9月15日(祝) “低きに合わせる”のが、この国の生存権保障なのか?~次に狙われる住宅扶助基準と冬季加算の削減

講演・イベント告知

“低きに合わせる”のが、この国の生存権保障なのか?
~次に狙われる住宅扶助基準と冬季加算の削減~

 

チラシPDFはこちら。

2013年8月から、史上最大幅(平均6.5%、最大10%)の生活保護基準の引き下げが、3回に分けて進行中です。国はそれだけにとどまらず、2014年末にかけて、社会保障審議会・生活保護基準部会の議論を住宅扶助(家賃)基準と冬季加算の引き下げに誘導し、来年度から実施しようとしています。
「最下層の生活水準に合わせてナショナル・ミニマム(国家的最低保障)である生活保護基準を引き下げる」という手法は、一貫しています。このようなやり方がまかり通れば、この国の生存権保障(憲法25条)は絵に描いた餅となってしまいます。

 

生活扶助基準本体に比べると、少しわかりにくい問題かもしれませんが、何が問題か実態を踏まえて解き明かしていきたいと考えております。
ぜひ多数ご参集ください。

 

【日時】2014年9月15日 13:00~17:00
    (受付開始12:30)

【場所】ハロー貸会議室東京駅前ビル9F 
(東京駅 徒歩3分・八重洲地下街26番出口直結)

● 申込不要(先着150名)
● 入場無料(カンパをお願いします)

【プログラム】
基調報告
住宅扶助基準と冬季加算削減に向けた国の策略と問題点
 吉永純さん(花園大学教授)

基調講演
住宅扶助基準引き下げに見る住宅政策の貧困
 平山洋介さん(神戸大学教授)

ビデオレター
家賃高騰に悩む被災地からの声
 太田伸二さん(弁護士・仙台弁護士会)
 山脇武治さん(宮城県生活と健康を守る会連合会事務局長)

特別報告
車イス利用者の住宅事情
 川西浩之さん
寒冷地における冬季加算の役割
 沼田崇子さん
(岩手県二戸保健福祉環境センター福祉課長・全国公的扶助研究会 副会長)

▲ 他、当事者の声

▲ 生活保護基準引き下げにNO!訴訟の最新情報
 徳武聡子さん(生活保護基準引き下げにNO! 全国争訟ネット事務局)

▲ 年金切り下げに12万件超の不服申立て
 全日本年金者組合の方

▲ まとめ
 尾藤廣喜さん(弁護士、生活保護問題対策全国会議代表幹事)

〈司会進行〉稲葉剛(住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)

【主催】「STOP!生活保護基準引き下げ」アクション http://nationalminimum.xrea.jp/
住まいの貧困に取り組むネットワーク http://housingpoor.blog53.fc2.com/

 

個室シェルター「あわやハウス」、物資カンパのお願い

日々のできごと

つくろい東京ファンドが個室シェルター「あわやハウス」を東京都中野区内に開設して、まもなく1ヶ月になります。

都内のさまざまな生活困窮者支援団体と連携をしながら、次々と入居者を受け入れているところです。

*関連記事:あわやハウス開設 初利用者の声

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シェルターに入居される方の中には、着の身着のままの状態の方も多くいらっしゃいます。つくろい東京ファンドでは、必要に応じて生活保護の申請支援を行なっていますが、当面の対応として食料などの緊急支援も行なっています。

こうした緊急支援のために以下の物品を提供できる方がいらっっしゃれば、ぜひカンパをお願いします。

◆募集する物品

・インスタント食品、缶詰(賞味期限内のもの)

・タオル、バスタオル

・男性用下着(新品)

・洗剤、石けん

・クオカード

保管スペースが限られているため、あらかじめ、品目と数量をお問い合わせフォームでお知らせください。折り返し、送付先住所をお知らせします。申し訳ありませんが、送料はご負担をお願いします。

 

つくろい東京ファンドでは、引き続き活動資金も募集しています。

下記の銀行口座にお振り込みの上、お問い合わせフォームにご連絡ください。

◆つくろい東京ファンドの銀行口座

みずほ銀行 飯田橋支店(061)
普通 2634440 「つくろい東京ファンド」

セーフティネットのほころびを修繕する事業にぜひご協力ください。

 

あわやハウス開設 初利用者の声

日々のできごと

20140820202803_awayaおかげ様で「つくろい東京ファンド」が準備しておりました個室シェルター「あわやハウス」は無事開設し、受け入れを開始しました。
今回はその初の利用者となった、ビッグイシュー基金を通じての1週間の体験入居をされたビッグイシュー販売者の江上敬一さんに、利用した感想を伺いました。

