講演・イベント告知
生活保護問題対策全国会議 設立9周年記念集会
「健康で文化的な生活」は何処へ?~権利としての生活保障を求めて
予算の削減が続く社会保障の現場は一触即発。保育の分野では「保育園落ちた」という一個人のブログが大きなうねりを巻き起こし、高等教育の分野でも給付型奨学金の創設が政治課題となりつつあります。
時代の転換点にある今、生活保護の分野でも、バッシングを乗り越えて、制度への理解と利用を促すにはどうすればよいか。全国27都道府県で900名近い当事者が原告として提訴している生活保護基準引下げ違憲訴訟を足場に取り組めることは何か。
各界のパネリストの方々とともに考えたいと思います。
【日時】7月18日(月・海の日)13時~17時(受付開始12時30分)
【場所】ハイライフプラザいたばし
東京都板橋区板橋1-55-16 板橋区立ハイライフプラザ
TEL 03-5375-8105
JR埼京線「板橋」駅西口より徒歩1分
都営地下鉄三田線「新板橋」駅A2・A3出口より徒歩3分
事前申込不要・入場無料
【プログラム】
13:00 開会挨拶・基調報告
「生活保護をめぐる最近の状況」
小久保哲郎(弁護士、当会議事務局長)
13:10 「当事者アンケートにみる生活保護基準引き下げの影響」
山田壮志郎さん(日本福祉大学社会福祉学部准教授)
【プロフィール】1976年生まれ。日本福祉大学大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。社会福祉士。2010年4月より現職。専攻は公的扶助論。著書に『ホームレス支援における就労と福祉』(明石書店、2009年。同書で第16回社会政策学会賞受賞)。『無料低額宿泊所に関する研究』明石書店、2016年)。
13:30 当事者発言
13:45 基調講演「大きなパイを隠してるのは誰?こんな分け前じゃ生きられない!」
さいき まこ さん(漫画家)
【プロフィール】2013年『陽のあたる家 ~生活保護に支えられて~』(秋田書店刊)を出版。「生活保護を日本で最初に本格的に取り上げた漫画」として新聞各紙、テレビ番組などで取り上げられ話題となる。2014年「貧困ジャーナリズム大賞」特別賞を受賞。2015年『神様の背中 ~貧困の中の子どもたち~』(秋田書店刊)を出版。
14:35 休憩
14:50 パネルディスカッション「権利としての生活保障を求めて」
コーディネーター 稲葉剛さん(住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)
パネリスト
花井圭子さん(労働者福祉中央協議会事務局長)
我那覇圭さん(東京新聞政治部記者)(予定)
山田壮志郎さん(日本福祉大学准教授)
さいき まこさん(漫画家)
16:25 まとめ 「これからの私たちの取り組み」
尾藤廣喜(弁護士、当会議代表幹事)
【主催】生活保護問題対策全国会議
【後援】公正な税制を求める市民連絡会
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2016年6月22日
講演・イベント告知
http://www.rikkyo.ac.jp/aboutus/philosophy/activism/human_rights/events/info/2016/06/17857/
立教大学人権・ハラスメント対策センター主催
2016年度 春季人権週間プログラム
講演会『若者の貧困―住まいとジェンダーの視点から―』
人権・ハラスメント対策センターでは、毎年『人権週間プログラム』を開催しています。
池袋キャンパスにおいて、講演会『若者の貧困―住まいとジェンダーの視点から―』を企画しました。
今や社会問題にもなっている、若者の貧困。それは、本学の学生が現在あるいは将来直面するかもしれない身近な問題であり、池袋キャンパス周辺で働き暮らす人々の地域の問題でもあります。これまでさまざまな生活困窮者の支援に携わってこられた稲葉剛氏に若者の貧困、特に住居問題から見えてくる課題について、ジェンダーの視点も交えたテーマでご講演いただきます。
<稲葉 剛氏の略歴>
1994年より東京・新宿を中心に路上生活者支援活動に取り組む。2001年、湯浅誠氏らと共に自立生活サポートセンター・もやいを設立し、幅広い生活困窮者の相談・支援を開始。2014年、一般社団法人つくろい東京ファンドを設立し、空き家・空き室活用による低所得者支援を事業化。2015年、本学21世紀社会デザイン研究科特任准教授に就任、貧困・社会的排除、居住福祉論を担当している。
たいへん貴重な機会ですので、みなさんどうぞご参加ください!!!
