講演・イベント告知
http://www.bigissue.or.jp/activity/info_150208jutakuform_1.html
『市民が考える若者の住宅問題』
『若者の住宅問題』―住宅政策提案書[調査編]― 発表シンポジウムのご案内
日時:2015年2月8日(日)14時~16時半(13時半より受付開始)
場所:損害保険ジャパン日本興亜 本社ビル2F 大会議室
ビッグイシュー基金では、住宅政策の再構築が日本の貧困問題解決の切り札ではないかと考え、2013年より「住宅政策提案・検討委員会」を開き、同年10月「住宅政策提案書」をまとめました。これに続き、政策提案を裏付けるために2014年8月、首都圏/関西圏に住む ①若年(20~39歳・学生除く) ②未婚 ③低所得層(年収200万円以下)の男女を対象に調査を実施し、1767人の回答を得ました。そしてこの結果を同年12月、『若者の住宅問題』―住宅政策提案書[調査編]―としてまとめました。
この調査では、低賃金で過酷な住居費負担にあえぎながら、6.6%もの人が広義のホームレス状態を経験している一方で、4人に3人が親と同居せざるを得ない状況にあること。そして4割弱が「無職」、3人に1人が「大卒」、「いじめ経験者」、3割弱が「うつ病経験者」であることなど、「無業・ひきこもり」の人々や社会的不利・困難を抱えた若年層の状況も明らかにしています。
この調査報告・分析をまとめた平山洋介委員長をはじめ、各委員が参加し下記の要領でシンポジウムを開催します。第3部では参加者の皆さまをはじめ、関係NPOの方にもご発言いただくトークセッションの場を設けています。ふるってご参加ください。
→シンポジウムチラシはこちらよりご覧になれます。
【日時】2015年2月8日(日) 14時~16時半 (13時半より受付開始)
【場所】損害保険ジャパン日本興亜 本社ビル2F 大会議室
住所:〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1(最寄駅:新宿駅西口より徒歩10分)
【アクセス地図】http://www.sjnk.co.jp/company/outline/map
【定員】250名(先着順)
【参加費】1,000円(『若者の住宅問題』等、資料代を含む)
【お申込み方法】お申込みフォームよりお申し込みください。
【内容】当日配布の『若者の住宅問題』をもとに以下のテーマで話し合いをします。
※報告書を事前にご希望の方は基金HPをご参照の上、お申込みください。PDF版も公開中です。
『若者の住宅問題』PDF版
第1部 「若年・未婚・低所得層の住宅事情について」
・平山洋介 委員長 (神戸大学大学院 人間発達環境学研究科教授)
第2部 「若者に多様な住まいを」
<住宅政策提案・検討委員会>
・藤田孝典 委員 (NPO法人ほっとプラス代表理事)
・川田菜穂子 委員 (大分大学 教育福祉科学部 准教授)
・稲葉剛 委員 (一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事/ NPO法人もやい理事)
第3部 「市民が語ろう!若者の住宅問題」
・会場とのトークセッション
【主催】住宅政策提案・検討委員会/認定NPO法人ビッグイシュー基金
【開催協力】損害保険ジャパン日本興亜株式会社
お問い合わせ窓口:基金 大阪事務所 (担当:高野)
TEL:06-6345-1517 E-Mail:info★bigissue.or.jp ※★を@に変えてください。
2015年1月13日
講演・イベント告知
貧困を見つめる
身近な山梨でも貧困があることをご存知でしたか?
~これからの社会に求められるもの~
私たちの住む山梨にも貧困に苦しんでいる人がいることをご存知ですか?