【2014年8月14日】 野宿者襲撃の実態調査の結果が各メディアで報道されました。

メディア掲載

http://mainichi.jp/select/news/20140815k0000m040025000c.html

ホームレス:4割が襲撃された経験 NPO調査

毎日新聞 2014年08月14日 18時42分(最終更新 08月15日 08時54分)

東京都内のホームレスの4割が何者かに襲撃された経験があることが14日、NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(新宿区)などが実施したアンケートで分かった。都内では1995年以降、襲撃で10人のホームレスが命を落としているといい、もやいの大西連理事長は「襲撃経験者は予想以上に多かった。放置すればエスカレートする恐れがある」として行政に早急な対策を求めた。【和田浩幸】

もやいによると、襲撃経験に絞ったアンケートは全国初。6〜7月に新宿、渋谷、池袋、上野などの路上で生活する男女347人を対象に聞き取り方式で実施した。ホームレスの年齢は30〜86歳、平均59.8歳だった。

襲撃に関する問いに答えた318人のうち40%に当たる126人が、被害経験があると回答。うち22人は襲撃が「よくある」と答えた。時期は夏(57%)と春(29%)が多かった。見た目から判断した襲撃者は「子供・若者」が38%に上り、「大人」は22%だった。

襲撃人数は2人以上が75%を占め、集団で弱者を襲う構図も浮かび上がった。手口は「物を使った暴力」の37%が最多。▽水入りのペットボトルや空き缶、石などを投げる▽鉄パイプでたたく▽花火を打ち込む▽荷物に火をつける−−など悪質なケースが目立つ。殴ったり、段ボールを蹴ったりする「身体を使った暴力」と、因縁などをつける「暴言・脅迫」は、ともに25%だった。

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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140814/k10013812441000.html

路上生活者の4割が襲撃受けた経験

NHKニュース 8月14日 19時48分

路上で生活をしている、いわゆるホームレスの人たちが若者らに襲われるケースが後を絶たないなか、東京都内の支援団体がホームレスの人たちに聞き取り調査を行った結果、およそ40%の人が、石を投げられるなどの襲撃を受けた経験があることが分かりました。

この調査は、東京都内でホームレスの人などを支援している団体が行ったもので、新宿や渋谷、池袋などでホームレスの人300人余りに聞き取りを行いました。
その結果、襲撃を受けた経験ついて、「よくある」が7%、「たまにある」が20%、「過去にはある」が13%と、合わせておよそ40%の人が経験があることが分かりました。
また、加害者について、「子どもや若者」が38%、「大人」が22%、「その他・不明」が40%と答えています。

具体的な襲撃の方法については、空き缶や石を投げたり、花火をうち込んだりするなど、物を使った暴力が多いことが分かりました。

60代のホームレスの男性は「夜中に突然、段ボールの中にロケット花火をうち込まれた。それ以来、夜が来るたびに不安で眠れないようになった」と話していました。

調査した団体によりますと、ホームレスの人に対する襲撃は夏場が特に多いということで、「こうした暴力が人の命を奪うことさえあることを、若者たちが認識していないとしたら恐ろしいことだ。人権について、教育現場でしっかり学べるようにしてほしい」と話しています。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014081502000119.html

鉄パイプやロケット花火… ホームレス4割「襲撃受けた」

東京新聞 2014年8月15日 朝刊

東京都内の路上生活者(ホームレス)の四割が、暴力や花火を打ち込まれるなどの襲撃を受けた経験のあることが分かった。民間支援団体が十四日、ホームレスに聞き取りした結果を発表した。夏季に子どもや若者が複数で襲撃に及ぶケースが多いとの傾向が出ており、実態把握や差別、偏見をなくす人権教育の充実を都に要望した。

調査は六月下旬から七月中旬にかけ、台東区や新宿区など都内十数カ所で、駅や公園などで寝泊まりする約三百五十人を対象に実施。襲撃を受けた経験の有無を答えた三百十八人のうち7%が「よくある」、20%が「たまにある」と答えるなど、四割が何らかの被害を受けていた。

時期は夏57%、春29%の順で、加害者に関しては38%が見た目で「子ども・若者」と回答。75%が複数人に襲われており、「鉄パイプでたたかれた」「ロケット花火を打ち込まれた」などのケースがあった。