日時 2016年7月15日(金) 18:30~20:30(予定)
場所 立教大学池袋キャンパス 11号館2階 A203教室
*池袋キャンパスまでのアクセスはこちら。
*池袋キャンパス内案内図はこちら。
講師 稲葉 剛 氏
(立教大学 21世紀社会デザイン研究科 特任准教授)
対象者 本学学生、教職員、一般
受講料 無料
申込 不要(当日は、直接会場へお越しください)
主催 立教大学人権・ハラスメント対策センター
共催 立教大学ジェンダーフォーラム
問合せ先 立教大学人権・ハラスメント対策センター
(池袋) TEL:03-3985-3192
(新座) TEL:048-471-7396
jinken@rikkyo.ac.jp
2016年6月22日
メディア掲載
2016年6月18日付けの朝日新聞夕刊記事で、稲葉が代表理事を務める「つくろい東京ファンド」の活動が取り上げられました。稲葉のコメントも出ています。ぜひご一読ください。
http://www.asahi.com/articles/ASJ6J62W9J6JULZU012.html
米で路上生活86歳、帰国へ ネット募金、支援広がる
平山亜理=ロサンゼルス、清川卓史
2016年6月18日11時43分
米国で長年暮らし、数年前からホームレスになっている86歳の日本人男性が22日に帰国する。路上生活から救おうと、日米両国の支援者が連携。帰国費用を寄付で集め、日本で暮らす部屋もすでに確保した。
男性は茨城県出身の宮田満男さん。日本の土を踏むのは44年ぶりで、「帰国したら親の墓参りをしたい」と話している。
宮田さんは1970年代初めに渡米。和風住宅のリフォームを日本の会社に頼まれたからだったが、依頼主が倒産して帰国費用もなくなった。日本に残した妻と娘とは連絡がとれなくなり、米国にとどまった。
その後、ロサンゼルスの日本人コミュニティーを中心に大工仕事をした。経済的に余裕もできたが、家族を探そうとはせず、帰国もしなかった。
高齢で仕事が減って、日本料理店でも働いたが家賃が払えなくなり、2010年から路上生活に。アルミ缶などを集めて食費を稼ぎ、夜はトンネルや工事現場で寝た。「ホームレスになったとき、妻子を放置した罰があたったと思った」。自殺しようと山に入り、警察に呼び止められたこともあったという。
転機は近所に住む米国人で映像関係の仕事をしているキース・ハムさん(34)との出会いだ。「日本の夢ばかり見る」とつぶやきながら働く宮田さんの姿に胸を痛めたハムさんは、路上生活の様子を撮影して動画にまとめた。今年1月、その動画を活用してクラウドファンディング(インターネットを通じた募金)で寄付を呼びかけると、約250人から1万2千ドル(約125万円)が集まった。
現地で暮らす日本人も支援に乗り出した。ロス在住の森尻桂子さん(42)もその一人。宮田さんから「日本人かい?」と声をかけられ、数年前から料理を届けるなど交流してきた。森尻さん一家は宮田さんに付き添って帰国する。米国で宮田さんと長く付き合っている日本人の村上真二郎さん(69)は、動画で苦境を知り、帰国の日まで自宅に泊めることを申し出た。
日本側では、住まいを失った生活困窮者の支援活動をしている「つくろい東京ファンド」が東京都新宿区に家賃月約5万4千円の部屋を借り上げ、また貸しする。稲葉剛代表理事は「日本では単身高齢者が賃貸住宅に入居するハードルは非常に高い。寄付金が尽きれば、生活保護申請のお手伝いをするなど今後の生活も支えたい」と帰国を待つ。
宮田さんは旅券の再発行申請の際、日本総領事館を通じて家族のことを調べてもらった。娘は亡くなっていたが、20代の孫娘が神戸市にいると聞いた。朝日新聞の取材に、孫娘は施設で育って両親の顔を知らないと明かし、「おじいさんが生きていてうれしい。いつか会いたい」と語った。(平山亜理=ロサンゼルス、清川卓史)
※一般社団法人つくろい東京ファンドは、「市民の力でセーフティネットのほころびを修繕しよう!」を合言葉に2014年に設立されました。寄付も募集しておりますので、ぜひご協力をお願いします。詳しくは下記のイラストをクリックしてください。
※関連記事:【2015年4月9日】 産経新聞に個室シェルター「つくろいハウス」に関する記事が掲載
2016年6月21日
提言・オピニオン
私が世話人を務める住まいの貧困に取り組むネットワークでは、参議院選挙に向けて、主要政党に住宅政策に関するアンケート調査をおこないました。
その結果、民進党、日本共産党、生活の党と山本太郎となかまたち、社民党、おおさか維新の会の5党からご回答をいただきました。ありがとうございました。
残念ながら、自民党、公明党からは回答をいただけませんでした。
質問項目と回答結果は以下のとおりです。
1.住宅確保に特に配慮を要する人々への住宅支援策について、住宅セーフティネットの強化はどのような手段でなされるべきだと考えるか?