格差が広がる中、貧困は誰もが陥る可能性があり、身近なものとなっています。
地域住民の一人として何ができるのか
考えるきっかけの場として多くの方にご参加いただければ、と思います。
申し込み不要 入場無料
日 時:2015年1月31日(土)
12:30~13:20受付 13:30 開演
講 師:稲葉剛氏 (つくろい東京ファンド代表)
場 所:山梨県立大学(飯田キャンパス)C101
http://www.yamanashi-ken.ac.jp/info/info/map
山梨県甲府市飯田5-11-1
定 員:150名 (先着順)
※車でお越しの方は下記の連絡先までご連絡ください。
企 画:山梨県立大学ホームレス支援サークル
Mail: hl.sien.20110401★gmail.com ※★を@に変えてください。
Tel: 0552245367
2015年1月13日
提言・オピニオン
年末年始のお休みも今日が最終日。明日は仕事始めになります。
全国各地で行われてきた越年の活動(年末年始の野宿者支援)も今日が最終日になりました。
年末年始は役所が閉庁し、福祉行政の機能が停止するため、各地で路上に取り残された人々を支援する活動が行われています。
今回は東京の渋谷区が炊き出しを妨害するために区内の3公園を封鎖するという暴挙に出たこともあり、大きな注目を浴びました。
ただ、今回の公園封鎖をきっかけに野宿者問題に関心を持った人の中には、「年末年始だけ活動をしている」、「炊き出しだけをしている」といった誤解をしている人もいるようです。
そこで、野宿者支援活動の広がりについて、改めてご説明したいと思います。
その前に、「野宿者問題についての基礎知識を知りたい」という方は、以下のページがよくまとまっているので、ご参考にしてください。
NPO法人Homedoorウェブサイト「ホームレス問題とは」
民間による野宿者支援活動は、バブル経済崩壊の影響で全国的に野宿者が増え始めた1990年代半ばから盛んになりました。
各地で越年の活動を担った団体は、どこも通年で炊き出しや夜回り(パトロール)、福祉事務所への同行といった支援を行なっています。
初期の野宿者支援は路上での直接的な支援が中心でしたが、徐々に活動の領域は広がってきました。
今ではさまざまな分野で支援活動は展開され、さまざまな業種の人が参加しています。以下に分野別に見ていきましょう。
【福祉・医療】
ホームレス状態で生活している人の中には、食事も満足にとれない人や持病を抱えている人もたくさんいます。
特に冬の時期には、冷たい路上で寝ているために体温を奪われ、凍死してしまう人も出ています。
そのため、各地の支援団体はボランティアの医師や看護師など医療従事者の協力を得ながら、無料医療相談会の開催など健康面での支援を行なっています。
その中でも東京・池袋で活動をしているNPO法人てのはしは、国際NGO「世界の医療団」などと協力をして、知的障がいや精神疾患を抱えた野宿者に特化した支援プロジェクトを行なっています。
東京プロジェクト – ホームレス状態の人々の精神と生活向上プロジェクト –
野宿をしている人の中に、知的障がいや精神疾患を抱える人が非常に多いという事実は、このプロジェクトの中心を担っている精神科医の森川すいめいさんらの調査によって明らかになりました。
森川すいめい「ホームレス化する日本の障がい者 池袋の取り組みと調査」PDF
【法的支援】
医療従事者だけではなく、弁護士や司法書士といった法律家も専門知識を活かした野宿者への支援活動を行なっています。
東京を中心に活動するホームレス総合相談ネットワークは、生活保護の申請や多重債務問題など、ホームレス状態にある人のニーズにあった法的支援を行なっています。
生活に困った人が生活保護を申請するのは当たり前の権利ですが、住まいのない人たちには長年、生活保護の窓口で差別的な運用が行われてきました。
今でも野宿者に対する福祉事務所の水際作戦(窓口での追い返し行為)はなくなったわけではありませんが、こうした法律家のグループの活動により、以前よりは野宿の人たちが生活保護を利用しやすくなっています。
2008年には東京・新宿区で50代の野宿の男性の生活保護が三度にわたって却下されるという事態が起こりました。
この男性が法律家のサポートを得て裁判を起こしたところ、最終的に新宿区が敗訴し、その判決が確定しています。
【仕事づくり】
ホームレス状態になって困ることの1つに「履歴書に書く住所がなくなる」という問題があります。
野宿者と直接、話をしたことのある方なら、「仕事をしたくても住所や住民票がないために門前払いされる」という話を聞いたことがあるでしょう。
こうした状況を打開するため、野宿状態でもできる仕事を民間の手で作っていこうという活動もあります。
よく知られているビッグイシューは、「ホームレスの人だけが販売することのできる雑誌」であり、販売者は一冊(350円)売るごとに180円の収入を手にすることができます。
関連記事:ビッグイシュー販売者の路上脱出を応援したい!対談:瀬名波雅子さん(ビッグイシュー基金)×稲葉剛
大阪で大学生たちが立ち上げたNPO法人Homedoorでは、「野宿のおじさんに自転車修理が得意な人が多い」という点に着目し、HUBchariというシェアサイクルの仕組みで仕事を作り出しています。