支援団体が十四日に都庁で開いた記者会見で、同席したホームレス男性は「五、六人に花火や石を投げ付けられ、『死ね』と言われた。毎日不安だ」と訴えた。都内では一九九五年以降、野宿をしているという理由だけで襲撃を受け、十人が死亡したという。

小中学生がホームレスについて学ぶ取り組みを始めた墨田区の事例も紹介。調査に加わったNPO法人自立生活サポートセンター・もやいの大西連理事長は「野宿は悪で、襲撃されても仕方ないという差別意識が背景にある。まず実態を知ってほしい」と語った。

舛添都知事が野宿者襲撃への対策を徹底すると表明!実効性ある対策を求めます。

提言・オピニオン

8月14日、NPO法人もやい、山谷労働者福祉会館活動委員会、ひとさじの会など、都内の野宿者支援団体9団体は連名で、「野宿者襲撃への対策を求める要望書」を東京都に提出しました。

都内各地で野宿をしている人たち347人を対象に実施したアンケート調査で、「40%の人が襲撃を受けた経験がある」、「襲撃は夏季に多く、襲撃者(加害者)の38%は子ども・若者である」といった事実が判明したことから、「都としても実態調査をおこなうこと」、「都民にむけて広報・啓発活動をおこなうこと」、「学校教育において野宿者への正しい理解をうながす教育プログラムを策定し、実行すること」、「襲撃を受けた野宿者が訴えでた場合は必要な保護をおこない、再発防止に向けた協議の場をもつこと」を求めたのです。

関連記事:野宿者襲撃の実態に関する調査結果を発表。都に申し入れを行いました。

東京都の各部局との話し合いの場には、野宿の当事者も参加し、被害の実情を訴えましたが、都の各担当者は「持ち帰って検討します」と言うばかりで、今後の動きに期待できるような対応ではありませんでした。

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東京都の担当者に要望書を提出。

東京都の担当者に要望書を提出。

しかし、このニュースが各マスメディアで大きく報道された影響もあったのか、翌日(8月15日)に動きがありました。

舛添都知事が定例記者会見の場で、野宿者襲撃問題への対応を質問され、「対策を徹底する」と答えたのです。

NHKニュース:ホームレス襲撃問題 対策徹底へ

東京都庁のウェブサイトに掲載された舛添知事の記者会見録によると、舛添知事の発言は以下のとおりです。

【記者】毎日新聞の竹内と申します。昨日、市民団体の発表で、都内でですね、ホームレスの方が襲撃された経験があるというのは4割だと。うちですね、また約4割ぐらいが子供とか若者に襲われたという調査結果が出ているということです。都にも調査を求めてますけど、今後、都としてこういう問題にですね、どう取り組まれるのでしょうか。

【知事】そういう誰に対しても暴力というのは決してやってはいけないことだと思いますし、特にホームレスの方々という、ある意味では弱い立場にある方に対して暴力振るうというのは決してやってはいけないと思います。特に若い人たちが加害者になるというのは、これは教育現場の問題でもありますので、教育の現場でも、今までもずっと都の教育委員会を中心にやってきておりますけど、しっかりと徹底したいと思っています。
 それから、いろいろな事情があってホームレスになられたのだと思いますけれども、できれば1日も早くホームレスから脱却していただきたいということで、都のほうはそれぞれの区とですね、一緒になって定期的な巡回活動をして、聞き取りをしたり、一時的な宿泊場所の提供とかいろいろなことをやってますので、今後ともこれを継続的に続けてやっていきたいと思っております。
 今申し上げましたように、直接声をおかけして、例えば新宿、隣の中央公園にもブルーテントがありますけど、そういう所に直接行って、直接ホームレスの方に声かけして、どうですかと。状況を聞いて、例えばこういう仕事を探されたらどうですかと、こういうところありますよということをですね、都の職業紹介場所として飯田橋にあるところを紹介したりというようなこともやりたいと思っています。
 それから、やはり人権週間とかイベントにおいて、こういう啓発活動をやっていきたいと思っております。非常にこういう暴力というのは、何か陰湿な感じがしますし、決してあってはならないので、全力を挙げてこういうことがないように、都としてもこれまでもやってきていますけども、継続的にこういう活動を続けていきたいと思っています。

私たちとしてはこの動きを歓迎し、都知事の発言が「リップサービス」に終わらないよう、実効性のある対策を求めていきたいと考えています。

野宿者への襲撃を止めるための教育プログラムは、川崎市では1990年代半ばから実施されてきました。また今年に入り、東京都墨田区でも当事者や支援団体の働きかけに応じる形で、墨田区教育委員会が襲撃事件の再発防止プログラムを区内の全ての小中学校(小学5年~中学3年の全学年が対象)で実施しています。

