。

 

https://www.asahi.com/articles/CMTW1808020100005.html

住を支える そしあるハイム火災から半年

2018年8月2日11時55分

(上)困窮者の物件、届かぬ支援

「家賃が安かったから『そしあるハイム』に入居した。我々みたいな人間は、ああいう古い木造のところに住むしかない」

札幌市東区の生活困窮者向け共同住宅「そしあるハイム」で1月に発生し、入居者11人が死亡した火災。2階の窓から飛び降りて助かった元入居者の中島勲さん(76)は振り返った。

ハイムの家賃は月3万6千円と安かったが、建物は木造で築50年ほど経過し、老朽化が進んでいた。火の回りが早く、被害拡大につながったとみられている。

中島さんは家賃の滞納で自宅アパートから退去し、知人の紹介でハイムに入った。経済的に困窮した人たちは、家賃滞納の懸念から一般的な賃貸住宅の入居を断られることが多い。その結果、家賃は安いが火災や災害に脆弱(ぜいじゃく)な物件にたどり着くことになる。

「入居断らない」

こうした人たちの住まいを確保するため、国は昨年10月、新たな住宅支援策を始めた。困窮者や高齢者、障害者らを「住宅確保要配慮者」と位置づけ、要配慮者の入居を断らない物件を「セーフティネット住宅」として都道府県や政令指定市などに登録する。登録には、耐震性や面積などの基準を満たす必要がある。

制度が始まって9カ月。住宅の登録数は伸びていない。7月30日現在、全国で1140戸。国は2020年度末までの目標として17万5千戸を掲げるが、達成率はわずか0・7%だ。

物件を登録した不動産業者は「面積など登録に必要な条件が厳しいうえ、図面提出や書類準備などの手続きが大変だった。他の業者は嫌がったのではないか。民泊をやった方が手っ取り早い、となる」と明かす。

国土交通省は7月、住宅セーフティネット法の施行規則を改正し、申請手続きを簡素化する対応を取った。図面の一部や建物の登記などの提出を原則不要にし、事務負担を軽減。25平方メートル以上とする面積要件は元々、自治体の判断で緩和が認められていたが、実際に緩和する自治体は少なく、国は同月、改正に合わせ改めて全国に周知した。

登録の地域的な偏りも課題になっている。都道府県別でみると、大阪が438戸で飛び抜け、東京162戸、山梨88戸、岡山81戸と続く。一方、登録ゼロは青森、長野、三重など24県で、10戸未満も宮城、埼玉、福岡など8道府県ある。

大阪府の登録戸数が突出している背景には、国が制度を始める以前から、府が同様の登録制度を独自に実施していたことがある。すでに府に登録されていた物件を、国の新制度へ移行させている最中だという。

「ぼやける対象」

府の登録戸数は全国最多なものの、全てが低所得者や生活困窮者の支援を目的にしているわけではない。全体の約半数にあたる211戸はサービス付き高齢者向け住宅と旧高齢者向け優良賃貸住宅(制度は現在廃止)。高優賃の物件を登録した不動産業者は「府内は介護事業者が多く、高齢の入居者の奪い合い。国の制度で安心感もあるし、物件を知ってもらおうと登録した」と狙いを話す。

北海道の登録は札幌市と帯広市の計8戸。札幌の業者は、地震などの自然災害で被災した人たちに住居を提供することを目的にマンションを登録した。「セーフティネットといっても、そしあるハイムの火災の件とは趣旨が別」という。

立教大大学院の稲葉剛特任准教授(居住福祉論)は「国が定義する『要配慮者』の範囲が広すぎるため、どの層を支援のターゲットにするかがぼやけてしまっている。困窮者にとって有効に機能させるには、家賃補助の利用をもっと進めていく必要があるのではないか」と指摘する。(布田一樹、磯部征紀)

札幌市の共同住宅「そしあるハイム」で入居者11人が死亡した火災から半年。火災は、低所得者や身寄りのない高齢者らが安全な住まいに行き着くことの難しさを浮き立たせた。住まいのセーフティーネットをめぐる現状と課題を探る。

◆キーワード

<セーフティネット住宅> 生活困窮者や高齢者、障害者といった住宅確保に配慮が必要な人の入居を拒まない賃貸住宅。昨年10月に施行された改正住宅セーフティネット法で登録が始まった。貸主が物件を都道府県などに登録すると、物件情報がホームページで公開される。国と自治体から耐震改修工事などにかかる費用の3分の2(最大100万円)まで補助される。低所得者への家賃補助として最大4万円の助成を受けられるが、いずれも自治体がそのための予算を計上していることが条件だ。

 

関連記事:【2018年2月9日】毎日新聞などに札幌・自立支援住宅火災の背景を論じた記事が掲載

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