関連記事:「同世代から同世代に伝えたら一番伝わりやすいから伝えよう」 対談:川口加奈さん(NPO法人Homedoor代表理事)
また、東京の山谷地域で支援活動をしてきた人たちが中心となって立ち上げた企業組合あうんは、リサイクルと便利屋事業で雇用を創出しています。
【住宅】
住宅支援の分野は手前味噌になりますが、私が代表理事を務める一般社団法人つくろい東京ファンドでは、住まいのない人のための個室シェルターを運営すると同時に、アパートの空き室を使った住宅支援を展開しています。
また、「アパートを借りたくても、契約に必要な保証人がいない」という人もたくさんいます。
私が理事を務める認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいでは、広い意味でのホームレス状態にある人がアパートに入居する際に団体が保証をするという事業を行なっており、2001年の設立以来、約2300世帯の保証を行なっています。
【教育】
野宿者が直面する深刻な問題の1つに、若者たちによる襲撃があります。
昨年、都内の支援団体が合同で行なったアンケート調査では、実に野宿者の4割が襲撃された経験があることがわかりました。しかも、加害者のうち38%は子どもや若者でした。
関連記事:野宿者襲撃の実態に関する調査結果を発表。都に申し入れを行いました。
こうした襲撃事件をなくすために活動をしているのが、一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネットです。
このネットワークには、全国の支援団体関係者、報道関係者、教員などが参加し、各地の学校で「ホームレス問題の授業」を実施しています。
また、野宿者問題を子どもに伝えるための独自教材(DVDや書籍)も作って、その普及活動をおこなっています。
以上あげたものは、ほんの一部です。ここにあげた団体以外にも、さまざまな団体が各地域や各分野で活動を展開しており、相互に連携をしながら動いています。
年末年始に野宿者問題に関心を抱いた方は、ぜひ引き続き、野宿者支援の活動にご注目とご支援をお願いいたします。
最後に宣伝を。私の新著『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』は、過去20年間の野宿者支援活動の報告をまとめたものです。
90年代半ばからの支援活動の経緯や排除・襲撃問題についてもわかりやすく解説しているので、ぜひこちらもご参考にしてください。
関連記事:『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』刊行!予約受付開始&プレミアム版限定販売中です!
2015年1月4日
日々のできごと
皆様、お正月をいかがお過ごしでしょうか。
つくろい東京ファンドでは、本日1月2日、個室シェルター「あわやハウス」に入居されている方々とともに、豊島区要町にある「池袋あさやけベーカリー」のもちつき大会に参加させていただきました。
池袋あさやけベーカリーは、店主である山田和夫さんのもとに、路上生活を経験したり、心や体に病気がある人たちが集まって始めたパン屋です。
池袋あさやけベーカリーのウェブサイト
また、あさやけベーカリーの場所は、月に2回、「要町あさやけ子ども食堂」が開かれていることでも知られています。
今日のもちつき大会にも、路上生活を経験した人たちや地域の子どもたちやその親御さんたちなど、さまざまな人たちが集まり、大賑わいでした。
「あわやハウス」入居者の最年長であるKさん(83歳)も、もちをつきました。
もちつきには、「あわやハウス」に入居している人だけでなく、すでにアパートに移った人たちも合流して、みんなで美味しくおもちをいただきました。
1月12日には、NHKの番組『にっぽん紀行』で山田さんと池袋あさやけベーカリーの物語が取り上げられるそうです。
にっぽん紀行「再起のパンで明日へ~池袋・妻が残した幸せのレシピ~」
こちらもぜひご注目ください。
2015年1月2日
日々のできごと
新年あけまして、おめでとうございます。
この年末年始も「ふとんで年越しプロジェクト」に参加しています。
つくろい東京ファンドも、「ふとんで年越しプロジェクト」にシェルター提供で協力しています。
大晦日の夜は、シェルター入居者の方、シェルターからすでにアパートに移られた方、年末年始に緊急で受け入れた方とともに、みんなで年越しそばとおせち料理をいただきました。
2014年は、野宿者支援に関わって20年という節目の年にあたったこともあり、この稲葉剛公式サイトを開設したり、新団体「つくろい東京ファンド」を設立してシェルター事業を始めたり、もやいの理事長職を交代したり、20年間の活動をまとめた新刊を上梓したり、と様々なことにチャレンジした年でした。
2015年は、昨年始めた事業の足場を固めるとともに、さらに新たなことに踏み出していきたいと考えています。
新しい年も、よろしくお願いします!
※関連記事:2014~2015 全国の炊き出し・パトロール・相談会リスト一覧
※関連記事:越年チャリティ生配信「ボトムアップチャンネル」、放送開始しました! 第一回無料公開中!
2015年1月1日