関連記事:「ホームレス問題」の授業が墨田区教育委員会の主導で始まりました

川崎市でも墨田区でも、プログラムが形だけのものにならないよう、野宿の当事者や支援者と話し合いを重ねながら具体的なプログラム内容を詰めていきました。

私もこの5月から7月にかけて、墨田区教育委員会の教職員研修に3回にわたって呼ばれ、「子どもに『ホームレス』をどう伝えるか」をテーマにレクチャーをしてきました。そして、襲撃が多発する夏休み前に、区内の全ての小中学校で襲撃の再発防止を目的として授業が実施されたのです。

こうした取り組みの結果、川崎では襲撃件数を激減させることができ、墨田区でも今年の夏休みには今のところ襲撃が報告されていないと聞いています。

また、民間では私も理事を務める「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」が学校の先生たちにも協力してもらいながら、学校の授業で教材として使えるDVDや資料集を制作してきました。

舛添都知事や都教育委員会の関係者にまず取り組んでいただきたいのは、こうした先駆的な事例に学ぶことです。
そのために私たちも民間の立場で協力をしたいと考えています。

襲撃をなくしていくためには、継続的な取り組みが必要とされます。
ぜひ引き続き、多くの方のご注目、ご支援をお願いいたします。

関連記事:子どもたちと野宿者の出会いの場をつくる(2001年)

関連記事:中学生のみなさんへのメッセージ(2003年)

関連サイト:生田武志さんのウェブサイト「野宿・貧困問題の授業を行なっています」

野宿者襲撃の実態に関する調査結果を発表。都に申し入れを行いました。

提言・オピニオン

6月28日から7月14日にかけて、東京都内の野宿者支援団体、生活困窮者支援団体が合同で、野宿者への襲撃の実態に関するアンケート調査を実施しました。

新宿、渋谷、池袋、上野、浅草・山谷地域など都内各地で野宿をしている347名の方に聞き取りをした結果、以下のような衝撃的な事実が明らかになりました。

・40%の人が襲撃を受けた経験あり。

・襲撃は夏季に多く、襲撃者(加害者)の38%は子ども・若者。

・襲撃者は75%が複数人で襲撃に及んでいる。

・襲撃の内容としては、なぐる、蹴るなどの「身体を使った暴力」やペットボトルやたばこ、花火などの「物を使った暴力が62%を占めている。

・子ども・若者の襲撃は「物を使った暴力が53.6%にのぼる。

この結果を受け、本日(8月14日)、NPO法人もやいなど9団体の連名で東京都知事、東京都教育委員会、都人権部、都福祉保健局に対して、実態の把握と人権教育・人権啓発の強化などを求める申し入れをおこないました。

調査結果の詳細と要望書の内容は、NPO法人もやいのブログをご覧ください。

【再掲】野宿者への襲撃の実態に関する調査の概要および要望書【 2014年】

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申し入れの後は都庁記者クラブで記者会見を行いました。

記者会見の文字起こしは以下のページで公開されているので、ぜひご一読ください。

シノドス:襲撃されるホームレス――聞き取り調査からみえてきた襲撃の実態

申し入れと記者会見には、都内で野宿生活をおくる当事者も参加し、発言しました。

墨田区内で野宿をしている60代の男性は「中学生が5~8人のグループでやって来て、ロケット花火を打ち込んだり、石を投げてくる。小石だけではなく、縁石を割った大きなかけらを投げられたこともあり、毎日、『今晩も来るんじゃないか』という不安を感じている。ノイローゼで眠れなくなってしまった」と述べていました。

また、「墨田区教育委員会が襲撃の再発防止教育を始めた影響があるか」という点については、「この夏休みはまだ襲撃が来ていない」ということでしたが、「夏休みが終わるまでは気を緩めることはできない」とも話していました。

*関連記事:「ホームレス問題」の授業が墨田区教育委員会の主導で始まりました。

記者会見への各メディアの注目は高く、各新聞やNHKなどで報道されました。

毎日新聞:ホームレス:4割が襲撃された経験

朝日新聞:ホームレス4割「襲われた経験ある」 都内で調査

NHKニュース:路上生活者の4割が襲撃受けた経験

私たちの申し入れに対して、東京都の各部局の対応は「持ち帰って検討します」という官僚的なもので、前向きな姿勢があまり見られませんでした。

後日改めて今回の要望に対する検討結果を聞く機会を持ちたいと思いますが、ぜひ皆さんからも都教委や各部局に対する働きかけをしていただければと思います。

襲撃をなくしていくための取り組みにご注目、ご支援をお願いいたします。

関連サイト:ホームレス問題の授業づくり全国ネット

 