「1.公的な保証制度の拡充」、「2.低所得者への家賃補助」、「3.低所得者への敷金の貸付あるいは補助」、「4.家主への家賃補助」、「5.礼金請求等に関する規制」、「6.借上げ公営住宅の拡充」、「7.その他」、「8.わからない」から選択をしてもらう(複数回答可)。
民進:1、2、4に賛成
共産:1、2、3、6、7に賛成
生活:1、2、3、4、6に賛成
社民:1、2、6、7に賛成
お維:7に賛成
2.低所得の働く若年単身世帯への家賃補助は、「必要」か、「必要ない」か?
民進:必要
共産:必要
生活:必要
社民:必要
お維:必要ない(別施策で手当て)
3-1.準公営住宅の供給は、「必要」か、「必要ない」か?
民進:どちらともいえない
共産:必要
生活:必要
社民:必要
お維:無回答
3-2.低所得の若者を公営住宅の裁量階層に含めることは、「必要」か、「必要ない」か?
民進:どちらともいえない
共産:必要
生活:必要
社民:必要
お維:無回答
「その他」の意見内容や各項目に関するコメントは下記をご覧ください。
「野党共闘」を進めている民進、共産、生活、社民の4党が「低所得者向けの家賃補助」、「低所得の働く若年単身世帯への家賃補助」、「公的な保証制度の拡充」が必要である、という点で一致しました。
ぜひこのアンケート結果を参議院選挙の投票の参考にしていただければと思います。また、選挙戦において住宅政策が争点となるよう、引き続き、働きかけていきます。
2016年6月17日
提言・オピニオン
参議院選挙の投票日(7月10日)まで一ヶ月を切りました。
この選挙の争点の一つが、子ども、若者、高齢者など、世代を越えて拡大する国内の貧困問題への対応であることは言うまでもありません。しかし、今からたった10年前には、国内の貧困が政治的な課題になる、ということは全く想像もできないような状況でした。
1990年初頭のバブル経済崩壊以降、路上生活者など生活に困窮する人の数は増加の一途をたどっていましたが、当時はそのことを国内の貧困問題として認識する人はほとんどいませんでした。
貧困が注目され、可視化されるようになったきっかけは、皮肉にもその存在を否定しようとした当時の大臣の発言です。
2006年6月16日付け「朝日新聞」朝刊に掲載されたインタビューの中で、小泉政権の経済政策を担ってきた竹中平蔵総務大臣(当時)は「社会的に解決しないといけない大問題としての貧困はこの国にはない」と明言したのです。
今から見ると、噴飯ものの発言ですが、ただ、こうした認識は2006年時点では珍しくありませんでした。
当時、NPO法人もやいには、NHKの『ワーキングプア』取材班など、複数のテレビ局チームが常時、生活困窮者支援の現場の取材に来ていましたが、その取材クルーが苦労していたのは、それぞれの局の上層部に「日本で貧困が広がっている」ということを前面に打ち出した番組を放映することを認めさせることでした。
政治家だけでなく、マスメディアの関係者の間でも2006年の時点では、「国内に深刻な貧困問題は存在しない」という認識が一般的だったからです。
竹中発言に憤りを覚えたもやい事務局長(当時)の湯浅誠は、国内の貧困問題を可視化するための新たな運動を始めることを決意し、「反貧困」をスローガンとした社会運動を展開していくことになります。
そして、それが2008~2009年の「年越し派遣村」につながる動きへと発展し、ようやく貧困が政治の場で議論される状況が生まれていきました。
その意味で、今年の夏は日本社会で貧困が「再発見」されてから、ちょうど10年という節目の年にあたると言えます。
この10年間、国内に貧困問題が存在することは誰の目にも明らかになりました。子どもの貧困対策法や生活困窮者自立支援法といった貧困対策を打ち出した法律も制定されました(特に後者の法律にはさまざま問題がありますが)。
しかし、貧困対策のかなめである生活保護の基準は引き下げられ、アベノミクスは国内の格差と貧困をさらに拡大させています。
この10年の間に、国内の貧困はどのように変化し、貧困対策はどこまで進んだのか。参議院選挙を通して問うていきたいと思います。
※関連記事:仕事さえあれば、貧困から抜け出せるのか?~生活困窮者自立支援制度の問題点
2016年6月16日
提言・オピニオン
6月12日(日)、若者を主体とする CALL for HOUSING DEMOCRACY による「家賃下げろデモ」がおこなわます。
この間、安全保障関連法反対や最低賃金引き上げなど、さまざまなイシューで若者による社会運動が盛んになっていますが、住宅政策に関する若者主体のデモは初めてになります。