クラウドファンディング終了!皆様のご協力に感謝します。

日々のできごと

8月9日をもって、モーションギャラリーのクラウドファンディング「住まいのない人が安心して暮らせる個室シェルターを作りたい!」が終了いたしました。

60日間のキャンペーン期間中に、118人の方々に資金を提供していただき、目標金額の80万円をはるかに超える1,079,500円を集めることができました。

皆様のあたたかいご支援に心より感謝いたします。

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おかげさまで、一般社団法人つくろい東京ファンドが東京都中野区内に開設した個室シェルター「あわやハウス」は順調なスタートを切ることができました。

この一週間は、ビッグイシュー販売者の方やネットカフェ生活を続けてきた派遣労働者の方など、4人の入居者を受け入れました。

つくろい東京ファンドでは、今後、個室シェルター事業を中心に生活困窮者を支援する様々な活動を展開していく予定です。

セーフティネットのほころびを市民の力で修繕していく事業は始まったばかりです。
ぜひ引き続き、ご注目、ご協力をお願いいたします。

※関連記事

つくろい東京ファンドの個室シェルターが報道されました

ビッグイシュー販売者の路上脱出を応援したい!対談:瀬名波雅子さん(ビッグイシュー基金)×稲葉剛

 

【2014年8月6日】 毎日新聞:「ひと」欄に稲葉剛の紹介記事が掲載されました。

メディア掲載

8月6日付け毎日新聞朝刊のコラム「ひと」欄に、稲葉剛の人物紹介記事が掲載されました。

NPO法人もやいを長期にわたって取材している遠藤拓記者が執筆した記事で、新団体「つくろい東京ファンド」の個室シェルター事業についても触れられています。

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http://sp.mainichi.jp/shimen/news/20140806ddm008070166000c.html?inb=ra

ひと:稲葉剛さん=路上生活者支援の新団体を設立した

◇稲葉剛(いなば・つよし)さん(45)

路上生活者を支援する「自立生活サポートセンター・もやい」(東京都新宿区)を、社会活動家の湯浅誠氏らと設立して13年。近年は国による生活保護制度の見直しに反対し、「生存権の侵害」と訴えている。普段は温厚で生真面目、口べた。仲間内では突っ込まれる場面が多い。

7月初め、設立当初から務めてきた「もやい」の理事長の椅子を後進に譲った。「トップが居座り続けると、新しい発想が出なくなる」。全国的な知名度を誇る団体のトップの座に、こだわりはなかった。

原点にあるのは「路上で亡くなる人を見たくない」という思いだ。東大大学院にいた1994年、友人の誘いで路上生活者の支援にかかわり始めた。豊かであるはずのこの国で、寒さや飢えで命を落とす人々に絶句した。3年後、中退し現場に身を置くようになった。

理事長退任に前後して新しい団体「つくろい東京ファンド」を設立し、路上生活者の個室シェルターを東京・中野で運営する。生活保護を受けアパートに移るまで従来は簡易宿泊所を紹介してきたが、集団生活になじめない人も多く、路上に戻るのを防ぐ狙いがある。

初期費用は百数十万円。寄付に加え、昨秋出版した本の印税もつぎ込んだ。それでも、当座の運営費は自腹を切ることになりかねない。どうしてそこまで徹底してやれるのか。ぼそっとつぶやいた。「継続は力なり。しつこい性分なんです」<文・遠藤拓/写真・中村藍>

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■人物略歴

広島市出身、被爆2世。一時、学習塾講師で生計を立てた。著書に「生活保護から考える」「ハウジングプア」。

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※つくろい東京ファンドの個室シェルター立ち上げ資金を集めるクラウドファンディングは、8月9日(土)が締切になります。以下のページでは、シェルター立ち上げまでの報告記事(全10本)を掲載しているので、ご参考にしてください。

【モーションギャラリー】住まいのない人が安心して暮らせる個室シェルターを作りたい!アップデート記事一覧

「どんなに小さなことでも、きちんとやるってことが大切」 対談:松本春野さん(絵本作家)×稲葉剛

対談・インタビュー


稲葉: 今日のゲストは松本春野さんです。
松本: よろしくお願いします。
稲葉: 松本春野さんは絵本作家として活躍されていますけれども、今回、新しく立ち上げた「つくろい東京ファンド」のマスコットキャラクターである、繕い猫の「ぬいちゃん」を作って下さいました。本当にありがとうございます。
松本: たくさん、いろんな所で使ってもらっていて光栄です。
20140805011018_tsukuroi稲葉: これから「ぬいちゃん」のいろんなキャラクターグッズも作って行こうと思っているんですけど、まぁ、この「ぬいちゃん」のコンセプトはですね、社会のセーフティネットの穴を縫っている、繕っている猫をキャラクターにして欲しいとお願いしたところ、本当にイメージ通りのものを作っていただいたということで・・・どうでしたか?作ってみて」
松本: 稲葉さんの頭の中にあるものを、ただただ絵にしただけでしたので。コンセプトが明確だったので、すごくやりやすかったですよ。何も迷わずに。
稲葉: これまでにも春野さんが投票率を上げるキャンペーンなどで猫のキャラクターを使っているのを「かわいいなぁ」と前々から思っていて。
松本: 猫好きの人の拡散率が高くて。絵本でも犬よりも猫の方が売れるんですよ。猫好きはお金を落とすっていうか、行動に出るみたいで。(笑)
稲葉: そうなんだ。そこまでは考えていなかった。(笑)
松本: それで、裏をかいて「投票に行こう」の時にも猫を一個入れといて。(笑) まぁ、猫、好きなんですけど。
稲葉: もともと松本春野さんとは、多分2006年ころだったと思うんですけど、もやいで「こもれびコーヒー」という自家焙煎事業を始めたときに、コーヒーの販売に使ういろんなキャラクターやイラストを描いていただいたというところからご縁が始まったんですけど・・・。
松本: 何者でもない私を使っていただいてありがとうございます。
稲葉: いやいや。最初はサロンに遊びにいらしたんですよね?
松本: そうなんです。ちょうど、あの頃、反貧困フィーバーみたいのありませんでした?
稲葉: 2006~7年頃くらいですかね。
松本: やたらメディアを賑わしていて、本もたくさん出てて。連日、非正規雇用の派遣切りとか、ああいうものが報じられていて。あの時、私は大学を卒業して、イラストレーターとして何とかやって行こうとアルバイトをしながら生計を立てていたので、それって正社員でもないし…。だから自分のこととして、本当に実家がなかったら路上の世界だなっていうふうには思っていたんですね。本当に自分とはかけ離れた世界というふうに思っていたものが、何かこう、知れば知るほど、すぐそこの世界という感じがして、他人事じゃないし、(生活困窮者は)私のような生活をしていた人達だったんだなという見方をするようになったのは、やっぱり自分が非正規でアルバイトしながらその日その日で暮らしていたような生活だったので。先も見えなかったし。何かこう、夢を追いづらい時代で、非正規がダメとか、正社員にならなきゃダメとかいうプレッシャーが強い中で、「何で絵なんか描いてるんだろう?」ってすごい罪悪感を持ちながら、でもいつかこれで生計を立てたいから何とか頑張るぞって思ってたんですけど、たまに心が折れそうになると、自分のためにもセーフティネットはしっかりしてないとなって。
20140805010911_matumoto稲葉: 貧困問題は美大生だったころから関心があった?
松本: そうですね。美大ではそんな社会のこととか教えてもらえるような授業って無くって、せっかくなら絵を描くにしても世の中のためになるようなモノづくりをしたかったし、そのためには世の中のことを知らなくてはいけないなと思って、東大の「法と社会と人権ゼミ」という過労死を扱う川人博弁護士のゼミに2年間潜らせてもらって、そこでいろんな人権問題を勉強して、問題の根底にあるのが貧困問題かなって自分で何となく思って。どんな問題も結局、貧しい人とか力のない人たちが当事者になって被害者になって抜け出せない。これは格差の問題だと思ったんですね。 なので、その流れで「もやい」に行きました。
稲葉: 特にここ数年、311以降だと思うんですけど、社会に余裕がなくなっているような気がして、例えばヘイトスピーチの問題もそうですけれども、貧困や格差が広がる中で、本来貧困を生み出している原因に対して「どうにかしろ
って言うのではなく、お互い足を引っ張ったり、叩き合ったりするという動きが広がってきているなぁと懸念しているんですけど。
春野さんは311以降の福島の問題も含めていろんな活動をされていますけど、よかったらその辺のところを…。
松本: そうですね、できることがあればと思って。311という、すごく大きなことがあったので、まず一番に福島がやはり心配だったので、福島に足を運んだんです。その現状を報道する機関はいっぱいあったんですけど、子どもの心っていうものをきちんと伝えるのは新聞とかテレビっていう機関じゃないなと。やっぱりそこで絵本の出番かなって思ったんですね。で、そういう場でもきちんと記録して、伝えるってわけではないのですけれども、書き記していかなくちゃいけないかなって思って、続けています。
稲葉: 絵本作家になられたのは、やはり…?
松本: 祖母が絵本作家の岩崎ちひろという人だったっていうのはやはりあって。岩崎ちひろ美術館で育ったっていうのもあって、絵本は身近だったんですけども。