ぜひご参加ください。報道関係者の方は取材をお願いします。
以下は主催団体によるステートメントです。ぜひご一読ください。
call for housing democracy/住宅政策にデモクラシーを
わたしたちは、すべての人が住宅を自分たちの意思に基づいて選択でき、全ての人が文化的な生活を営める住宅政策の実現を求めます。
今日、多くの人びとにとって住まいは安心ではなく不安の元となっています。持家に住む人にとっても、賃貸に住む人にとっても、 住居費負担は増える傾向にあります。とりわけ多くの若者・高齢者は収入のほとんどを住居費に費やしています。 親元を離れて自立できない若者の増加が指摘されますが、その多くは高い住居費を理由とした「望まない選択」です。 ビッグイシューの調査によれば、 20 代/30 代で未婚・年収 200 万円未満の若者は、4 分の 3 が親元にいるとされています。 東北・熊本で相次ぐ震災で家を失った被災者は、将来の住まいについて大きな不安を抱えています。街中でネットカフェ難民が増え脱法ハウスが蔓延する背景にも、良質・低廉な住宅の不足があります。こうした現状に住宅政策によって対応することは喫緊の課題です。
日本では、 長いあいだ「 持家重視」の住宅政策が行われてきました。 これまでの雇用・家族を前提として人生計画を立てローンを組むことを政策的に援助してきたのです。反面、このような政策は「賃貸軽視」でもありました。日本の公営住宅は少なく、国際的に見てもわずかしか供給されていません。近年、 雇用や家族のあり方が変わった結果、 個人や世帯にとって選択肢たりえる賃貸住宅がないことによって、生活の土台が掘り崩されています。
わたしたちは、 現在の住宅政策のオルタナティブとして、 住宅手当の抜本的拡充を求めます。 これによって、入居者にとって住宅の選択の幅が広がるだけでなく、住宅費の負担も軽減されます。 現在、公営住宅の倍率は数十倍にも及びます。公営住宅を抜本的に拡大しないことには、入居できる人とできない人との不公平を解消できません。 このように、賃貸住宅に公的に支援を行うことによって、 持家取得を多くの人びとにとってよりゆとりをもった選択肢とすることができます。すべての人びとが安心できる住宅市場をつくるためには、政策の重点を民間賃貸で暮らす人びとの必要に置き、住宅手当による居住の安定という「ボトムアップ型」の住宅政策からはじめるべきです。
そのためには、住宅問題に取り組むことを公的責務として捉えることが必要とされています。現在、政治の場で「住宅」が重要な争点とされることはほとんどありません。持家重視の政策の背景にある、住宅問題を「 個人の甲斐性」「 自己責任」であるという認識を転換する必要があります。 すべての人びとの必要に見合うかたちで十分な住宅を保障することは公的責務です。
第 2 回国連人間居住会議「 ハビタットⅡ」において、居住の権利は基本的人権として国際的に認められています。 これまでの住宅政策は、経済成長を優先し居住の権利を軽視してきました。 これからの住宅政策は、 憲法 25 条の精神に基づいた権利としての政策へと、その基本理念と方向性を転換する必要があります。 すべての人びとに十分で安定した居住を保障するため、わたしたちは住宅手当の拡充による民主的な住宅政策の実現を求めます。
住宅手当で家賃を下げろ、住宅保障に税金使え、 住宅にデモクラシーを!
若者の住宅政策に関する政党アンケートを実施!14日に発表します。
また、私が世話人を務める住まいの貧困に取り組むネットワークでは、参議院選挙に向けて各政党に「低所得の働く若者対象の住宅セーフティネット施策」に関するアンケート調査を実施しています。
若年層の住まいの貧困が広がっていることを受けて、家賃補助や準公営住宅の設置等の必要性について、主要政党の見解を求めています。
このアンケート結果は、6月14日(火)に開催される「住まいは人権デー」集会で発表されます。
6月14日(火) 「住まいは人権デー」の夕べ ―住宅セーフティネットと若者の住宅問題
こちらもぜひご注目ください。
これらの動きを通して、深刻化する住宅問題を参議院選挙の争点にしていきたいと思います。ご協力よろしくお願いします。
※関連記事:障害者差別解消法施行!障害者への入居差別はなくせるのか?
2016年6月10日
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