稲葉: 美術館の中で?
松本: そう、中で育ったんです。自宅と美術館がくっついているような、自宅を改装してどんどん増設してっていう美術館だったので。今は違うんですけど。バリアフリーにするのをきっかけに一家で隣の駅に引っ越したんですけど。
稲葉: それまでは美術館に。
松本: 高校生までは美術館に住んでました。だからいつでもいろんな世界の絵本を見られる環境にあったし、あと勉強が嫌いだったので。
稲葉: 絵を描くのは好きだったんですか?
松本: 落書きが好きでした。だけど、すっごくだらしない子だったので、いつも絵具セットとか忘れちゃうんで、図工の時間とかはずっとお喋りしていて、きちんと評価されるようなことは何一つやってませんでしたけどね。
稲葉: でも、自分で描くのは…
松本: そうですね。人を描くのが好きで、人の生活とか。人間が好きだったんですよね。
稲葉: それが一番ですよ。
で、福島の絵本も出されて、絵本作家として社会の問題にも関わってという活動をされていますけども、つい最近のことですけど、7月1日に集団的自衛権の閣議決定がなされたということもあって、私も連日官邸前の抗議に参加していたんですけど、ツイッターとかFBで見ていると、春野さんも何度か駆けつけて声を出していたようですね。同じ場所にいたんだろうなと思うんですけど。
松本: 私も運動家じゃないんで分かんないんですよ。ああいうことがどれくらい効果があるのかとか。冷やかに見る人たちもたくさんいるじゃないですか。でも、何もやらないよりはやった方がいいというスタンスで。人に笑われようが。困ることには「困る!」とひとこと言っておきたいし。アレと投票以外にやり方が分からないんですよね。投票はなかなかちょっと、それだけだと・・・。
稲葉: そんなしょっちゅうあるわけでもないですからね。
松本: 何かいい方法ありませんかねぇ?
稲葉: 私たちも日常的にもロビー活動やったりとか。私たちも生活保護の問題とかで議員さんのところに行ったりとか、厚生労働省に申し入れをしたりとかはしていますけど、まだまだこう、いろいろな方法を開発していく余地というのはあるんだろうなとは思っていますけどね。
20140805010113_inaba松本: 何かあの、柳澤協二さんっていう元防衛官僚だった人の話を聞きに行った時に、集団的自衛権に反対していて、「デモって官邸からどういうふうに見えてましたか?」って質問したんですよ。そしたら、その時は「ケッ!」って思ってたんですって。「そんなの何にも変わんないよ」って。でも、今、彼は反対する立ち場になって、とにかくメディアがきちんと情報を載せて、世論調査に響くようなことになるのであれば何でもやって欲しいって言っていて。若い人はSNSも使いこなして必死でやってくれって。「ケッ!」って思っていた人でも、反対する立ち場になれば、必死でデモも肯定するんだなってことが分かって、ああ、意味あるんだなって。
稲葉: 聞こえてますもんね。テレビでやってましたけど、官邸の中で取材していて外のデモの声が聞こえていたりとか。私も議員会館とかでロビー活動していると、外の抗議活動が聞こえてますから、意識はせざるを得ないと思うんですよね。
松本: そう、あとは世論を動かすってことがすごく重要なんだって元官僚は言っていました。(笑)
稲葉: 今日はその時に官邸前に持って行かれたプラカードを持ってきてもらいました。これ実物ですよね。これ持って電車に乗って来たんですか?
松本: そうですよ、異様ないでたちで。何でこっちの面に文字がないかというと、文字が多いプラカードの中では、絵だけのプラカードは結構目立つので。あと海外のメディアが撮ってくれるんですよ。だから、(周囲に)文字が多い時は絵の面を使って、少ない時は文字を書いた方を使ってって、リバーシブルでやってるんです。(笑)
稲葉: 私、今回公式サイトを作って、今回の対談も掲載させていただくんですけども、まぁ、貧困の問題だけでなくて、平和の問題も含めて、いろいろなテーマで発信させていただこうと思っていますんで、また是非連携させてもらえればと思っていますし、今回「つくろい東京ファンド」でキャラクター作っていただいたということで、いろんな形でコラボできればと思っています。最後に「つくろい東京ファンド」に聞きたいことを。
松本: 最初私も何が何だか分からずに「描いてください」って頼まれて、これがどれくらいの規模のものなのかということも分かってなかったんですよ。クライドファンディングというのも、聞いたことあるけどどんなものなのかは。まぁ、私もやってみました。ちゃりちゃりーんって。(笑)
稲葉: ああ、ありがとうございます。
松本: きちんとこうやって行動を起こすと、メディアがそのあと取り上げてくれたりして、活動を広げていくのも抜かりなくやってらして・・・。
稲葉: この「ぬいちゃん」のお陰です。
松本: どんなに小さなことでも、きちんとやるってことがどれだけ大切かっていうことを稲葉さん見ていると教えられて、これを批判しようと思えば、「こんな部屋数じゃあ足りないじゃないか」とか、いろんなことを言う人がいると思うんですけど、この行動はこの先もきっともっと広がって行くんだろうなと、見ていて思いました。応援しています。
稲葉: ありがとうございます。そういえば、雨宮処凛さんがこの「ぬいちゃん」を見て、「かわいすぎる!」って絶叫に近いようなツイートをされていて、結構そういう効果もあって広がったのかなぁと。
松本: 本当ですか?あー、嬉しい!!稲葉さんの頭の中が、こんなかわいいメルヘンで出来ていたお陰でこれができましたので。(笑)
稲葉: 今後ともよろしくお願いします。
松本: よろしくお願いします!

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生活保護基準引き下げに対する集団訴訟が各地で始まります。

提言・オピニオン

昨年8月1日、生活保護の生活扶助基準の第一弾引き下げが行われました。

今年4月には第二弾の引き下げが行われ、来年4月には第三弾の引き下げが予定されています。

最初の引き下げからちょうど1年にあたる今日、埼玉県で25人、三重県で28人の生活保護利用者が基準引き下げの違法性・不当性を問う集団訴訟を提訴しました。

これにあわせて、東京の厚生労働記者会でも、訴訟のとりまとめを行なっている「生活保護基準引き下げにNO! 全国争訟ネット」が記者会見を行いました。

私もこの記者会見に参加し、発言をさせていただきました。

すでに提訴している佐賀県、熊本県、愛知県を加えると、5県で訴訟が始まることになります。

【関連記事】中日新聞(7月31日):生活保護引き下げは「違憲」 愛知の16人提訴

この5県に引き続き、少なくとも23都道府県で提訴が準備・検討されています(詳しくは画像をご覧ください)。

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今年の夏は「冷夏」の長期予報が外れ、猛暑日が続いています。

生活保護世帯には高齢者や障がい者、病気を抱えている人も多く、生活保護基準が引き下げられたことにより、こうした人たちがエアコンの電気代を捻出するのが難しくなっています。

生活保護基準の引き下げが健康悪化につながっているのです。

また、生活保護基準はナショナルミニマムとして様々な福祉制度と連動しています。そのため、生活保護基準が下がることで他の制度を利用できる所得制限の上限も下がり、制度が縮小してしまうことが懸念されてきました。

現実に、全国で約157万人が利用している就学援助制度では、生活保護基準の引き下げにより、全国71の自治体(全体の4%)で影響が出ていることが文部科学省の調査で明らかになっています。

しかも、文科省に「影響は出ない」と回答した自治体の中にも、昨年度受けていた子どもが今年度、制度から外れないように対応しているだけのところが多く、来年度以降は基準が下がってしまうと考えられる自治体が全国に318自治体(18%)もあります。

このように、生活保護基準の引き下げは国による低所得者対策全体を地盤沈下させてしまうのです。

その意味で、生活保護基準引き下げに反対する集団訴訟は、生活保護利用者の生命や健康を守るだけでなく、この社会における貧困の拡大に歯止めをかける、という意義もあると私は考えています。

ぜひ各地でおこなわれる訴訟にご注目、ご支援をお願いいたします。

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